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【新型コロナウイルス】マスクの効果と有効な選び方【BFE・VFE・PFEとは?】

【新型コロナウイルス】マスクの効果と有効な選び方【BFE・VFE・PFEとは?】

中国武漢で発生した新型コロナウイルスですが、現在世界で流行の兆しを見せています。
さまざまな意見が飛び交うなか厚生労働省の方たちも頑張っているようですが、日本での感染者も増え続けてしまっています。

今回の新型コロナウイルスについて厚生労働省は2020年1月29日の発表で、

○新型コロナウイルス感染症の現状からは、中国国内では人から人への感染は認められるものの、我が国では人から人への持続的感染は認められていません。国民の皆様におかれては、過剰に心配することなく、季節性インフルエンザと同様に咳エチケットや手洗いなどの感染症対策に努めていただくようお願いいたします。

同じく厚生労働省の2020年1月30日の発表では、

○新型コロナウイルス感染症は、我が国において、現在、ヒトからヒトへの感染が認められましたが、現時点では広く流行が認められている状況ではありません。国民の皆様におかれては、過剰に心配することなく季節性インフルエンザと同様に咳エチケットや手洗いなどの基本的な感染症対策に努めていただくようお願いいたします。

と、「国内での感染はあったが流行はしてないよ。あんまり心配するなよ」といったメッセージが出されていますが、この流行では心配になってしまうのが人間ってものです。

決してパニックにならず冷静に対処することが大切ですが、正常性バイアスで「俺には関係ない。対策なんて必要ない」と無防備になるのも考え物。
冷静に、落ち着いて、しっかりと感染しないように対策することが大切です。

感染しないように…とはいってもいったい何を対策すればよいのでしょうか。
残念ですが、現在ではまだ新型コロナウイルスが何により感染するかは厳密には分かっていないようです。
ですが、厚生労働省の新型コロナウイルスのQ&Aサイトによると、

問3 新型コロナウイルスはヒトからヒトへうつるのですか?
新型コロナウイルス感染症の現状からは、中国国内ではヒトからヒトへの感染は認められるものの、ヒトからヒトへの感染の程度は明らかではありません。
過剰に心配することなく、風邪やインフルエンザと同様に、まずは咳エチケットや手洗い等の感染症対策を行うことが重要です。

引用:厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A

としています。
このことから、厚生労働省もインフルエンザと同様の「飛沫感染」と「接触感染」である可能性が高いと考えているようです。
もし、新型コロナウイルスがインフルエンザと同様の「飛沫感染」である場合、身を守る方法でまず頭に浮かぶのが、そう「マスク」ですよね。
このインフルエンザが流行する時期、マスクでインフルエンザ予防をする方も多いかと思いますが、最近「感染防止にマスクは効果が無い」という声が聞かれます。
しかしながら、厚生労働省のインフルエンザについてのページでは、

インフルエンザが流行してきたら、特に御高齢の方や基礎疾患のある方、妊婦、体調の悪い方、睡眠不足の方は、人混みや繁華街への外出を控えましょう。やむを得ず外出して人混みに入る可能性がある場合には、ある程度、飛沫感染等を防ぐことができる不織布(ふしょくふ)製マスクを着用することは一つの防御策と考えられます。

引用:厚生労働省 インフルエンザQ&A

としており、マスクによって自分への感染をある程度防ぐことは出来ると考えていることが分かります。
また、マスクで自分への感染を完全に防ぐことは出来なかったとしても、万が一自分が感染していた場合、そのウイルスを他人のうつすリスクは少なくなります。
先ほどと同じ厚生労働省の新型コロナウイルスのQ&Aサイトでも、

問7 武漢に滞在していましたがどのように対応すれば良いですか?
現地を出てから2週間の間に、発熱や呼吸器症状がある場合には、マスクを着用するなどの咳エチケットを実施の上、速やかにお住まいの地域の保健所に連絡し、医療機関を受診するようにしてください。その際、武漢市に滞在していたことを申告するようにしてください。

引用:厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A

と記載されていることから、他の人への感染を予防する効果があるものと厚生労働省も考えているようです。

このようにウイルスに対してある程度の感染防止効果があると考えられるマスクですが、どれも同じ効果があると思っておりませんか?
実はマスクにも性能があり、その性能次第で防御効果に違いが出てきてしまいます。

マスクを買うときはココを見よう!

マスクを買う時にな~んとなくマスクを選んでいませんか?
どれも同じように見えますが、実は機能に大きな違いがあるんです。
それを確認するためにはパッケージの裏側を見てください。
なにやら「BFE」「VFE」「PFE」という見慣れないアルファベットが並んでいますよね。
実はこのアルファベットの羅列がマスクの性能を示す大事な意味を持っているんです。

「BFE」とは?

では、まず、「BFE」とはなんでしょうか。
「BFE」とは「Bacterial Filtration Efficiency」の略で、日本語にすると「バクテリアろ過率試験」といいます。
バクテリアとは細菌のことで、およそ3µm(マイクロメートル)の細菌を含む粒子をどれだけ遮断できるかを示しています。
当然ながらカット率が高ければ高いほど細菌を遮断する力が強いということになります。

マイクロメートルとは?

µm(マイクロメートル)とは、は1メートルの100万分の1の単位です。

「VFE」とは?

つづいて「VFE」についてですが、「VFE」とは「Viral Filtration Efficiency」の略で、日本語にすると「生体ウイルス遮断効率試験」といいます。
およそ0.1µm~5.0µm(マイクロメートル)のウイルスが含まれた粒子をどれだけ遮断できるかを示しています。
試験では、咳やくしゃみで放たれる飛沫のような、ウイルスが含まれた粒子を作り、それがどれだけ遮断できるかを確認します。
この「VFE」が高いほどウイルス(が含まれた粒子)を遮断する力が強く、この「VFE」低い、また記載がない場合、ウイルスが通過してしまう可能性が高いということです。

「PFE」とは?

つづいて「PFE」についてですが、「Particle Filtration Efficiency」の略で、日本語では「ラテックス微粒子遮断効率試験」といいます。
これは細菌やウイルスではなく、0.1µm(マイクロメートル)のポリエチレン粒子をどれくらい遮断できるかを示しています。

以上のことから、ウイルスの飛沫感染を防ぐためには「BFE」だけでは不十分で「VFE」と「PFE」が高いものを選ぶことがポイントになります。

ダイソーのマスクの「VFE」「PFE」カット率は?

新型コロナウイルス騒ぎで、ドラッグストアやホームセンターのマスクは少し品薄になっているようです。
ですが、私が確認したところでは、ダイソーなどの100円ショップにはまだ在庫がありました。
では、この100円ショップのマスクにはどれくらいのウイルス遮断効果があるのでしょうか。

今回私が用意したのはこちら、100円ショップの王様「ダイソー」の「不織布マスク」です。
税込110円で30枚も入っているお得な一品です。

ではパッケージの裏側を見てみましょう。

パッケージの裏側には「BFE99%フィルタ採用」の文字は見られますが、「VFE」や「PFE」の文字が見られません。
つまり、ウイルス(が含まれた粒子)の遮断率を示す「VFE」の試験は通過していないと考えられます
もちろん試験をしていないだけでウイルスを遮断する能力がある可能性も捨てきれませんが、このパッケージの表記だけではウイルス対策としては不十分なのではないかと思われます。

ドラッグストアの箱入りお徳用マスクの「VFE」カット率は?

次に私がドラッグストアで購入した100枚入りのお徳用マスクの「VFE」カット率を見てみましょう。
今回私が用意したのはこちら、「スギ薬局」のプライベートブランド「S SELECT」のマスク「立体型Wワイヤーソフトマスク」です。

早速パッケージの裏側を見ましょう。


こちらには「BFE 平均99%カット」「PFE 平均99%カット」「VFE 平均99%カット」の記載があります。「VFE」カット率が99%以上なので、ウイルス対策にはもってこいの商品のようです。

感染防止にはマスクの「使い方」も大事

感染防止にはマスクの性能だけではなく、マスクの「使い方」も非常に重要になります。
いくらマスクの性能が高くても

・顔とマスクの間に隙間が出来ないように

顔とマスクの間に隙間があると、そこから飛沫が出入りしてしまいます。
できるだけ顔をマスクの間に隙間が出来ないようにつけてください。
メガネが曇るからといって鼻を出してつけるのも当然NGです。

・マスクは再利用しない

ここまで「VFE」などのウイルス(を含む粒子)のカット率の話をしてきましたが、あくまでマスクが行うのは「ろ過」であるため、ウイルスがマスクを通過できなかったとしても、ウイルス自体はマスクに付着していることを忘れてはいけません。
そのため、マスクの再利用はNGです。

・使用後のマスクはきちんと捨てる

使用後のマスクにはウイルスなどが付着していますので、捨て方も大切です。
マスクを外すときはフィルター面を触らず耳ゴムなどを触って外し、普通のごみ箱には捨てず、フタつきのごみ箱に捨てたり、ビニール袋に入れて捨てるなどしてください。

まとめ

というわけでマスクの選びかたのお話でした。
マスクでウイルスの感染を完全に防ぐのは難しいと思われますが、現在の新型コロナウイルスに対する共通認識である「ウイルスの感染を広げない」という目的に対しては、マスクは一定の効果があると思われます。
自分のことだけじゃなく、自分の周りの大切な人を守る為にもマスクを正しく使用しましょう。

※マスクが品薄になっているようです。マスクが必要な人にいきわたるよう、買占めしないようにお願いいたします。

※季節性インフルエンザの予防にはマスク以上に手洗いが大事だと言われています。マスクを過信せず、しっかり手洗いをしましょう。