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洋画『コンテイジョン』(2011・米)未知のウイルスパニックの結末は?あらすじ&ネタバレ紹介!

『コンテイジョン』(2011年・アメリカ映画)ウイルス恐怖のはじまりは?伝染病の終幕は?口と鼻と手があるひとは全員危険!?あらすじ・ネタバレを大公開!

未知の感染症が世界中に拡がり、ウイルスパニック!そんなとき人々は…?

作品情報:
『コンテイジョン』
原題:Contagion
公開:2011年
時間:106分
製作:アメリカ合衆国
監督:スティーブン・ソダーバーグ
脚本:スコット・Z・バーンズ
配給:ワーナー・ブラザース
キャッチコピー:【恐怖】は、ウイルスより早く感染する。

出演:
マリオン・コティヤール(役名/レオノーラ・オランテス)
マット・デイモン(ミッチ・エムホフ)
ローレンス・フィッシュバーン(エリス・チーヴァー博士)
ジュード・ロウ(アラン・クラムウィディ)
グウィネス・パルトロー(ベス・エムホフ)
ケイト・ウィンスレット(エリン・ミアーズ医師)
ジェニファー・イーリー(アリー・ヘクストール医師)
アナ・ジャコービー=ヘロン(ジョリー・エムホフ)

『コンテイジョン』あらすじはこちらから!

物語は「2日目」から始まります。

***

 

「2日目」

咳をしている女性、ベス・エムホフ(グウィネス・パルトロー)は空港のカウンターでナッツをつまみながら男性からの電話を受ける。
電話の相手はジョン・ニール。
電話の向こうの咳に気付いたニールはベスを気遣う。
「ただの時差ボケよ。」
搭乗のアナウンスに気付き、お会計にと彼女は店員に自分のカードを差し出す。
そのカードを受け取った女性職員はいつもそうするように、レジの機械にそれを通した。

同じ頃、場面は変わって香港 九龍 人口210万人の街。
じんわり汗をかき、若干のふらつきを見せる若者男性・リーが帰路へと向かう様子。
待合の椅子に座り、電車に乗り、人波をかき分けて手すりを掴む。
街へ出ると、たくさんの人混みをすり抜けて、マンションのエレベーターに乗り、自宅へと帰る。
一緒に住む女性に調子が良くないことを訴えている。

また英国 ロンドン 人口860万人の都市でも。
若干の発汗と落ち着きの無さを見せる女性が仕事をこなしている。
自分が使っていたファイルを事務所のテーブルに置いて部屋をあとにする。
その後、宿泊ホテルでその女性は部屋で泡を吹いて倒れていた。
ホテルのコンシェルジュたちはそれに気付き、不審な様子で見ている。

そしてここ、ミネソタ州 ミネアポリス 人口330万人の街。
アルダーソン社のプロジェクト管理者であるベス・エムホフは車の中で書類にサインを書き留めたあと、送迎してもらった車を降り、自宅へと帰宅。
夫のミッチ・エムホフマット・デイモン)と息子のクラーク・エムホフが彼女を出迎える。久し振りの再会を喜び合い、ベスは我が子を抱きしめる。

また場面は変わり、東京 首都圏 人口3660万人の大都市。
飛行機の中と思われる空間で体調を崩したような黒縁メガネの日本人男性が映る。
ドアノブを回し、扉を締め、歩いて席につく。
CAさんにお水を貰い、口に含んで一呼吸。
手元のテーブルの上にコップを置くと、隣には“アルダーソン社”の書類。
その後、東京を走るバスの中。
男性は熱を帯び、口で浅く息をしていたが、ネクタイを緩めたかと思うと、その車内で唐突に倒れてしまう。騒然となりざわめく車内で、近くの乗客がカメラをかざしていた。

再び、香港の若者・リー。
自宅から出て、エレベーターに乗る。
子供、お年寄りと相席したその空間の中で若者は咳をする。
街へ出たものの、男は発汗しており、呼吸も荒く、足元も覚束ない。
目はかすみ、焦点も合わない。
浅い息をしながらやっと人混みから抜け出た瞬間、車道に進んでいることに気付かないままにトラックと衝突。

 

***

 

「3日目」

ジョージア州 アトランタ
疾病管理予防センター(CDC)。
エリス・チーヴァー博士ローレンス・フィッシュバーン)が出勤していく。
清掃人のロジャーといつものように会話を交わす。

カリフォルニア州 サンフランシスコ 人口350万人の街。
過激派ジャーナリストで陰謀論者のアラン・クラムウィディディジュード・ロウ)は東京で撮られたというある動画を新聞社に持ち込み、熱弁していた。
その動画はバスの中で突然泡を吹いて倒れた日本人男性の様子を捉えたものだった。
やらせの映像なのか?
それとも解剖せずなにかを隠蔽しているのか?
応対した相手の女性は隠蔽?まだ一人よ、と取り合わない。
「新聞社はオオカミ少年になるわけにいかないの。」
アランは毒を吐き散らし、その新聞社をあとにした。

クラーク・エムホフの小学校へやってきた継父・ミッチ。
咳をしながら出てきたクラーク。
先生は38℃ありました、と伝えた。
「ママの次は無敵のクラークか〜」
温かいスープを買って帰ろう、と肩を引き寄せるミッチ。
「感謝祭までには治そうな」

 

***

「4日目」

視界がぼやけているベス。焦点が合わない。
娘のジョリーは旅行から母親の家へ行っていること、自分の就職先がなかなか決まらないこと、ミッチは家でベスに向かって話しかけるが、ベスの反応は薄い。
それどころか手がこわばり、腕が動かず、ミッチに支えられて座ろうとした矢先、その場に崩れ落ちた。口から泡を吹き、体をのけぞらせるように痙攣。
緊急搬送されるベス。意識はあるものの表情はなく、目はうつろ。
その後、彼女は運び込まれた病院内で再びすぐに痙攣を起こしてしまう。
現場は混乱のまま、処置室から出されてしまったミッチは、その後、医師から予想もしない説明を耳にすることになる。
「最善を尽くしましたが、反応は戻らず、心臓が停止し、お亡くなりに…」
急いでベスのもとに行きたいミッチは頷いて聞いている。
「大変残念です」
「あ、妻と話せます?」
「エムホフさん、奥様は死亡しました」

そして医者は言った。
「原因は分かりません」
出張先が香港だったこと、疑わしい感染症はどれも違ったこと、おそらく解剖することになるが、それでも判明するかどうかはわからないこと。
「おそらく髄膜炎か脳炎だと思いますが、脳炎は原因不明が多い」
頭が全くついていかず、放心状態のミッチ。
タクシーで家に帰る途中、クラークの様子がおかしいとの電話をベビーシッターから受ける。
家に入るとクラークはベスのときと同じように口から泡を吹き、すでに息絶えていた。

 

***

 

「5日目」

場所はスイス ジェネーヴ
世界保健機構(WHO)に入っていく一人の女性。
「この一連の死亡」に関しての報告がなされていく。

ーーー香港の青年のお葬式が済み、遺骨とともにバスに乗る同居人だった女性が映る。
場所は中国 広東省 人口9610万人の都市。
乗っていたそのバスの清掃人が降りずに座ったままの女性を発見する。
その女性は口から泡を吹き、座ったままの格好で息絶えていた。ーーー

亡くなったものがいた、もしくは住んでいた建物を隔離し、全住人を検査する。
対処方法はSARSと同じ。
香港からの血液検体やロンドンからの検体も検査中。
現時点でホテルとスポーツジムの集団感染(クラスター)は2。
「死亡は5名、脳炎症状」
と、WHOの免疫学者の医師レオノーラ・オランテス(マリオン・コティヤール)は報告する。
「東京のバスの男性、そのクラスターでは死者3名」、と。

場面は変わってイリノイ州 シカゴ 人口920万人の街。
運ばれていく男性は呼吸器をつけられている。
「ジョン・ニールさん、しっかり!」
救急隊にそう声をかけられているが男性の応答はない。
救急車に載せられ搬送されていく。
ニールの妻は気が動転して泣き喚いている。

同時期、ベス・エムホフの解剖が行われていた。
ドリルのような音が響き渡り、頭が開かれる。
「脳溝が壊滅状態だな…」

 

***

 

「6日目」

エリス・チーヴァー博士の命により派遣されてきた女性医師、エリン・ミアーズ(ケイト・ウィンスレット)が調査にやってくる。
エリス・チーヴァーは伝える。
「昨夜の時点で死亡5名、症例32件」
エリン・ミアーズ医師は答える。
「最も優先させるべきは患者と感染が疑われる人々の隔離よ」
そして彼女は現地への取材へと出ていく。

同時期、ミッチの娘・ジョリーが帰宅すると、連れてこられたのは隔離病棟。
そこに父・ミッチは隔離されていた。
厚いガラスの壁を隔てて電話で会話をする父と娘。
「この病気の発症はとても早い。」
しかしベスやクラークを看病していたミッチは現時点でなにも起きてはいなかった。
念の為、色々な検査をされていた。
ジョリーはこの街を出て母の元へいけとミッチは娘へ助言。
しかし母には恋人もいる、パパが一人になっちゃう、私はここにいると伝える。

場面は変わってミネソタ州 保健局。
会議が行われている。
午後5時の時点で症例47件、死亡は8名。
「感染はおそらく呼吸器系や媒介物から」
エリン・ミアーズ医師は続ける。
「媒介物とは、それを介して感染が広がるもののこと。
人間は普通一日に2000〜3000回、顔を触る。
起きてる間、1分に3〜5回。
そのほかドアノブにも触るし、水飲み器、エレベーター、人の手。
それらが媒介物になる」
現時点で病気の正体が分かっていないこと。
豚インフルも大騒ぎしたもののから騒ぎに終わって人々は懲りていること。
クリスマス商戦も始まること。
様々な意見が、様々な立場から、飛び交う。
「学校の閉鎖を!」
「子供の世話は誰がするの?その親は店員だったり、公務員だったり、病院職員よ」
その話を遮り、ミアーズ医師はホワイトボードにある数字を書き示す。
「我々が議論すべきことはこれです。
一人が感染した時に、何人に二次感染させる恐れがあるか」

1,FLU-1
2,SMALLPOX-3
3,POLIO-4/6

1,季節性インフルエンザは約1人
2,痘瘡の場合は3人以上
3.ワクチンが出来る前のポリオは4〜6人程度

これらの数字は「R-0」で表される。
Rはウイルスの再生産率のこと。
今回の感染症の「R-0」は?

ミアーズ医師は続ける。
「感染拡大のスピードには様々な要因が考えられます。
潜伏期間はどのくらいか。
感染していても症状が出ない人もいる。
感染の恐れがある人々の数も調査しないといけない。」
手、口、鼻のある人間すべてね。
「R-0が分かれば大流行の規模が掴めることになる」

場面は変わり、CDCにあるバイオセーフティ“レベル4”実験室。
防護服を着たアリー・ヘクストール医師ジェニファー・イーリー)が届いた検体を調査している。
この検体はミネソタの女性。
中国へ旅行したあと、その息子も亡くなった、と同僚に話す。
「今朝の時点で症例は87件、死亡は15」
調査の結果、多形性で形状は卵形、脳細胞の表面に糖タンパクを確認。
しかし病理的形状でないことが分かる。
抗体の交差反応も見られない、と同僚も口を揃える。
「肉体が反応できないまま侵食されたってところか」
この検体をカルフォルニア大学サンフランシスコ校にいるサスマン博士に送る、とアリーは言った。

場面は変わり、電話で話しているサスマン博士(エリオット・グールド)が外へ歩いてくる。
未知のウイルスについての報告をしている。
「ウイルスの長さは15〜19kb
遺伝子の数は6〜10個」
彼が建物から出てくるのを待っていたフリージャーナリストのアランは後ろから突然声をかけ、一方的に博士に突撃取材をする。しかし博士は取り合わない。
アランも全くひるまない。
情報を持っている輩たちはネット上でこう言っているんだ、と捲し立てる。
「これはバイオ兵器ではないかと」

 

***

 

「7日目」

疾病管理予防センター(CDC)

エリス・チーヴァー博士のもとにDHS(国土安全保障省)のデニス・フレンチが訪ねてくる。
危機管理センターにてライル・ハガティ海軍将校がチーヴァーの同席を要求しているという。
そこでは、香港の九龍での青年リーが巻き込まれたトラック事故写真が提示され、マカオのカジノで従業員3名が亡くなっていること等、これまでに起きた不審な死亡事件について話し合われていた。
これによりカジノ従業員がストライキを起こし、現在CIAが調査をおこなっているという。
テロリストが自ら感染源となりカジノを歩き回り、菌を撒き散らしているのでは、とデニス。
感謝祭の時期を狙った攻撃では?
鳥インフルエンザの兵器化では?
否定するエリス・チーヴァー博士。

その頃、ミネソタ州ミネアポリスの小学校が閉鎖された。
未知のウイルスにより、すでに学校保健師1名、児童3名が死亡。
閉鎖していない学校でも病気の症状が出たものは登校禁止。
「保健局は情報待ちですが、これらはアルダーソン社に勤める34歳役員女性とその息子の突然死に関連がありそうだ。」

エリン・ミアーズ医師はアルダーソン社に赴き、感染調査を始める。
34歳重役女性(ベス・エムホフ)と仕事をしていたという同僚たちから話を聞く。
その中で、別の部署の人間だが、ベスと接触していたある人物の存在を知る。
ベスにサインを貰うため、帰ってきたばかりの彼女を空港に迎えに行っていたというバーンズという男性。
ちょうどその頃、バーンズは咳き込みながら一人でバスに乗っていた。
ミアーズ医師からの電話をバスの車内で取るバーンズ。
電話をしながら咳き込む男性。
「今日の気分はどうですか?」とミアーズ。
「最悪だよ、頭が痛いし、たぶん風邪だな」
ミアーズは急ぎ足で車に乗り込み、バーストの元へと向かう。
すぐにバスから降りて下さい。今どこを走っています?
「とにかくすぐにバスを降りて下さい。あなたは感染症の可能性があり、他の人にも移ります。バスを降りて他人から離れてください、誰とも話さず、絶対誰にも触らないこと!すぐに人を迎えに行かせます」
咳をしながらも席を立ち、誰にも触れてはいないが手すりには掴まり、フラフラとなんとかバスを下車したバーンズ。
降りたバス停では立っていられず、崩れ落ちた。
朦朧とする意識の中でこちらに走ってくる女性がマスクを掛けてくれたことだけは見えた。

ベスの夫、ミッチ・エムホフは全身防護服のエリン・ミアーズ医師から聞き取り調査を受けていた。
仕事で家畜に接していたか?
ペットを飼っていたか?
飛行機などで病人を見たと彼女は話していたか?
ミアーズは記録を読み上げた。
「シカゴ空港の税関を午前11時15分に通過。
午後6時ミネアポリス行きに乗った。その間、シカゴでなにを?会議ですか?
空港を出て市内へ行った理由は?」
ミッチは答える。
「結婚前、妻はシカゴに住む男と付き合っていたんです。」
名前はジョン・ニール。
ジョン・ニールも病気なのか?
彼が移したのか?
「ぼくには知る権利がある!」

場面は変わって、エリス・チーヴァー博士とアリー・ヘクストール医師。
2人でパソコン上の映像を確認している。
「サスマン博士と同じようにアミノ酸配列を解読して、」
ウイルスが肺と脳細胞に入っていく様子を画面に表示する。
このウイルスのDNAは豚とコウモリに由来している可能性が高いことが分かる。
ウイルスが宿主細胞に付着する様子も表示して見せる。
呼吸器と中枢神経細胞の両方に存在しているのが確認できる。
「鍵穴に入るキーのようにウイルスが細胞に侵入していく」
どこかで豚とコウモリの不運な遭遇が、とアリー医師は呟く。
過去にもあったか?と博士。
「いいえ。ヒト細胞構造に順応すべく変容し続けている」
チーヴァーは今後のこの研究はレベル4実験室のみに限定するよう指示。
「誰かの靴に付いてウイルスが“逃げる”と困る」

その後、アリー医師はサスマン博士に電話を掛ける。
危険すぎるため、この研究を中止して欲しいと伝える。
今後はレベル4実験室でのみ進めていく、と。
「検体はすべて加熱処理して」
しかし受け入れられない博士。
政府主導のレベル4だけでは進展が望めないぞ、と訴える。
しかし飲み込むしかなかった。

***

 

「8日目」

テレビでは未知のウイルスについての報道・記者発表がされていた。
「現在確認できている感染者の発生場所はミネアポリス、シカゴ、LA、ボストン、ソルトレイクです。」
そのテレビを見ていた過激派陰謀論者・アラン・クラムウィディ(ディジュード・ロウ)はそのTVに出ていた“エリス・チーヴァー”の名前をメモに取った。

その頃、香港に降り立つ一人の女性。
WHOの疫学者、レオノーラ・オランテス(マリオン・コティヤール)。

香港 人口710万の都市に降り立つ。
政府職員のスン・フェンに歓迎を受けるオランテス。
現地の病院を回ったり、関係者への取材を行っていく。

WHO、CDC等の合同オンライン会議が持たれる。
その頃、現時点での症例は約8万9000件にも及んでいた。
「細胞内でのウイルスの培養がまだ出来ていません」
なぜです?
「細胞を殺してしまうからです。豚、鶏、すべて。培養が出来ないと実験が行えないのでワクチンが作れません」、とアリー医師は現状を答える。

「ベス・エムホフはマカオのカジノでATMを利用しています。」
疫学者、レオノーラ・オランテス医師は言う。
カジノのフロア近くのATMを10時43分に利用。
その時間前後2時間の監視カメラを見せて欲しい、と。
話を聞いていた香港政府職員、スン・フェンは自分の村でも感染者が出ていると嘆いた。
母に症状が出ているのだ、と。

カフェにいたサスマン博士は咳をする声がして顔を向けた。
咳を手で抑え、その手でコップを掴み、浅い呼吸で水を飲むお客。
ウェイターは手であくびを抑え、その手で洗い終わった綺麗なコップを拭いている。
他人の手から渡される食べ物、その手で掴むグラス、ありとあらゆる「普通の生活」の全てが媒介物になることを憂う。

サスマン博士は防護服を着て研究室にいた。
研究は中止だと牽制の電話が鳴る。
「検体を処理するだけだ。」
しかし、彼は抗体とM.A.C.で豪州のオオコウモリの胎児の細胞株を使った培養を決行していた。そして培養に成功。
「なぜレベル3の研究所で我々を無視したのか。」
エリス・チーヴァー博士はため息を落とす。
しかし成果をこちら(アリー医師)に渡してくれたことを感謝し、この結果を受け入れるしか現時点ではなにもないのもまた事実だった。

 

***

 

「12日目」

米国のCDCとスイスのWHOによるとサンフランシスコのサスマン博士が「MEV-1」の培養に成功した、と発表された。
全世界での感染者はWHO推定で現在800万人以上、これはワクチン開発への第1歩に過ぎず、人間での治験は数ヶ月先のことである、と。

その頃、陰謀論者のジャーナリスト・アランはある男性にインタビューを受けていた。
今朝、ボクのブログには真実を求める訪問者が200万人以上も来ていた。
アランは饒舌に話す。
“レンギョウ”という薬草を知っているか?
これから話す話は保証付きだ。
「特効薬だよ。」

その頃、ミッチはいつものように隔離病棟の中にいた。
僕に免疫があるのだとしたら僕の血で薬を、とエリン・ミアーズ医師に持ちかける。
血清は製造に時間がかかり、高価なの。
そうですか。
その後、ようやくミッチは隔離病棟から無事出てくることが出来た。
一定の期間を経てもなお発症しなかったのだ。
マスクはしないままに、症状を訴える患者たちで大混乱の病院を波に逆らって出ていくミッチと迎えに来た娘・ジョリー。
ジョリーだけはマスクを付け、足早の父の隣を歩く。
詰めかける患者たち、対応に追われる医療従事者のパニック図式。

その頃、ミアーズ医師と同僚・デイヴはミネソタ州にあるスタジアムを「MEV-1」病棟用に確保し、その下見に来ていた。
「入り口にはエアーロックを設置、ベッド10台を25列分、発熱患者は奥へ。
患者のトリアージは外で行い、食料はFEMAが地下で、24〜48時間後に稼働できるよう準備を。いい場所ね、あと3箇所は見付けておいて」

エリス・チーヴァー博士は香港とロンドン、東京、アブダビの検体が一致したと、ミアーズに電話を掛けた。
「フランクフルトとカイロもだ。」
しかし最初の感染者についてはベス・エムホフか日本人男性なのかは分からないという。
体調はどうだ、とミアーズに問うチーヴァー。
元気よ。
「でも、妻と継子を亡くした男性に、“死ぬ直前にあなたの奥さんは浮気をしてた”と伝えたの」

場面は変わり、家でTVを見ているミッチ・エムホフ。
画面からは「MEV-1」関連のニュースが流れている。
「ミネソタ州 西郊外で3000人以上の感染者が発生しています。」
家にはジョリーの恋人・アンドリューが訪ねてきていた。
ドアを開けようとする娘を制止し、ガラス扉越しにお詫びする父。
お悔やみに花を持ってきたというが、入れられない、受け取ることは出来ない、と声を張る。
引き返していくボーイフレンドの後ろ姿を見て肩を落とす娘。
ジョリーは父・ミッチを見つめる。
「危険は避けなくてはならない」

カジノの監視カメラをみんなで検証する疫学者のレオノーラ・オランテスと香港政府。
カジノで楽しむベスの様子を検証していく。
カクテルのグラスを片手にカジノに興じるベス。
座った隣の席には黒縁メガネの日本人男性の姿も確認できた。
日本人男性の持つサイコロにベスが息を吹きかけて盛り上がっている様子も映っている。
「ここで伝染と思われます。移したのはどちらか?」
発生源が分からない、と香港政府職員たち。
マカオの前に始まっていたと考えています、とオランテス。
確証はない、勝手な憶測だ、と香港政府職員たちは難色を示す。
「ウイルスは小さすぎて画面に映りません。彼女の勝手な意見だけで発表するわけにはいきません。」

***

 

「14日目」

激しい咳で目が覚めたエリン・ミアーズ医師(ケイト・ウィンスレット)がついに発症。
泣きながらホテルのフロントに電話を掛ける。
821号室のドクター・ミアーズです。
「過去24時間、この部屋に入った客室係全員の名前を教えて下さい。それから昨日の夜、ルームサービスを運んだ人も。全員の電話番号を教えて。自宅や携帯もよ。」
その後、彼女はエリス・チーヴァー博士に電話をして自身の状況を伝える。
「発症しました」
なにも飲み込めず、ひどい頭痛がある、熱は38.8℃ある、と。
「きっとだれかに移した…」

場所は変わって葬儀屋。
妻・ベスの遺体を引き渡せない、と言われてしまう夫、ミッチ・エムホフ。
「僕は妻と継子を埋葬したいだけなんだ。」
しかし葬儀屋は分かります。お悔やみ申し上げます、と続けるだけだった。
「どうして拒まれるの?家族の墓地があるのに」
ベスの母親がミッチに詰め寄る。
「火葬を提案されました。今の状況では最も安全な方法だと」

再び、ベスの防犯カメラに映ったカジノ映像を検証しているオランテス医師。
ベスは2人分のカクテルを両手に持ち、スマホをテーブルに残して立ち上がった。
それを隣の女性が広い、渡してくれた。
「ありがとう」
その画像を一時停止する。
「ここでベスからウクライナ人へと」
「これは接触があっただけとしか分からない。経路は逆かもしれない」
また違う画像では、ベスが飲み干したグラスを、香港の青年リーがウェイターとして現れ、下げていく瞬間も捉えていた。
「リー(香港の青年)とベスの接点は12時8分。
ウクライナ人はエレベーターに姿があり、20分早く部屋に戻ってる。
リーが仕事につくよりも前に(つまりリーとウクライナ人に接点はない)。
ここから始まったの。感染源はベス・エムホフ。
カジノの前にどこへ行ったのか。旅程表をもう一度確認みたい。」
フランスと米国は治療薬を極秘に造り、WHOもそれを黙認してる、米とデキているんだと、オランテスの言葉を聞いていたスン・フェンが重たい口を開く。
レオノーラ・オランテスはスン・フェンにお母様の様子は?と尋ねる。
「“レンギョウ”は試したけど…。ランタオ島の集団墓地に…」
お気の毒に、とオランテスは彼の背中に声をかける。

そのあと、スン・フェンは移動に合わせて仲間に電話を入れる。
「やるなら今しかない」
香港政府の車にオランテスを載せての移動中、運転手の男と後ろの席に座ったスン・フェンは目配せをし合う。
すると車は急停車し、後ろからついてきていた黒のワゴン車へとレオノーラ・オランテスは引っ張られ、スンの指示で強引に押し込まれる。
何事かわからないまま彼女は拉致された。

 

車の中で手錠をかけられ、目隠しをされる。
辿り着いた場所はスン・フェンのふるさとの村。
米仏が治療薬を独占し、自分たちは“列”の最後尾なんだ、と彼は言う。
目隠しを外されると、マスク姿で肩を寄せ合い、こちらを見つめ、所狭しと密集している村人たちの姿が飛び込んできた。彼らは現在未だ無事でこの状態を必死で守っているのだという。そしてオランテスにこの“列”の切り札になってもらう、と言う。

その頃、ミラーズ医師の病状は深刻になっていた。
スタジアムの仮設病床に多くの人たちがそうするように寝ていた。
ここを一緒に準備してきた同僚のデイヴがエリス・チーヴァーからの伝言を伝えに来る。
医療関係者や緊急対応要員の特別病棟へきみを搬送したい。
だが今、看護師組合がストライキを起こしていて、人手が足りない、飛行機も載せられないなど、手配が難航していることを伝えられる。
CDCの人間だ、隔離ポッド付きの特別機を使えばいい、とエリス・チーヴァー博士はCDCでライルに主張している。
自分が派遣させたことの責任を感じている。
ライル・ハガティ海軍少将(ブライアン・クランストン)は言う。
イリノイ州の上院議員が発症した、と。
「いずれ銀行やガソリンスタンドに人が殺到し、食料の買いだめも起こる。」
「パニックはウイルスより深刻だ。」

ゆっくりとそして煽られるように、スーパーでは買い占め、買い溜めが始まっていく。
道路の整備、封鎖も進められていく。

***

「18日目」

薬局では薬草“レンギョウ”を求めて長蛇の列ができる。
待ち時間に列の中で咳き込むと、並んでいる他人に怒られる。
並んで並んで、待って待って、それでも“レンギョウ”を買えない市民たちは不安や苛立ちを募らせる。ついには怒りが暴動へと人々を走らせる。
いまやスーパーも廃墟と化していた。
街、道路は封鎖され、隣の州へ出ることも許されなかった。

2日前に遺体袋が底をついたというその日、エリン・ミアーズは全身防護服の自衛隊らによって遺体収容所に並べられた。掘られた土の中に次々に人間が運ばれていく。

ある報道番組にエリス・チーヴァー博士は招かれ、出演していた。
ネット上に蔓延る様々な噂や憶測を持ち出し、畳み掛けてくるキャスター。
エリスは今できることを、分かっていることを答えるのみ。
そしてジャーリスト・アランとのオンライン一騎打ちコーナーが始まる。
アランはCDCやWHOがウイルスに関しての真実を隠蔽している、と主張。
ワクチンで儲けるためにWHOは製薬会社と手を組んでいる。
即座にこれを否定するエリス。
「恐怖の原因はテレビやネットの噂を信じること、アラン氏の発言はウイルスより危険だ」
しかしアランは早口で捲し立てる。
エリス・チーヴァー博士が自分の親しい女性をシカゴから逃げて自分のいるアトランタに来るように呼び寄せたことを独自に調べ上げていて、それを追求。
完全に、見事なまでに、アラン・クラムウィディの優勢絵図となった。

 

「21日目」

“レベル4”実験室のアリー・ヘクストール医師たちはウイルスが変異したことに気付く。
「もうR-0は2ではないわ。」
ワクチン製造にあたるが、うまくはいかず、実験室にはサルの遺体が増えていくばかり。

現時点での致死率は25〜30%
本人の基礎的な健康状態(コンディション)が大きく作用する。
社会経済状況、栄養、新鮮な水にも関係する。
新たな変異により、R-0の係数を4とするならば、ワクチンがないままではこの先、人類の約12人に1人が感染するだろう、とエリス・チーヴァーは公に発表した。

街から人の姿は消え、壁には亡くなった人たちの追悼写真が所狭しと貼り巡らされている。
荒れ果てた街は閑散としアラン・クラムウィディはプロフェットとして崇め奉られ、信者たちによるポスターで溢れていた。
街にある僅かなひとけは亡くなったご遺体を運ぶ防護服の者たちだけ。

***

 

「26日目」

その頃、食料は自衛隊達による配給を受けるかたちになっていた。
自衛隊のトラックの前に長い長い行列が並ぶ。
しかしそれすらも全員には行き渡らず、市民の怒りは収まらない。
掴み合い、盗みなど、自衛隊に襲いかかるという暴動の流れとなる。
各主要都市には外出禁止令が発出され、都市は長期に渡り警察機能不全となった。

***

「29日目」

“レベル4”実験室。
ワクチン57番のサルが生き延びた。
抗体ができ、発症を免れた。
ワクチン製造に成功したのだ。
微笑む防護服のアリー・ヘクストール医師。
申請、承認、治験、流通、これから先に待ち受ける長い長い月日に思いを巡らし彼女は、独断でそのNO.57を自分自身に打った。
発症し、入院している父の元へ向かう。
マスクを外し、父の頭にキスをした。
それからもアリー・ヘクストールが発症しなかったことを受け、「MEV-1」ワクチンの承認・製造は急ピッチに進められた。
このときすでに世界中で2600万人が死亡していた。

***

 

「131日目」

また以前と同じように公園でインタビューを受けているアラン・クラムウィディ。
この世界的危機のなか、免疫システムで儲けようとしているもの達がいることを主張している。
決して僕だけじゃない。
一人が亡くなれば棺屋が儲かる。製薬会社だってそうだ。
話を聞いている男性は“レンギョウ”の有効性は証明されていないことをアランに尋ねる。
実験は誰が?、と。
「証明?有効性?どのウイルスに対して?あの(アリー)ヘクストールワクチンで10年後、自閉症や睡眠発作やガンが多発するかもしれない。分かるわけないんだ。今日から僕らは実験台だ。映画のエンドロールみたいな副作用の羅列だ。」
1200万人のフォロワーがいる、僕はブランドなんだ。
話しながらアランは、近くで公園のゴミ箱を掃除しながらこちらを見ている人物に気付く。
一緒に話をしていた男の洋服の内側に小さなマイクがつけられていることに気付き、走り出す。
しかし周りはすでにしっかりと囲まれていて、あっという間に多くの男達に取り囲まれる。

***

「133日目」

ワクチン接種は抽選による「誕生日」ごとだと発表された。
設置された指定場所で該当する誕生日の者は並んで接種を受けるかたちとなる。
「並ぶ際には十分な距離を開けて下さい。」

ミッチの娘・ジョリー・エムホフ(アナ・ジャコービー=ヘロン)はワクチン抽選会の様子を自宅のテレビで見ていた。
ジョリーの誕生日は144日後に接種できると分かった。
不満そうにしている娘。
まだ200日以上の誕生日の人たちが残っているんだし、と声をかける父・ミッチ。
「春だけじゃなく、夏も無駄に失うのね。その144日は二度と戻らないのに。」

一方、スン・フェンたちに人質にされていたドクターレオノーラ・オランテスはスンの村にいた。懸命に未来に向かって生きるたくさんのこどもたちの面倒を見ていた。
スンたちはWHOにワクチンを100本要求し、余計なことをしたら彼女(オランテス)は返さないと伝えていた。
そしてその要求通り、用意されたというワクチンを受け取るため、車で約束の地へと向かう。

WHOからの仲間がワクチンを持ってきていた。
「香港製だが有効性は約束する。」
スンはオランテスに1本目を摂取させ、なんともないことを確認したあと、彼女をおろし、村へと帰っていった。
帰路の中、WHOの同僚は忘れていた、と言って本物のワクチンをオランテスに渡した。
「さっきのは偽物だ。中国政府の要望なんだ。世界中で誘拐が多発していてね。
各国で、政府要員や科学者などね…中国政府は誘拐犯とは交渉しない」
それを聞いていたオランテスは話も聞かずに走り出した。

CDCのエリス・チーヴァー博士にもようやくワクチンが届いた。
妻となった“親しい女性”オーブリーの分も。
ワクチン接種が済んだ証に腕にバンドを巻いていく。

***

「135日目」

ワクチン接種の日まで牢獄生活な娘・ジョリーのため、ミッチは自宅でプロムナードを計画していた。部屋を彩り、美しいドレスを用意した。
綺麗なドレスに身を包んだジョリーはブレスバンドを巻いた恋人・アンドリューを迎え入れた。

自宅でベス・エムホフのデジタルカメラを発見する夫・ミッチ。
まだ元気で美しいときのベスの笑顔が納められていた。
最期となった出張旅行のときのものだった。
沢山の人々に囲まれている笑顔の妻。
美味しそうに料理を頬張っている。
シェフとも握手をしながら微笑んでいる。
もう戻らない妻。
涙が溢れる。
ジョリーに呼ばれ、部屋へ行くとアンドリューと笑顔で踊る娘を見た。
幸せそうな笑顔をしていたジョリーにミッチも笑みをこぼす。

***

最後の最後に「1日目」!

周りは暗い、ある夜。
アルダーソン社の重機が森に入っていき、大きな木を切り倒していく。
切り崩された木に止まっていたたくさんのコウモリたちが飛び立っていく。
あるコウモリが近くのバナナの木に止まる。
その後、ある養豚場の上にそのコウモリは止まり、くわえていたバナナのかけらを落とした。
落ちてきたバナナに気付いた豚がそれを食べる。
そしてその後、そこからいつもそうしているように業者へといくつかの豚が選ばれ、仕入れられていく。香港のコックはいつもどおりに、その豚を捌いていく。
そのさばいている途中に職員に声をかけられ、手も洗わず、表へ出ていく。
そこにはアルダーソン重役の女性がおり、握手と写真を求められた。
コックと美しい女性ベス・エムホフは握手を交わし、互いに笑顔で写真に収まった。

【完】

 

 

以上がざっくりあらすじでした。
とても興味深く拝見しました。
時代が時代なのでものすごく感情移入しました。
でも、なんとなくですが、やっぱりあまりマスクに免疫がないお国柄なのかな、っていう。
WHOの人間も、CDCの人間も、どんどん症例が増えていくと分かっているのに会議の時にマスクをしないっていうのが多く目に付きました。気にしすぎ?
エリン・ミアーズ(ケイト・ウィンスレット)がきっとだれかに移したわ、と泣いていて、「ん?」って思いました。じゃあなんで普段からマスクをしないのか、と。
なぜか免疫を持っていて発症しなかったミッチことマット・デイモンも自分は大丈夫だという過信からかマスクを終始つけないんですよね。
自分は発症しないだけでウイルスは確実に体の中に持っていて(看病してきたのだから)、人には移す可能性があるかもとは思わないのでしょうか。
こういう発想になるのは日本人だけなのかな?
気にし過ぎな私だけなのかな(笑)。
山Pが主演した『インハンド』というドラマでもウイルス系のネタが多かったのですが、山Pは寄生虫学者で知識があるだけにマスクもあまりしていなかったし、パニックの中でも冷静に判断・指示していた記憶があります。
WHOとかCDCの人間も知識や情報がしっかり集められる分、“正しく恐れている”がゆえだったのかな、とも感じましたが、マスクをしていたら避けられたんじゃないか?って感じるところもあったような、なかったような。
マスクを過信しすぎているのかもしれませんが、やっぱり未知のウイルスなのだからしておいて損はないと思うなぁ。

陰謀論の部分についても興味深いものでした。
アラン・クラムウィディ(ディジュード・ロウ)は声の大きい人物で、カリスマ的なところがあり、ガセを流し捕まるも、多くの信者がいたために保釈金で難を逃れ、再び自分の信念に沿って活動を続けていました。
いろいろなものの思惑が交錯しあって、とても考えさせられました。
こういうときだからこそいろいろなことが実感として入ってきました。
是非一度見てみることをオススメします!