宮崎駿作品「風の谷のナウシカ」巨神兵とは一体何者?
ナウシカの巨神兵ってトラウマですよね…
「風の谷のナウシカ」は不朽の名作ですが、個人的にはちょっと「風の谷のナウシカ」にトラウマがあります。
それは映画の冒頭に現れる並んで歩く「巨神兵」と、最後に登場する「ドロドロ」に溶けた「巨神兵」です。
冒頭の巨神兵は、あのゆっくり歩く様がすごい怖いですし、最後の巨神兵も気持ち悪くて歯語りません。
でも、実はあの「巨神兵」怖いだけでも、気持ち悪いだけでもなく、非常に深い設定のあるものだったんです。
「風の谷のナウシカ」巨神兵とは一体何?
巨神兵とは「旧世界の人類」によって作られた「調停と裁定の神」です。
ナウシカたちの時代からおよそ1000年前には高度に発達した文明がありました。文明は発達していましたが、その世界は憎悪と絶望に満たされ、ありとあらゆる宗教、ありとあらゆる正義、ありとあらゆる利害が対立し争っていました。
そして、人類はとうとうそれらを調停するための神をその手で作ってしまいました。
それが「巨神兵」です。
映画で「巨神兵」は口から光線(「プロトンビーム」という名前があります。)を吐き出し、ドロドロに溶けていくだけの気持ちの悪い怪物でしたが、原作である漫画版では、とても高い知能を持つ理性的なものでした。「巨神兵」は単なる破壊者ではなく、理性的に善悪を判断して破壊するものだったわけです。
やがて「巨神兵」は「火の7日間」を起こすわけですが、この「火の7日間」がなぜ起こったのか、原作の漫画には記載がなく、私の推測になってしまうのですが、これは恐らく、「裁定」の結果によるものではないのかと私は考えています。
お互いに憎しみ合い争いを繰り返す人間たち。きっと「巨神兵」は「人間そのものが世界をダメにする原因だ」と「裁定」し、文明を破壊したのだと思います。
つまり、人間は自分が作り出した神によって滅ぼされてしまったといことだと思います。
巨神兵は日本製(?)
実は巨神兵は日本製(?)なんです。
漫画版の巨神兵には歯に「東亜工廠」と刻まれています。
漢字で書かれていることから、恐らく日本で作られたものではないかと推察されます。
また、巨神兵は放射線を放出しています。映画冒頭でユパ様からナウシカに渡ったキツネリスのテトはこの放射線によって死んでしまいます。
正確な描写はありませんが、放射線を放出していることから、恐らく核分裂や核融合などをエネルギーにしているものと思われます。
まとめ
たくさんの視聴者にトラウマを植え付けてきた「巨神兵」ですが、「裁定と調停」のために作られたものであり、世界を滅ぼそうとして作られたものではありません。
しかしながら結果的に世界は滅ぼされてしまいました。
我々の文明も「巨神兵」のようなものが必要にならないように、ナウシカを教訓にして身近なことからいろいろと見直す必要があるのかもしれませんね。

