アニメーション映画

『風の谷のナウシカ』大ババ様が語る言い伝え・予言「その者青き衣をまといて…」とはどんな意味?

宮崎駿監督作品『風の谷のナウシカ』大ババ様が語る言い伝え・予言「その者青き衣をまといて…」とはどんな意味?

「風の谷のナウシカ」の名セリフといえば…

「風の谷のナウシカ」といえば、公開から35年たっても色あせることのない普及の名作です。
ナウシカにはいろいろな印象的なセリフがありますが、やはりナウシカを象徴するセリフとして「その者青き衣をまといて…」というものがありますよね。
このセリフ、いったいどういう意味なのでしょうか。

映画版の「その者青き衣をまといて…」の全文

この「その者青き衣をまといて…」というセリフ、実は映画版と原作である漫画版では少しセリフが異なります。
まずはアニメ版言い伝えの全文を。

映画版では大ババ様が風の谷に伝わる古くからの言い伝えとして、

「その者青き衣(ころも)をまといて金色(こんじき)の野に降り立つべし。失われた大地との絆を結びついに人々を清浄の地にみちびかん。」

と語ります。
映画の終盤で、この「その者」がナウシカであることが判明します。
ナウシカは大量の王蟲の暴走を身を挺して止めますが、ナウシカは王蟲にはねられ絶命(?)します。しかし、ナウシカの心にふれた王蟲たちによって蘇生され、ナウシカを取り囲む王蟲たちの触手は金色に輝き、まるで金色の野のようになり、言い伝えの「その者」がナウシカであることが判明するのでした。

というわけで、映画版の「その者青き衣をまといて金色の野に降り立つべし。失われた大地との絆を結びついに人々を清浄の地にみちびかん。」というのは、ナウシカのことを言っており、いつかナウシカがみんなを腐海の無い清浄の地に導くことが示されています。
しかしながら、映画では実際に清浄の地に導く描写はなく、「いつかナウシカが清浄の地に導いていくんだろうなぁ」と視聴者の想像にお任せする終わりになっています。

漫画版の「その者青き衣をまといて…」は?

漫画版は少しセリフが異なり

「その者青き衣(ころも)をまといて金色(こんじき)の野に降りたつべし。失われた大地との絆をむすばん」

となっています。
これを発言した人間も映画版と漫画版ではことなり、映画版では風の谷の大ババさまであったところが、漫画版では「僧正」という人になっています。

漫画版でもナウシカは王蟲の暴走を止めますが、漫画版ではナウシカは絶命(?)はしておらず、王蟲たちは金色の触手でナウシカの傷をいやし、その光景を見た「僧正」がこのセリフを語ります。

漫画版のこのセリフの意味ですが、正直、原作の中ではハッキリ明かされていません。
原作を読んでいただければ分かりますが、むしろナウシカは、人類と失われた大地(昔の清浄な大地)との絆を切ってしまっています。

これは勝手な憶測ですが、漫画版ナウシカは1982年~1994年の12年間、途中何度か中断を挟みながら連載されました。そのため、当初考えていたラストーシンが途中で変わってしまったのではないかと思います。
宮崎駿監督はその天才肌ゆえ、映画製作中にもにいろいろな発想が出てきて、制作がかなり進行していても作り直しを何度も行うことで有名です。
恐らく漫画版でも、当初はナウシカは正常な大地に導くはずだったところを、途中から「ナウシカはこんな選択をしない!」と現在の漫画版のラストになっているのではないかと思います。

まとめ

この「その者青き衣(ころも)をまといて金色(こんじき)の野に降りたつべし。」というセリフは漫画が全7巻あるところの2巻に登場しますが、その後最後までこのセリフについては触れられません。
非常に印象的なセリフなので、このセリフを生かしてほしかったなぁと少々勿体なく感じます。

ちなみに、映画版は原作版の全7巻中、2巻までしかやっていません。
映画版をご覧になって少しでも面白いと感じた方はぜひぜひ原作版を読んでみることをお勧めします。

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