老化を防止する?発毛にも?ポリアミンのすごい効果とは【たけしの家庭の医学】でもご紹介!効率的な摂り方、豊富な食べ物、増やし方も!
ポリアミンで「生老病死」仏教の4つの苦悩を乗り越える?
仏教においては生きる上で避けることが出来ない4つの苦悩があるといいます。
それが「生老病死」です。
生老病死の1つ目は「生」は生まれる。
生老病死の2つ目は「老」は老いること。
生老病死の3つ目は「病」は病に冒されること。
生老病死の4つ目は「死」は死ぬこと。
確かに、どれも避けることはできなさそうです。特に生まれることと死ぬことは絶対に避けることは出来ません。
しかし、3つ目の「病」は本当に避けることが出来ないのでしょうか?
あなたのの周りにはいませんか?結構お年を召しているのに「この年まで病気一つしたことない!」と豪語するお年寄り。
遺伝的に避けられない病気もありそうですが、普段の生活習慣によってだいぶ避けられそうな病気もあるような気がします。
そしてもう一つ、2つ目の「老」。
老いることは本当に避けることが出来ないのでしょうか?
「人はいつか死ぬんだから老いるのは当然」
と思われるかもしれませんが、研究者の中には老いることを防ぐことを本気で研究している方がたくさんいます。
そして、老いに抵抗する方法が一つ発見されました。
それが「ポリアミン」という物質によるものです。
ポリアミンってなに?
「ポリアミン」という物質を聞いたことがあるでしょうか?
ポリアミンとは人間をはじめとして全ての生物の体内に含まれる、細胞の分裂などを調節する物質の総称です。細胞分裂を調節する物質のため、このポリアミンが無ければ極端な話、細胞分裂が行えなくなってしまうんです!
細胞分裂が出来なければ新しい細胞が作られませんから、結果死んでしまいますよね。
これだけで、ポリアミンが私達の体にどれほど大切なのか分かっていただけるかと思います。
ポリアミンの名前についてですが、ポリアミンは「総称」というくらいですから、実はポリアミンというものが物質の名称なのではなく、20種類以上のポリアミンをまとめて「ポリアミン」と言っています。
このポリアミンの中で代表的なのが、
- スペルミン
- スペルミジン
- プトレシン
- カダベリン
です。
こういったものをまとめて「ポリアミン」と言っています。
このポリアミン、実は母乳に多く含まれていることが分かっています。
赤ちゃんといえば生命力の象徴!という感じですが、この赤ちゃんを成長させるために必要な物質がたくさん入っている母乳の中にポリアミンがたくさん入っているんですね。母乳にまで、ポリアミンがたくさん含まれているというと、ポリアミンが人の体にとってどれだけ大切なのか分かる気がしませんか?
しかも、現在ではポリアミンが赤ちゃんの成長に大切だということが分かってきているため、粉ミルクの中にもこのポリアミンが入れられるようになっているんです。
ポリアミンにはどんな効果があるの?
母乳に含まれるほど、人体に必要不可欠なポリアミン。体の中で増えるとどんな良い効果があるのでしょうか。
ポリアミンは老化を防ぐ?
ポリアミンを摂取することで得られるメリットでもっとも期待されているのが老化を防ぎ寿命を延ばす効果です。よく言う「アンチエイジング」ってやつですね。
自治医科大学の早田邦康先生の研究によると、ポリアミンの濃度を通常の2倍にした餌を50週にわたりマウスに与えたところ、血中のポリアミン濃度が上昇し、通常の餌及びポリアミンの少ない餌を食べていたマウスと比較して、死亡率が低下したことが報告されています。また、ポリアミンの量が多い餌を食べていたマウスは腎臓で塩分や老廃物をろ過する装置である「糸球体」が硬くなる「糸球体硬化症」の発症率が低下したそうです!
さらにさらに、体が老化してくると減ってくるタンパク質SMP30が増加していたことが判明しています。
SMP30とは、「Senescence Marker Protein-30(加齢指標蛋白質30)」の略称で、加齢とともに減少するタンパク質の一つです。加齢によってSMP30が減少すると、いろいろな負荷から細胞や組織を守る力が低下します。つまり、SMP30の減少は老化と密接な関係にあります。
つまり、ポリアミンの摂取によって老化を防ぎ寿命を延ばすことが出来る、と考えられています。
さらに、ポリアミンの多い餌を食べていたマウスは、他のマウスに比べ、毛並みがよく元気だったといいます。これを単純に人間に当てはめることは出来ないかもしれませんが、人間でいえば肌ツヤの調子が良くなる…ということでしょうか。
体が元気になって肌ツヤも良くなるとしたら本当に嬉しいですよね。
また、大腸の中のポリアミン濃度を高めることにより大腸の老化防止や寿命が伸びることが分かっています。
牛乳やヨーグルトの製造販売をしている「メイトー」が京都大学などと行った共同の研究によると、プロバイオティクスビフィズス菌「LKM512」を摂取すると腸内のポリアミン濃度が上昇し、ポリアミン濃度が上昇することにより腸内のバリア機能が維持され、大腸の抗炎症効果が得られ寿命が長くなるとのことです。
このように、さまざま研究により、ポリアミンが老化を防止する効果があることが分かってきています。
発毛促進作用
ポリアミン(スペルミジン)には発毛促進効果があることが報告されています。
ヘブライ大学医学部附属ハダサメディカルセンターのユヴァルラモットらの研究によると、ポリアミン(スペルミジン)を投与すると、発毛を促進することが分かりました。
髪の毛はずっと伸び続けるわけではなく、3年~6年を1サイクルとして、「成長期→退行期→休止期」を繰り返します。スペルミジンを投与されると、サイクルのうち「成長期」が長く維持されることが分かっています。また、毛根が伸びることが分かっています。
不妊にも?
ポリアミンは妊娠を促す作用があることがモントリオール大学のルフェーブルらの研究で報告されています。
不妊には精子の運動性などが関与している場合がありますが、ルフェーブルらによると、ポリアミンは男性においては精子の形成や運動能力を促進するのに関係しており、女性においては卵巣・卵胞の発達や排卵にポリアミンが関与していることを発表しています。
不妊にはいろいろな要因が関与していますが、ポリアミンが妊娠に関して密接に関わっていると考えられいます。
ポリアミンはどうしたら増えるの?
そうなると、ぜひ自分の体のなかのポリアミンも増やしたくなりますよね?
実はポリアミンは自分の体の中で日々作られているんです!
そう聞くと、「じゃあ別にあえて食べ物などで摂取する必要無いんじゃないの?」と思われるかもしれませんが、実はなそうではなく、年をとるとこのポリアミンを作る能力がどんどん衰えていってしまうんです。なので、食べ物などで効果的にポリアミンを摂取するのが推奨されています。
ポリアミンを効果的に摂取するには?
先程ご紹介した研究結果から、ポリアミンを食べ物として摂取することにより体内のポリアミン量を増やすことができ、それにより老化防止効果が期待出来ることが分かっていただけたかと思います。
ポリアミン自体はアミノ酸の一種であるアルギニンから体内で合成されますが、年をとるとこの合成する力が衰えます。そのため、食べ物からポリアミンを摂取するのは効果的なのです。
では、ポリアミンを効果的に摂取するためには、何を食べたら良いのでしょうか。
一般的にポリアミンの量が多いとされている食品は以下のものです。
- 白子
- 貝類
- きのこ類
- 納豆
- 大豆
- 小豆
- チーズ
- オレンジ
といったものに多くのポリアミンが含まれています。
中でも、ポリアミン研究の第一人者である自治医科大学の早田邦康先生が「ポリアミンの王様」としておすすめしているのが日本が誇るスーパー健康食品「納豆」です。
納豆は以下の理由からポリアミンが効果的に摂取できます。
- ポリアミン豊富な大豆から出来ている
- 発酵によりポリアミンが作られるため、さらにポリアミンが増えている
- 食物繊維により腸内の善玉菌がポリアミンを合成するのを促す
早田邦康先生は納豆を毎日食べることを推奨しています。
納豆を毎日最低1パック食べるグループと納豆をまったく食べないグループを作り、その生活を2ヶ月続けてもらったところ、納豆を毎日食べるグループは血中のポリアミン濃度が1.36倍に上昇したとのことです。
さらにすごいのが、納豆にはアルギニンが豊富に含まれているということなんです!
先程もご説明しましたが、ポリアミンは体内でアルギニンから合成されます。つまり、納豆にはポリアミン自体も豊富にふくまれているうえに、ポリアミンの元になるアルギニンまで豊富に含まれているという、ダブルパワーでポリアミンを増やすことが期待出来るんです!
また、納豆以外にポリアミンを増やすのに効果的なのが、プロバイオティクスビフィズス菌「LKM512」です。
メイトーの研究によりますと、直接ポリアミンが含まれた食品を食べるよりも、ビフィズス菌「LKM512」を摂取したほうが効果が高いと報告されています。
食べ物として摂取したポリアミンはその多くが小腸で吸収されます。もちろん小腸で吸収されるだけでも効果的ではありますが、このポリアミンが大腸まで到達すると大腸のバリア機能が高まり、さらに効果が期待できます。そこで、登場するのがビフィズス菌「LKM512」です。ビフィズス菌「LKM512」は大腸まで生きて届き、大腸内で酸を作ります。すると、この酸をキッカケとしてポリアミンを合成する機能が活性化し、大腸内でポリアミンが作られ、大腸内のポリアミン濃度が高まります。「LKM512」自体がポリアミンを作るわけではありませんが、ポリアミンを作る機能を活性化してあげるんですね。
これを踏まえ個人的に思うのは、納豆だけ、「LKM512」だけ、ではなく、この2つを上手く組み合わせて活かすことが大切なのではないかと思います。つまり、納豆と「LKM512」が含まれたヨーグルトを食べるのが一番効率的かもしれません。
ちなみに、ですが毎日ヨーグルトを買って食べるのは経済的にもなかなかの負担ですよね。
そこで登場するのが、自家製ヨーグルトです!
自家製ヨーグルト用に「LKM512」の種菌が販売されています。
この種菌をパックの牛乳に入れて、ヨーグルトメーカーを使って一晩待つとビフィズス菌「LKM512」が入ったヨーグルトを作ることが出来ます。
家族で一人一つずつヨーグルトを買うと、毎日のヨーグルト代もばかになりませんよね?いくら健康に良いといっても、あまり家計を圧迫するのも考えものです。
ですが、自作ヨーグルトであれば、1回でおよそ1リットルもの大量のヨーグルトが作れますから、家族でヨーグルト食べるのにはこの方法が良いかもしれませんね。
あ、あと、顆粒タイプのLKM512もあります。
ヨーグルトが苦手な方や、さすがに毎日食べるのはちょっとという方、手軽にLKM512を取りたい方におすすめです!
まとめ
ポリアミンは母乳にも含まれる生物にとって、とっても大事な成分なのです。
そして、ポリアミンはすでに寿命を延ばすことが出来る物質だということが研究で判明していて、怪しげな「寿命伸びるよ~」っていう民間療法的なものとは、もう一線を画す信頼性があります。
ポリアミンというのはあまり耳慣れない物質かもしれませんが、納豆とLKM512が含まれるヨーグルトを食べて健康に年を重ねられるように頑張りましょう!