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『魔女の宅急便』キキが飛べない(魔法が弱くなった)のはなぜ?スランプの理由は?どんな説が?

ジブリの名作『魔女の宅急便』魔女見習いの少女・キキが飛べなくなってしまう&黒猫のジジの言葉が分からなくなってしまうのはなぜ?突然のスランプの原因は?

魔法が弱くなってしまった窮地のキキ・魔法は復活する??


『魔女の宅急便』で一番注目される部分というのは、やはりなんといってもキキの魔力が弱くなってしまうスランプの場面ではないでしょうか。
魔女は13歳になると修行のために生まれ育った故郷を離れ、一人で修行に出るという古いしきたりがあります。まだ飛ぶことしか能のない(本人談)魔女見習いの、13歳の少女キキは、その修業の場に海沿いの街・コリコを選びます。

魔女の子として生まれ、ずっと大切に守られて育ってきた温かい街を離れ、未知の地に降り立ちました。自分の事どころか、魔法使いのこと(存在)すら知らない、ただひたすらにせわしなく行き交う、(周りに、人々に関心のないのような冷たい)街の人々に少なからずショックを受けてしまうキキ。自分は魔女であることを誇りに思って生きてきたつもりだったのに、あくまで世間はそんな自分にそっけない。

やがて、キキはその街に住むトンボという男の子と出会います。
知らない街で出会った初めての男の子で、同世代のお友達でした。
魔法使いに興味津々なその男の子は、明るく、屈託なく、キキに話しかけてきます。
ずっと仲良しだったのかな、と錯覚するほどに。
しかし、キキの中で、ある複雑な感情が芽生えていきます。

トンボはお友達をたくさん持っている人気者の男の子でした。
男の子、女の子、おじさんもおばさんも、どんな人とでも仲良く親しくなれる少年でした。
ある日、トンボ作のプロペラ自転車の後ろに乗せてくれる事になり、自転車(?)ドライブへと行ったトンボとキキ。途中、その自転車が空を飛び、大盛りあがりでしたが、プロペラが取れて二人は宙に投げ出されました(←危なすぎ!!)
二人で大笑い。とても楽しい時間を過ごすことが出来たキキ。
純粋にこんなに笑った時間は久し振り。
トンボといる時間がとても楽しかった、と感じるキキ。
しかしその瞬間、遠くからやってきたのはトンボのいつものお友達集団。
車に皆で乗り込んで、トンボを誘っている。
女の子たちはおしゃれな服を来て、垢抜けた都会人といったところ。
「あ、あの子知ってる。宅急便やってる子よ。」
そんな声が遠くから聞こえる。自分のことを話している。
トンボは楽しそうに仲間のところに駆けていく。
胸の中がモヤモヤしていくようなキキ。
帰ってきたトンボは一緒に行こうよ、みんなにも紹介するから、と楽しそう。
しかし突然キキは、帰る!と突っぱねるのでした。
どうしたの?と目を丸くするトンボ。
「怒ってなんかいないわ。私は仕事があるの、付いてこないで!」

可愛くなくなっちゃったキキ?初恋?嫉妬?少女から大人に?魔力が弱くなった原因は?

自分は原作も読んでいませんし、具体的に詳しい話はわかりません。
初恋説、初潮説、少女から大人への変化による葛藤、スランプ、色々な説が聞かれます。
しかし、宮崎駿監督が作ったこの素敵なお話に、ふんわりと包んであるものをばりっと開けて中身を出し、これは絶対こういうことだ、と他人が言い切って、断言してしまうのも野暮ってなものです。
なので、正解はなく、すべての説が一理あると思っていつも拝見しています。
正解は決めなくても良いと思います。
ですが、自分なりの説もちょこっとだけ載せてみたいと思います。

魔力が弱くなった理由

それは、トンボのお友達の女の子たちへの憧れ、も一つとしてあるのかな、と感じました。

トンボといるのが楽しくて、こんな時間をずっと過ごせたら素敵でいいのになぁ。
そんな時に割って入られた相手は都会に住むキラキラした女の子たち。
きれいな格好をして、おしゃれなものを持ち、自分にはないものを持っている。
瞬間的に面白くない、と感じたキキは道を翻していきます。
この行動は単純に嫉妬でしょうね。
友達を取られる、お気に入りのものを取られる、ステキな異性を取られる、そんな類のもの。あの膨れ顔は単純に嫉妬、気に入らない、そんな感じですね。明白です。

そしてプンプンして帰ってきて、私可愛くないな~なにやってんだろ、と部屋に落ち込みながら帰ってきて、ジジの言葉が通じないことに気づきます。
ジジが話しているのに「にゃ~」しか聞こえない。
そしてキキは外でほうきで飛べるか確認しますが、力が出ない。
飛べなくなっている。魔力がとても弱くなっていることに気づきます。
「どうして…?」


どうしてなのでしょうか。
それが自分なりに考えたのが「普通の人間女子への憧れ」。
これが瞬間的に大きくなりすぎてしまい、自分の魔女としての力を脅かすほどに、自分の中を占めてしまい、力を弱めてしまったのかな?と。

プンプンしながら帰っていたあの時、ぐるぐると考えていた頭の中、心の中。
自分も普通の女の子みたいに、あっち側になれたらな、と思ってしまったのではないでしょうか。
羨望、嫉妬、自己否定、自信喪失。
キキは魔女として生まれて育ち、それが当たり前で、その血が誇りですらあった。
自分は魔法使いで、故郷の街の大人たち、友人たち、皆が応援してくれて、自信を持って生きてきた。だけどそんな自分は今、あの子達には勝てない気がした。
魔女であるということすらどこか少し恥ずかしく、自信なく思えてしまった。
自分が魔女であることは誇りだったのに。

初めてその根底が揺らいでしまった。
自分をどこか恥ずかしいと思うような。
悔しいと思うような。
人を好意的に思うという初めての気持ちを通して、「普通の女の子」への嫉妬。
私もあの子達みたいな普通の女の子になれたら…、と自分を否定するような。
そしたらトンボもあっちには行かなかったのではないか、なんて。
そんなことをぐるぐる考えて歩いているうちに、普通の女の子としての自分>魔女としての自分、になってしまっていったのではないでしょうか。
初めて自分の中の魔女比率が下がってしまった瞬間だったのかもしれません。


ですが、やっぱりこういう気持を言葉にするのは野暮ですね。
『魔女の宅急便』のテーマは「思春期」ですから。
これを言葉にってのは野暮ってものです。
ですが、トンボが仲間の方に行った途端、キキは露骨に不機嫌になったので、そこを軸に、自分なりに想像してみました。
いつかどこかの瞬間で突然なにかのきっかけがあってバチッと魔力が弱くなったのではなく、歩きながら頭でモヤモヤ考え事をしている事で、自分で自分の力を痛めつけ、弱めていってしまったのではないか、ということです。
体が元気でも、心が病気になると、人間は病気になったりしますからね。
心っていうのは体に出てしまうし、体は心に逆らえません。
キキの精神的なものが魔力に直に影響してしまったのでしょう。
あくまで、個人的ないち予想ですが。

キキの魔力は戻る?ジジの言葉は戻る?

最後の最後にトンボの危機を救いにいくシーンがありますね。
相変わらず魔力は弱めで、飛び方はめちゃくちゃです。
修行スタート時とほぼ変わらないとも取れますが(笑)。
ですが、トンボの危機を知って反射的に、本能的に飛び出して行ったキキ。
助けたい、救いたい、そんな一心で向かいます。
近くにいたお掃除のおじさんのデッキブラシを借りて、荒れた魔力のままがむしゃらに。
自信を喪失していたキキでしたが、トンボのために力を集中させます。
キキが一つ大きく成長した、この映画のメインとも言える場面でした。

ああだったら…、こうだったら…、自分なんて…、私なんて…。
そんなことをぐちゃぐちゃ頭で考えて弱っていくのではなく、ただ自分の持てる才能と力と気合と、強い想いで出来ることに精一杯立ち向かう。
そんな強い気持ちが勝った瞬間でした。一つ殻を破った瞬間でした。

しかしラスト、キキのそばにやってきたジジは最後まで人間の言葉を話しませんでした。
成長して、殻を一つ破ったはずのキキは、ジジの言葉を理解できないまま終わります。
これはキキがおとなになり、ジジの助けを必要としなくなったから、という説が濃厚ですね。キキの母も黒猫はそばに置いていませんね。
先輩魔女さんは連れてはいましたが。
本人がおとなになると話せなくなっていく、っていうのもしきたりなのかな?
赤ちゃんが生まれるとおしゃぶりをあげたり、ぬいぐるみをあげたりするのと同じように、魔女の子には小さな子猫をあげるのかな?

でもジジって普段からそんなに助け?アドバイスしてないし(笑)、まぁ、動物の気持ちを訳してくれるのは助かるけど。
でも普通にお友達として話しながら二人で仲良く過ごして行って欲しかったなぁ。
また大人の魔女として力をつけたらいつか話せる時が来るのかな?
キキと同じで、ジジも猫界では選ばれし猫なのかな~って思っていたので、リリーちゃんと恋して結婚して、子供が生まれて、なんだかめちゃくちゃ普通なモブ猫になってしまった感がどうにも違和感なんですよね(笑)。こんなところで終わるジジじゃないだろ?と。
気になるところですが、そこは各々の妄想を膨らまて楽しみましょう。

以上、長くなりましたが、魔力についての紹介でした!
正解は探さずに、妄想で、想像で、楽しんでいきましょう!!

追記: