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洋画『きみがぼくを見つけた日』(2009・アメリカ映画)あらすじネタバレ感想紹介!

『きみがぼくを見つけた日』(2009年アメリカ映画)を見た感想!あらすじ・ネタバレ紹介!

「きみがぼくを見つけた日」映画あらすじネタバレを紹介!

2009年公開・アメリカ映画
出演:レイチェル・マクアダムス
エリック・バナ
アーリス・ハワード
スティーブン・トボロウスキー
ロン・リビングストン
ブルックリン・プルー

監督 :ロベルト・シュベンケ
脚本 :ブルース・ジョエル・ルービン
製作総指揮 :ブラッド・ピット
配給:ワーナー・ブラザース
原題:「The Time Traveler’s Wife(タイムトラベラーの妻)」。
原作小説:オードリー・ニッフェネガー著「きみがぼくを見つけた日」

 

 

 

主人公のヘンリー(エリック・バナ)は幼い頃、雪の降りしきる夜、母の車で事故に遭う。
正面からフラフラ走ってくる対向車を避けようとして、雪道でスピンした挙げ句に大型トラックと正面衝突だった。
歌声のきれいな母の美しい姿、突っ込んでくるトラックの映像、もう全てが遅かった。
もうダメだ、その瞬間、自分の手が薄くなって消えていく事に気づいたヘンリー。
そしてその瞬間、幼きヘンリーは2週間前の自宅に立っていた。裸で。
母と父と自分が過ごしている夜に。
まさかこのあと事故に遭うなんて、微塵も思わない、なんてことないありふれた、でもかけがえのない夜。
動揺していると再びその場から自分が消えていき、気がつくと先程の場面だった。
母の車がトラックと衝突し、燃え上がっている夜の道路だった。
雪の中、裸で道路傍に立ち尽くし、母の車に向かい遠くから絶叫する幼きヘンリー少年。
すると突然、見知らぬ男がやってきてヘンリーに大きな毛布をかけた。
ヘンリーもう無理だ」
そしてその青年は自分は未来から来たと言った。
きみは今、2週間前にタイムトラベルして過去の自分を見たんだ。
ぼくは大人になったきみだ、分かるか?
同一人物なんだ、今は難しくてもいずれ分かる。
怖がらなくていい、きみは大丈夫だ、約束すると彼は言った。
見知らぬ彼はそのまま夜の雪に消え、ヘンリー少年は救助された。

その後、ヘンリーは28歳になり、図書館で司書として働いていた。
そこで美術大学に通う20歳の少女・クレアアブシャー(レイチェル・マクアダムス)と出会う。
クレアはヘンリーをひと目見た瞬間、目を潤ませて「ヘンリー、あなたなのね」と言った。
「説明させて、二人で計画してたことよ」
興奮気味な彼女に、ヘンリーはまったく見覚えがなかった。
「疲れた顔してる、でも大丈夫。安心して」
その夜、二人は食事に行き、クレアは自分のことを話して聞かせた。
あなたの「特殊な事情」ももちろん知っている。
未来のあなたが逢いに来たの。
小さいころからあなたを知ってる、と。
自分がタイムトラベラーであることも、時々あなたと何度も会っていたことも。
彼女は言った。
お酒は禁止のはずじゃ?

ケンドリック博士がタイムトラベル(時間飛行)のトリガーはお酒じゃないかと。
しかしその人物を知らないヘンリー。
「担当医で、あなたの相談相手よ」
頭が追いつかないでいるヘンリー。
彼女は自分についてを自分よりも多く知っているらしきことは明白だった。
「ごめんなさい、一気に話すなと言われていたのに」
クレアは一冊のノートを取り出して見せた。
6歳から、会った日のことを自分の日記に記していた、と。
「つまり、ぼくは頻繁にきみを訪ねていたわけだ」
「最後に会ったのは18歳の時。同じ時代や場所に現れる傾向があるみたい」
「そう、引力のように、大事なものに引き寄せられる」
「私も大事ってこと?」
「そうらしい」
ヘンリーの頬に触れるクレア。
「ずっと恋してきたの」
そして二人は結ばれる。

ヘンリーは誰にも言えなかった自分の秘密を知ってなお、自分を笑顔で、愛で、受け入れてくれる彼女に大きな安心感を感じる。
ヘンリーとクレアは仲を深めていく。
孤独だった彼はクレアを信頼し、自分の特殊事情についてを話して聞かせる。
「立ちくらみのような感覚が起き、手足がしびれてなくなっていく感じになる」
「それは自分の意志とは関係なく起こること」
「場所や時代も選べない、滞在時間も不明」
「移動に服や所持品は持っていけない(だからいつも裸)」
「いつも服を探してる(窃盗、不法侵入)」
「平静を装ってるけど、途方に暮れて消えるのを待ってる」
「“死”は防げない」

その後、クレアの家を訪問したヘンリー。
彼女の同居人・チャリスに挨拶をする。
チャリスの隣りにいる体格のいい男・ゴメスはヘンリーが気に食わない。
しかし後日、夜道で変な服を着て暴れているヘンリーを見付け、ゴメスは声をかける。
ヘンリーは知らない家に上がり込み、服を奪っている。
「クレアが傷つくのは困る。」
どんな薬でラリっているのかと不審がり、ヘンリーに詰め寄るゴメス。
長い付き合いになるんだ、話してやる、とヘンリーは自分の特殊体質のことを話す。
「気がヘンになったのか?」
クレアを傷つけはしないと言い残し、彼はいつものようにゴメスの前で姿を消した。
足元には洋服だけが乾いた音で落ちるだけ。
こうしてゴメスも事情を知る一人となった。
あいつはやめろ、とクレアに言いに行くが、全てを受け入れる強い意志を示すクレア。
「やっと彼と同じ時空で会えたのよ。この気持ちはもう巻き戻せない。」

ある時、タイムトラベル先で地下鉄に乗るヘンリー。
電車の中、ふと見た目の前に座っていたのは在りし日の美しいヘンリーの母。
電車内で話しかけるヘンリー。
「アネット・デタンブルさんですか?」
「はい」
「大好きです」
驚く表情の若き日の母。
「…歌手としてのあなたが。最高の声だ。」
ありがとう、嬉しいわ。みんなあまり知らないのよ。
ヘンリーは続ける。
僕の名はヘンリーと言います。
偶然ね、私の息子もヘンリーなの、まだ3歳。
ヘンリーは話し続ける。
恋人ができた。子供の頃以来、こんな気持は初めてなんだと。
あなたの歌を聴かせたい。
逢えてよかった。
「こちらこそ。彼女に想いを伝えてね。」
「息子さんに愛されてますよ。」

その後、元バイオリン奏者の父のもとを訪れるヘンリー。
父は手にしびれがあり、もう楽器を弾けなくなり、酒浸りの毎日だった。
ヘンリーは結婚したい相手がいると伝え、母の指輪を受け継ぐ。
お前のことを知ってるのか?
知ってる。
過去に飛んでは何度も在りし日の母に出会い、喪失を繰り返すヘンリー。
その同じ回数、ヘンリーの力に夢見てはともに喪失を繰り返す父だった。
そしてヘンリーはクレアにプロポース。
「決め手は美しさや知性だけじゃない、きみがぼくにくれた大きな安心感だよ。」

そして結婚式当日。
互いに準備している最中に、新郎の控室でヘンリーはタイムトラベルしてしまい、姿を消してしまう。
ゴメスが覗くと黒いタキシードだけが落ちているだけだ。
すっかり良き理解者となっていた彼はもぬけの殻状態に慌てふためく。
「やられた!」
式の時間が来る。クレアは嫌な予感を感じ取る。
「新郎の控室を見てきて!」
そちらはどうか、と扉の前で急かされている。テンパリゴメス。
「う〜ん、キレイになるにはあと30分くらいはかかりそうだ…」
慌てふためていると衣装の変わった(白い正装の)ヘンリーがやってきた。
ゴメス:「あ、(来たっぽい!)5分で行く!」

ヴァージンロードを歩く「その」ヘンリーは明らかに老け、白髪交じりになっていた。
招待客はザワザワしているが、クレアだけは微笑んでいる。
「替え玉ね」
ダンスの時間になると本来のヘンリーが戻ってくる。
「式に出れなくてごめんね」
「来てくれたわ」
「そっちのほうが良い?」
「同じあなたよ」
「私、重婚罪になる?」
「同じ相手となら何度しても可だ」

結婚式の夜、ヘンリーはまたタイムトラベルをする。
場所は深い森の中。
しかしきれいな洋服一式、靴までが不自然に森の中に畳んでおいてある。
裸のヘンリーはその洋服を拝借。
歩みをすすめると、開けた野原に出た。
大きな敷物を広げ、一人遊びをする少女(6歳のクレア)がいた。
少女は、森の中に畳んであった洋服を着て現れたヘンリーを笑顔で受け入れた。
妹・アリシアのことや、両親がうまく行っていないことなどを話して聞かせる少女。
慰めるヘンリー。
「結婚してる?」
頷くヘンリー。
「愛してる?」
「とても」
突然不機嫌になる幼いクレア。
未来の自分に嫉妬する幼き少女。とても愛しい少女。
「私と結婚してくれたら、と願ってたのに!」

新しい部屋に移り住む新婚の二人。
相変わらずの日々が続いた。

ヘンリーが現在に戻ると、クレアは版画の制作に勤しんでいた。
展覧会が近いと、忙しそうに家の中を動き回っている。
ヘンリーは今回2週間も現在に戻ってこれなかったという。
「いろいろやったが戻れなかった。」
久し振りに戻ったヘンリーはクレアと話がしたいと伝える。
私だって2週間ずっとそうだった、と声を荒げるクレア。
クリスマスも年越しもいなくて寂しかったこと、これまでの不満をぶつける。
「話がしたい」
「なにを話すの?あなたを待ち続ける辛さを?」

その後、喧嘩別れしたクレアのため、ヘンリーは禁じ手を使う。
未来から帰り、「当たる」宝くじをクレアに渡す。
こうして疑惑の?不正の?500万ドルを手にした二人は仕事の制作もできる広い家を探す。
そうして決めた大きな家。
チャリスやゴメスを招いた日、廊下に突然、「違う」ヘンリーが現れた。
物音がして行ってみると、ヘンリー・クレア・チャリス・ゴメスの前で、裸のヘンリーが血まみれで倒れていた。なにも言わず、痛みに悶え、腹を撃たれた状態で、すぐに消えていった。ヘンリーの死期だったのかもしれない、と皆悟る。

夜、クレアはヘンリーに寄り添う。
「自分の死期を知ってる?」
うなだれるヘンリー。
「しらない。」
これまで40代半ば以上のあなたを見たことがないの、一度も。
そう打ち明けるクレア。
「時間飛行しなくなるのかも。誰かが治療薬を見付けて効く薬があったのよ、きっと」
クレアは妊娠したことを初めてヘンリーに打ち明ける。
「ケンドリック博士を探して」

こうしてヘンリーはケンドリック博士(スティーヴン・トボロウスキー)に辿り着く。
「誰に聞いて来たって?」
未来のぼくです。妻の過去の少女の頃に…。遺伝学者の先生を…。
「自分には遺伝子異常がある」
自分の特殊事情を伝えるヘンリー。
自分のことを「遺伝子異常」「時間障害」だと名付けたのは先生だと。
しかしケンドリックは信じてくれず、名演技だと笑ってあしらうだけ。

クレアはある日の食事中、腹部に異変を感じる。
血が流れていた。
流産だった。
胎児がタイムトラベルしている可能性を感じ取るヘンリー。
自分の子供もこの遺伝子を受け継いでしまっているのではないか。
ケンドリック博士に自分を調べて欲しいと頼み込む。
こうして行われた脳波のMRIの最中にヘンリーはまたもや姿を消してしまう。
しかしこれで分かってくれた博士は、脳波の結果を知らせてくれた。
飛行の瞬間、君の脳波はてんかんの発作に似た強烈な電磁エネルギーを放っていた、と。

ヘンリーの遺伝子コードを解析し、時計遺伝子を調べてみよう、と博士は言った。
その後、今いるお腹の胎児にも安全な方法で細胞を採取し、同じ検査をしてみよう、と。
しかしその後、またもやクレアは流産。
町中を二人で歩くクレアとヘンリー。
それを見かけるある一人の少女。
その少女は歩いていく二人をずっと嬉しそうに目で追っていた。
あなたとの子が欲しいだけなのに、なぜ叶わないのか、と憤るクレア。
度重なる流産で母体にも危険が及ぶことを力説するヘンリー。
しかしクレアは聞く耳を持たない。

その後、ヘンリーはクレアに内緒でパイプカットの手術を受ける。
手術の後、ヘンリーはいつもの野原に飛んだ。
18歳のクレアがいた。
未来のヘンリーと18歳のクレア、二人は口づけを交わした。

現代に戻ったヘンリー。
手術のことをクレアに打ち明ける。
相談しなかった理由を対立したくなかった、と言った。
自分と同じ遺伝子を持ち、流れてしまう子を作るのは嫌だった。
クレアの体のためでもあった。
「どうしてそんなひどいことを。」
クレアは感情のままに辛さをヘンリーにぶつけた。
誰が突然消えてしまう夫と一緒になりたい人がいると思うの?

その夜、1本の電話がなり、車を走らせるクレア。
その車には「違う」ヘンリーが乗ってきた。
ヘンリーと喧嘩したことをクレアは今会ったばかりのヘンリーに話す。
そして車の中で体を重ねる二人。
「そのヘンリー」は手術を受ける前のヘンリーだったため、クレアはまたも妊娠。

その後、また現代のヘンリーはタイムトラベルの旅に。
そこは動物園。裸で動物のおりの中にいた。
慌てて服を奪い飛び出し、動物園から去ろうとすると、少女に叫ばれて足を止める。
「パパ!」
振り向くと、小学校の団体客の中にいた少女が顔いっぱいの笑顔で抱きついてきた。
「逃げよう!」
彼女はヘンリーの手を取って走り出した。

二人はたくさん話した。
少女は自分は10歳だと打ち明けた。
僕は38歳だ、とヘンリーは返す。
名前は?
「アルバ!」
ママの指輪物語も聞いたし、おじいちゃんにバイオリンも習った。
歌手のおばあちゃんの歌も聞いたよ、オペラの「アイーダ」!
そこでヘンリーはこの子もタイムトラベラーなのだと気づく。
「ママはパパにソックリ!っていうの。」
彼女の能力は行く時代も選べるらしい。

「会えて嬉しい、寂しかったもの」
そしてヘンリーはもう自分がここではすでに死んでいるのだと思い知る。
「自分が死んだあとの時代に来たのは初めてだ」
彼女は話した。
パパが死んだ時、私は5歳だった。
ママは悲しんでいるけど大丈夫!
遠くから先生に名前を呼ばれるアルバ。
お別れの時間だった。
「おいで」
抱きしめ合う二人。
「パパ大好き!」

タイムトラベルから戻ったヘンリーはクレアにこの出会いについてを話した。
「名前はアルバだよ」
彼女がとても美しく、賢いことも伝えた。
無事に生まれてくることも。

その後、クレアは無事に「アルバ」を出産した。
彼女はすくすく成長した。
ヘンリーの父で、バイオリン奏者の祖父からバイオリンを習ったりもした。
そして時は流れ、アルバは5歳に。
庭でアルバが少し年上のお姉ちゃんと遊んでいる。
それを見ていたクレアはヘンリーに尋ねる。
「アルバと一緒にいる子を知ってる?」
「アルバだよ」
「その隣よ」
「だからアルバだよ、時間飛行してる」
「魔法みたい」とクレアは微笑む。

5歳の誕生日パーティー中、ヘンリーはアルバになにかを話して聴かせている。
アルバは泣いているようだった。
それに気付いたクレアはアルバにパパからなにを聞いたのかを尋ねる。
終始悲しそうな表情をするアルバ。
「なにか心配事があるならママに話していいのよ」
「パパに言うなって言われてるから」
「パパっ子だものね。でもパパだって間違うことはあるわ。言いたかったら言ってもいいのよ」
「パパは死んじゃうの」
「誰に聞いたの?」
「アルバが言ってたの、私が5歳の時に死ぬって」
動揺を隠せないが、アルバを優しく抱きしめる母・クレア。

夜、話し合う二人。
撃たれていたヘンリーを思い出す。
「あれが原因なのね?撃たれて。」
わからない、とヘンリー。
「僕も怖い。」

その後、またアルバが遊びに来ていた日。
廊下でヘンリーの叫び声が響き、クレアが行くとヘンリーが裸で倒れていた。
急いで病院につれていく。
10月なのに低体温症を発症していた。
クレアに嫌な予感が走る。
車椅子生活になったがヘンリーは一命を取り留めた。

その後、車椅子生活になったヘンリーは大きくなっている10歳のアルバと話している。
時の流れが速くなってきていて、タイムトラベルが頻繁に起きている、とヘンリーは話す。
痛み止めを飲んでいるからかもしれない。
アルバは言った。
来る!と思ったら自分自身に向けて歌を歌って!と。
「デイジー、デイジー、どうか僕に答えをおくれ♪
ぼくは頭が変になりそう♪
君に焦がれるあまり♪」
二人は一緒に歌った。

裸で目が覚めるとヘンリーは、一面の雪の中で倒れていた。
自分の家の庭だった。季節は冬。
家の中からクレアを呼ぶ大きな声がした。
その声に気づき立ち上がると、足を引きずって、家の中を覗きに向かう。
自分が家の廊下で倒れているのを見た。
倒れている自分はみんなに囲まれている。
窓のガラスに手のひらを付いて、食い入るように見つめるヘンリー。
やがて外から見つめていたヘンリーは消えていった。

その後、アルバにピッキングを伝授する車椅子の父。
「さすがパパの子だ。」
雪が降ってきたことに気づき、庭に出るアルバ。
今日はクリスマスイヴ。
身を寄せ合う3人。

クリスマスパーティーを開き、ゴメスたちを招待したヘンリー一家。
ひと気のいない方にゴメスを呼び出すヘンリー。
お礼を言いたくて、とヘンリーは言った。
「今夜なにかが起きるかもしれない。
良い親友だった。
いい人生だった。」
そこへ扉を開けてクレアがやってきた。
「凍えるわよ」
ゴメスは車椅子のヘンリーを強く抱きしめ、席を外した。
ヘンリーはクレアに向き直り、「それ」が今日であることを訴える。
「嘘よね…?」
抱きしめ合う二人。
「ずっと変えないでいるわ」
「たとえ束の間でも、あなたが逢いに来てくれるのを待ってる」
夜空には花火が上がる。

そして目が覚めるとヘンリーは裸で雪で覆われた深い森の中にいた。
大きなシカと近距離で見つめ合った。
すると遠くから人間の声がする。
その声に反応してシカは森の奥へと走り去った。
「パパ危ない!」
瞬間、大きな銃声が響き渡り、ヘンリーの体に衝撃が走った。
猟師たちにはヘンリーの血で覆われた雪の上に立ち尽くした。

そして自分の家に血まみれで戻ってきたヘンリー。
みんなが駆け寄る。
愛するクレアに抱き抱えられるヘンリー。
「君を愛してる」
ずっと愛してる。
その様子を窓の外から見ていたらしき、窓ガラスについた誰かの手の跡もゆっくりと消えていった。

その後の風景。
大きくなったアルバは森で友達(ゴメスの子どもたち)と野球をして遊んでいた。
球を追いかけると、いつも用意してあった洋服に着替えたヘンリーが森の中から現れた。
娘は9歳になっていた。
彼女の母は「あのあと」も、毎日いつも森の中に服を用意してくれていたのだった。
アルバは友人たちにパパが現れたことを伝えに行って欲しいと言付けた。
アルバとヘンリーは久し振りに会話をした。
ママとの思い出話しを聞かせてやった。
「出会いはいつもこの野原だった」
すると少女の頃のように野原を全速力で走ってくるクレアが見えた。
「もう消える…」、と呟くヘンリー。
「ダメよ!歌って!」とアルバ。
二人は再会し、抱き合う。
「いつのあなた?」
「39歳、アルバが赤ん坊の頃だ。」
「言ってくれれば待ってたのに。」
「待つ人生は送らないで」
キスを交わし、ヘンリーは消えていった。
クレアの眼の前には洋服だけが落ちる。
笑顔で目を合わせるクレアとアルバ。
服を拾い、二人は肩を寄せ合い、家へと歩き出す。
アルバは言う。
「本当はそこらへんの木に隠れてる気がする」
「小さい頃はよくそう思ってた。見えなくてもいるんだって」
「だって本当にいるもの」

 

*完*

 

なんとこの度ドラマ化もされるそうで!
日本でもきっといつかそうなるのではないかな?と予想しています。
まぁ、レイチェル・マクアダムスの美しさといったらないですね。
見惚れますね、素敵すぎます。

感想としては、目的はなんだったんだろうな?って疑問は残りました。
遺伝子異常とか言われちゃうと意味なんてないのかな?
ただ、孤独だった青年が大きな本物の愛と出会った、物語なのでしょうか。
こういうものに理由を探そうとするのは野暮というものでしょうか。
何かしらの目的を果たすためにこういう能力が生まれるのでは?とか考えちゃうと、結局なんの使命も果たせていない気がするので、何だったんだろうという気持ちが残ってしまい。
例えば事故に遭う母を助けたいとか、とか自分の死期を防ぐとか。
そういうことは一切出来ていないですし、本編でもトライしたけどなにも変わらなかった、と話しています。なにも変わらず、なにも出来ず、ただこの特異体質に翻弄されて生きるだけだった孤独な青年が、一人の女性と出会った人生の、物語。

パラレルワールド的なことを考えてしまうと辻褄が合わなくなりますね。
基本的には図書館で(自分のことをまだ知らない)ヘンリーに出会ったときの20歳のクレア軸で時は進んでいく。
ヘンリーはいつものようにあちこちへ飛ぶけど、替え玉となってこの時代に飛んでくるヘンリーはすでに自分(クレア)のことを知っているし、親友ゴメスのことも変わらず知っている。
クレアを知らないヘンリーも映さないだけでちょいちょい出会ってやり取りしているのだろうか??
原作を読めば解決するのかな?

現代で出会ったヘンリーとの子供はタイムトラベルの能力がすごすぎて??未熟で??
お腹の中で育てなかったけど、違う時代から来たヘンリーとの子だったら臨月までお腹で育つことができた。なぜなのか?ここに意味はあるのかな?
しかもタイムトラベラーとしての力はヘンリー(父)よりも優秀。
10歳当時で本人の意志によるコントロールがある程度可。

また最初の部分。
幼いヘンリーを未来から来たヘンリーが守ってくれたシーンも印象的でした。
裸の自分に毛布をかけ、タイムトラベルが起きたことを教えてくれたシーン。
その場面のあと、図書館に裸でたどり着いた大人のヘンリーは落ちていた服を着て、落ちていた本を手に取る、というシーンに繋がっていくのですが、幼きヘンリーを助けたそのヘンリーが主人公のヘンリーのようですね。
入り乱れるタイムトラベルで、いったいどこのヘンリーから始まっているのかも気になっていたのですが、幼き自分に会ってきたあのときのヘンリーが軸のヘンリーなのでしょう。
図書館でなにかを読み、なにかを知ったのでしょうか。
そこで本を読んでいて、そこから自分の過去の事故の瞬間に飛んで、再びそこへ帰ってきた。
行きたい場所も時代も意思も関係なく、それはいつも突然起きるけど、あのヘンリーを助けたシーンだけは意味のある象徴的なものでした。
唯一意志が叶った瞬間というか。
幼きヘンリーはきっとあの大人になったヘンリーにあのとき出会わなければ生きていけなかったでしょうね。
あの出会いがあったからこそ、彼は自分の運命を受け入れることが出来たのでは、と。

バイオリニストだった父にもなにか秘密がありそうな予感がしますね。
酒浸りの毎日だった父で、ヘンリーはケンドリック博士にタイムトラベルはお酒が引き金になっている可能性があると言われていたこと。
手がしびれて楽器が弾けないことと、ヘンリーはトラベルする時にいつも手がしびれたようになること、などなど。
もし本当にこれが遺伝性というのなら父親が大いに怪しいところ。
息子のタイムトラベルのこともちゃんと受け入れて知っていましたしね。
なにかあるのでは、と思うし、調べたらまたなにか発見がありそうなところです。
薬を飲んだり、痛み止めで時間飛行に影響が起きている可能性も示唆されていましたね。
原作にはなにか説明があるのかな。
読んでみたくなりました。
以上、映画「きみがぼくを見つけた日」のネタバレ紹介でした!!