2022年(令和4年)の土用の期間はいつからいつ?土いじり草いじりはなぜダメ?どうしてウナギ?
「土用」とはなに?「土用の丑の日」とは?なぜうなぎなの?
過酷な日々が続いています。
2021年も例を見ないほどの怒涛で未曾有の一年でした。
2022年は良い光が見えてくることを願わずにはいられません。
自分の家族、たいせつなひと達にもそうであって欲しい。
そんな願いを叶えるべく、是非参考にしていただきたいのが「土用」です。
昔からの日本人たちの知恵であるこの土用をうまく利用しながら、生活していきたいですね。
そこで、このよく聞くワード、「土用」ですが、いったいこれはなんなのか、まずはこの言葉の説明からしてみたいと思います。
「土用」とは、
日本にある春夏秋冬の四季の変わり目変わり目に訪れる約18日間のことを指します。
具体的にいうと「土用」とは、立春、立夏、立秋、立冬の前のそれぞれ約18日間のこと。つまり土用は1年の中で各季節分、4回ある事になります。
この時期はそれぞれ、
・春からムシ暑い夏に変わる時期、
・暑い夏が終わってひんやりした涼しい秋がやってくる時期、
・涼しい秋から極寒の冬がやってくる時期、
・寒い季節が終わり暖かな陽気に変わる時期、
というように季節をまたぐ変わり目にあたります。
ということで、体に気を付けましょう、いたわりましょう、次の季節に備えましょうという、準備、注意するための時期とされてきました。
体温調節が難しくなって、毛布がいらないか?タオルケットにするか?
夜はそうでもないのに朝はなんだかひんやりするなぁ。
羽織はどうするか?日中は要らないんだけどなぁ。
なんて悩み始める、ちょうど「あの時期」です!!
昔は、今のようにエアコンや暖房器具があったりする時代ではないですから、納得です。
しかし便利になった現代でもこの時期は結構侮れないものです。
秋でもまだまだ涼しい薄めの服装をしていたり、夏でもガンガンエアコンをかけたり。
本来ならば休ませ、いたわるときでも私達、現代人はその体を酷使し続けています。
その結果、夏でも風邪が流行ったり体が冷えていたり、胃腸を壊したり。
気が付いたら毎年同じような時期に風邪をひいているな、という事態が起こってしまうのです。
毎日を健康に生きるためのヒントとして、ぜひ参考にしていけたらと思います。
また、土用の「丑の日」という言葉を聞いたことがあると思います。
これは土用の期間中(約18日間)で、干支が「丑」にあたる日のことを言います。
大抵は18日間のうち、丑の巡る日はたった1日であることがほとんどですが、たまに同じ18日間の中で、2度巡ってくることがあります。
その時の丑の日は「二の丑」と呼ばれます。
それを踏まえ、
「土用」の間で「丑」が巡ってくる、「土用の丑の日」には、
丑(うし)だけに「う」のつく「ウナギ」を食べて精をつけましょう、とされてきました。
7月の夏休みのある日のスーパーなどで、「丑の日」に「ウナギ」の上りがひしめき合うのはこのためです。
もちろん春の土用にも、秋にも冬にも「土用の丑の日」はありますが、食欲が落ち、夏バテ著しい「夏の土用の丑」が主流になって今に至る、というわけなのです。
「ウナギ」は高い!なんで「ウナギ」じゃないといけないの?他のものでも良い?
こうして、土用の「丑の日」には、うなぎという「う」のつく食べるのが良いとされてきた風習がありました。
どうして「う」なのか??
もっと体にいいものもありそうですよね?
丑だけに「牛の肉」、じゃあ牛丼でもよくないですか??
昔の人の、ただのダジャレに振り回されてる??
実はこれ、「う」が付くものなら意外にOKだそうです。
これには諸説あるのですが、なかでも有名なものを一つ挙げてみたいと思います。
「土用の鰻」の立役者・平賀源内です。
江戸時代、夏にお客さんが入らなくなってきたことを悩んでいたうなぎ屋さんが平賀源内という学者さんに相談を持ち掛けました。
そこで平賀源内が「本日は土用の丑の日」とうなぎ屋に大きく打ち出したところ、学者さんの知名度、信頼度もあり、あれよあれよとうなぎ屋にお客が殺到した、ということでした。
これが「土用の丑の日」の始まりだと言われています。
これ、この当時に相談を持ちかけていた相手の方が牛丼屋(?)さんだったら「土用の丑の日」は牛丼になっていた可能性もなきにしもあらずですよね??(笑)
色々な偶然?が重なりつつも、やはり学者さん、「丑の日にウナギ」が全く無関係ということでも、てんでデタラメということもなく、鰻にはきちんと「土用」の時期に食べるべき理由があったのです。
鰻には特にたくさんのビタミンA・ビタミンB1・ビタミンB2が含まれることが分かっています。
もちろんその他、たくさんの栄養素が豊富ですが、特に多いとされるこの栄養素に、平賀源内は注目したのかもしれません。
・ビタミンAは、皮膚や粘膜を正常に保ち、免疫機能を維持し、粘膜系がんの抑制効果があると言われています。
・ビタミンB1は、消化を助け、精神を守るビタミンです。B1が不足するとむくみ、動悸、食欲不振などの症状が現れます。天候が暑いのもあり、食欲が落ちるのは夏バテの象徴的症状でもありますね。
それによりエネルギー不足、エネルギー代謝不足から、些細なことに怒りやすくイライラする精神的症状が、表面化しやすくなってしまいます。
・ビタミンB2は、成長を促す、細胞再生のビタミンです。ビタミンB2が不足すると成長が止まるともいわれるほどで、また適度に摂ることで成人病も予防できるとされています。
このような栄養素を摂取できる「ウナギ」とは、相当な万能食材だと言えます。
夏バテする夏の時期には持ってこいかもしれません。
学者である平賀源内がどこまで掴んで、土用の「丑の日」を選んだのかは不明ですが、なかなか理にかなったチョイスでした。
「寒の土用の丑の日」ってなに?冬でも食べていいの?
また、余談としては本来、鰻の旬は夏ではありません。
なので夏にはお客さんが入らなかったのも頷けます。
なんせ、鰻の旬は10月~12月です。
ウナギ屋さんの悩める夏対策を我々庶民は、頭の良い平賀源内にまんまとしてやられてしまったわけです。
わざわざ旬じゃない夏の時期に、狙いを定めて、旬ではない鰻を買いにスーパーに殺到する不思議な日本人なのです。
でも美味しいから良い!!!
やっぱり夏に食べたい!!!
栄養満点の鰻だから言うことなし!!!
ですが、せっかくの旬の鰻も食べたい!
旬の良さはやはり旬に味わわないと!
旬に食べることでさらに栄養効果も絶大が期待されます。
ということもあって、近年では旬の時期(冬の土用)にウナギを食す「寒の土用の丑」も広がりつつあります。
「土用」には土いじりができない?ウソホント?
また、「土用」の土いじりが厳禁であることも広く知られるようになってきています。
この理由はいったいなぜなのでしょうか。
土、草関係以外なら大丈夫なのかな?
これは土用の「用」には「働く」という意味があり、土用の時期は、土の働きが最も強く作用すると言われてきたことに由来しています。
なので、この時期の「土」に関する一切のことを禁止する、とされてきたのです。
ちょうど疲れが出やすい時、体調を崩しやすい土用の(季節の変わり目)時期に、土の作用が強く影響してしまうことを恐れてのことのようです。
また、なぜ土が怖いのか。
理由の一説としては「土公神」という神様を怒らせてしまうから、という事も言われています。
この神さまはその時によってとどまる場所を変えていくそうなのですが、土用の時期が来ると土の中に潜るそうです。
そこで土をいじったり、土を掘り起こしてしまうことでそこに潜っていた土公神の怒りを買ってしまう、ということのようです。
人はいつの時代も土を踏みしめて生きています。
体が宙に浮かない限り、大地から、地面から離れないで生きていくことはできません。
昔の人たちは身近な「土」という、自分たちの足元から漂う恐ろしい(神の)気配を感じていたのかもしれません。
土いじりや、新しく事を起こすというのは具体的にはどういうことを指すかと言うと、
・引っ越し、
・新築、
・上棟、
・地鎮祭、
・造園関係、
・井戸掘り、
・増築、改装などなど。
広い意味ではこの時期の結婚、就職なども良くないのだとか。
この時期はおとなしくしておくのが吉のようです。
なにか大切な行事をお持ちの方は「土用の時期」はその日程からずらすということも選択肢のうちに考えていく価値がありそうです。
しかし、高層マンションや集合住宅の上位階に住むかたたちにはどうかというと、土から離れているかたたちにはその土地の土をいじっても影響は受けないと言われています。
また逆をいうと、その土(土地)の恩恵を上層階の人たちは受けることも出来ないということにもなりそうです。
2022年(令和4年)の土用はいつ?期間は?まとめ一覧はここから!
2022年(令和4年)の土用はこちら!
土用とは、立春、立夏、立秋、立冬の前のそれぞれ約18日間のことを指します。
●冬の土用
2022年1月17日(月)冬の土用入り
↓(18日間)
2022年2月3日(木)冬の土用明け
2022年2月4日(金)立春
●春の土用
2022年4月17日(日)春の土用入り
↓(18日間)
2022年5月4日(水・祝)春の土用明け みどりの日
2022年5月5日(木・祝)立夏 こどもの日
●夏の土用
2022年7月20日(水)夏の土用入り
↓
※2022年7月23日(土)土用の丑の日
※2022年8月4日(木)二の丑
↓(18日間)
2022年8月6日(土)夏の土用明け
2022年8月7日(日)立秋
●秋の土用
2022年10月20日(木)秋の土用入り
↓(18日間)
2022年11月6日(日)秋の土用明け
2022年11月7日(月)立冬
この「入り」から「明け」までの約18日間前後は新しいことを始めるのではなく、自分を大切にいたわり、穏やかに、特に体に注意する期間とするのが良いでしょう。
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以上が、2022年(令和4年)の「土用」一覧のご紹介でした!
相変わらず疫病が猛威を振るっています。
体が健康なことが、なにより一番だと身にしみて感じる日々です。
どうか今年こそは健康に、心穏やかに、安心安全な毎日が過ごせるよう願ってやみません。
離れて暮らす大切なあの人にも、遠くに住む家族にも、すぐ隣のあの人も、どうか健康でパワフルに絶好調な日々を過ごしてほしい。
土用はそんな、力強く生きていくためのヒントにもなるものだと思っています。
「土用」を上手く生活することで、日本の美しい四季がより一層楽しめることと思います。
日本の歴史を紡いできた先人たちの知恵をお借りしながら、上手に活用しながら、毎日を健康的に充実させていきましょう!!