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ACCESSランタイムの「セキュリティに関する通知」を出さなくする方法

ACCESSランタイム(Office365 ACCESS RUNTIME)の「セキュリティに関する通知」を出さなくする方法

手軽にデータベースを使ったシステムを作れるソフトとして、MicrosoftOffice「ACCESS」があります。
ACCESSは1本16,000円くらいする高価なソフトですが、作成したシステムを「使うだけ」の場合、ACCESS自体は必須ではなく、「ランタイム」というものを「使うだけ」のパソコンにインストールすることで、ACCESSが無くてもシステムを使用することができます。
ただ、ランタイムでACCESSのファイル「accdb」「accde」や「mdb」「mde」を開くと、「Microsoft Access のセキュリティに関する通知」が表示されるんですよね。

Microsoft Access のセキュリティに関する通知
セキュリティに影響を及ぼす可能性のある問題点が検知されました。
警告:このコンテンツの発行元が信頼できるかどうかを確認することはできません。このコンテツが重要な機能を備えており、発行元が信頼できる場合を除き、このコンテンツは無効のままにしてください。
このファイルには、お使いのコンピューターに損害を与える危険なコンテンツが含まれている可能性があります。このファイルを開きますか、それとも操作を取り消しますか?

「開く」を押せば普通に開くことができますが、毎回毎回このウィンドウが表示されるのは鬱陶しいですよね。
通常のACCESSであれば、「オプション」から「セキュリティセンター」を開き、accdbなどが置かれているフォルダを「信頼できる場所」に登録することで、セキュリティの警告が表示されなくなります。
ただ、ランタイムだと「セキュリティセンター」を開くことができないため、「信頼できる場所」にフォルダを登録することができません。
しかし、ランタイムでもレジストリを変更することで「信頼できる場所」の設定ができますので、その設定方法をご紹介します。

レジストリの変更はパソコンが起動できなくなる可能性のある非常に重要な作業です。必ずバックアップをとってから作業してください。
また、作業自体は自己責任で行っていただくようお願いいたします。

ACCESSランタイムで「信頼できる場所」の設定をする方法

  1. タスクバーの検索ボックスに「regedit」と入力し、表示された「レジストリ エディター」を開く
  2. 「HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Access\Security\Trusted Locations」を開く
  3. 「Location」というキーを作り、信頼できる場所を追加してきます。
    例えば、画像の状態だとすでに「Location2」まであるため、「Location3」を追加していく。
    「Trusted Locations」で右クリックし、「新規(N)」→「キー(K)」を選択。

  4. 「新しいキー #1」が追加されるので、名前を「Location3」に変更する。
  5. 右側の空白部分で右クリックし、「新規(N)」→「文字列値(S)」を選択。
  6. 「新しい値 #1」が追加されるので、名前を「Path」に変更する。
  7. 「Path」をダブルクリックする。
  8. 「文字列の編集」ウィンドウが表示されるので、「値のデータ(V):」に信頼できる場所のパス+”\”を入力し、「OK」をクリックする。
    例えば画像の例では、Cドライブ直下の「test」フォルダを信頼できる場所に追加しています。この場合は、「値のデータ(V):」に「C:\test\」と入力します。
  9. 「Path」のデータが変更されていることを確認し完了です。

以上で「信頼できる場所」の追加の設定は終了です。

サブフォルダ(サブディレクトリ)も対象にしたい場合。

単一のフォルダを対象にする場合は上記の方法で終了ですが、「信頼できる場所」に追加フォルダのサブフォルダ(サブディレクトリ)すべてを対象にしたい場合は下記の設定を行う必要があります。

  1. 先ほど作った「Location3」を選択し、右側の空白部分で右クリックし、「新規(N)」→「DWORD(32ビット)値(D)」を選択する。
  2. 「新しい値 #1」が追加されるので、名前を「AllowSubfolders」に変更する。
  3. 「AllowSubfolders」をダブルクリックする。
  4. 「DWORD(32ビット)値の編集」ウィンドウが開くので「値のデータ(V):」を「1」に変更し、「OK」をクリック。
  5. 「AllowSubfolders」のデータが「0x00000001(1)」になっていることを確認し完了です。

以上で、「Path」に設定した「信頼できる場所」のサブフォルダのファイルを開いた際にもセキュリティの警告が表示されなくなります。

ネットワーク上のフォルダを信頼できる場所にしたい場合

これで「信頼できる場所」の設定はできましたが、実はネットワークのフォルダを信頼できる場所にする場合、この手順を行っても「セキュリティに関する通知」は消えません。

通常ネットワークのフォルダを信頼できる場所にする場合、ACCESSのセキュリティセンターを開き「プライベート ネットワーク上にある信頼できる場所を許可する(推奨しません)(W)」にチェックを入れる必要あがりますが、ACCESSランタイムではセキュリティセンターを開くことができないため、このチェックを入れることができません。
こちらもレジストリの変更で対応することができます。

  1. HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\Office\16.0\Access\Security\Trusted Locationsを選択します。
  2. 右側の空白部分で右クリックし、「新規(N)」→「DWORD(32ビット)値(D)」を選択します。
  3. 「新しい値 #1」が追加されるので、名前を「AllowNetworkLocations」に変更する。

  4. 「AllowNetworkLocations」をダブルクリックする。
    「DWORD(32ビット)値の編集」ウィンドウが開くので「値のデータ(V):」を「1」に変更し、「OK」をクリック。

  5. 「AllowNetworkLocations」のデータが「0x00000001(1)」になっていることを確認し完了です。

以上で、ネットワーク上のフォルダを「信頼できる場所」に追加してもセキュリティの警告が表示されなくなります。

まとめ

以上がMicrosoft Accessのランタイムで「信頼できる場所」を追加する方法でした。