健康

たけしの家庭の医学でも紹介!スーパー健康長寿物質「AIM」の驚きの能力と増やし方!

『名医とつながる!たけしの家庭の医学』スーパー健康長寿物質「AIM」の驚きの能力と増やし方!

皆さんは「AIM」という物質をご存知でしょうか?
東京大学の宮崎教授という方が発見した、色々な病気などを解決してくれる可能性のあるスーパー健康長寿物質です!
まだまだ知名度の低いこの物質ですが、すごい力を秘めていますのでご紹介します。

東京大学 大学院医学系研究科の宮崎 徹教授らが世界に先駆けて発見!

「AIM」とは東京大学大学院医学系研究科の宮崎徹教授らの研究グループがスイスのバーゼル免疫学研究所発見した物質です。

「AIM」って何?

私たちの血液の中には「マクロファージ」と呼ばれる細胞があります。
このマクロファージは体の中の細菌などの異物を捕まえて退治するとても頼りになる細胞です。このマクロファージだけが特別に生産するタンパク質が「AIM」です。
私たちは通常血液1mlあたり、およそ5~10μgの「AIM」を持っています。

「AIM」の名前の由来は「Apoptosis Inhibitor of Macrophage」から来ています。
難しい英単語でパッと見ではなんのことかわかりませんが、「Apoptosis Inhibitor of Macrophage」を直訳すると、「マクロファージのアポトーシス阻害剤」という意味です。…やっぱりよく分かりませんよね?
このあとご説明しますが、「マクロファージが生産する、細胞が死ぬのを遅らせる物質」だということです。つまり、細胞の寿命を延ばすってことです!なんだかすごいですよね!
さらにさらに、この「AIM」。細胞の寿命を延ばすだけだけじゃなく、凄い能力を持っていることがだんだん明らかになってきたのです!

細胞のアポトーシス(細胞死)を制御して細胞を長生きさせる!

皆さんは「アポトーシス」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
「アポトーシス」とは「細胞死」のことを言います。
諸行無常ですべてのものは移り変わりいつか死んでいきます。細胞も例外ではなく、いつか死んでいくものです。ただ、細胞はただ死んでいくのではなく「自殺」することはご存知でしょうか?
我々の遺伝子の中には細胞が自殺的に脱落死するプログラムが組まれており、自分の体をより良い状態に保つためにあえて細胞が死ぬように出来ているのです。
たとえば、おたまじゃくしがカエルになるときにしっぽがなくなりますよね?これも遺伝子の中に組み込まれたプログラムによりアポトーシスが起こっている一例です。
このようにアポトーシスによって細胞は死んでいくのですが、「AIM」はこのアポトーシスを抑制することが分かっています。つまり、細胞を長生きさせるわけですね。
また、「AIM」はマクロファージによって生産されるのですが、マクロファージ自身も「AIM」によってアポトーシスが抑制されます。

脂肪細胞を小さくして肥満を抑える!

「AIM」はマクロファージによって生産されると、血液に入り体を巡ります。
血液に載って脂肪細胞までたどり着いた「AIM」は脂肪細胞に取り込まれます。するとなんと、「AIM」は中性脂肪を小さくしてしまうことが分かっています。
体が太ってくると自動的にAIMの生産量はあがり、脂肪を小さくしていきます。これは体が肥満を抑制しようとする作用があるものと考えられています。
また、「AIM」は肝臓でも肝細胞に取り込まれ、脂肪肝の抑制までするということです。

肝臓がんの新たな治療法に!?

少し話がAIMからそれますが、体には「補体」と呼ばれる免疫システムを構成するタンパク質があります。これは、体に入ってきた細菌など異物を攻撃して排除する体の掃除屋のような存在です。とても頼りになる補体ですが、補体はなぜ細菌と人間本来の細胞を見分けることができるのでしょうか。
それは、人間の細胞には「補体抑制分子」というものがあり、人間の細胞に対する補体の働きを抑制しているからなのです。人間の細胞は補体抑制分子により補体に攻撃されずにすんでいるんですね。

話をAIMに戻します。
先ほど、「AIMは肝細胞に取り込まれる」といいましたが、細胞ががん化してしまった場合は全く違った動きをします。細胞ががん化すると、AIMは細胞に取り込まれず細胞の表面に蓄積されていくのです。AIMが蓄積されてもAIM自体は細胞に何もしませんが、なんと、AIMが蓄積されると補体抑制分子の働きが低下するのです。
これが何を意味するかというと、がん化した細胞の補体抑制分子の働きが低下すると、がん化した細胞は補体の攻撃対象になる、ということです。
これにより、補体ががん細胞を細胞死させることが明らかになっています。
つまり、AIMはがん細胞を攻撃する手助けをしているといえます。

急性腎不全の治療にも!?

さらに、AIMは急性腎不全の治療にも役立つものと考えられています。
腎臓は血液の中の老廃物をろ過し、尿として排泄する大切な臓器です。急性腎不全になると、腎臓の尿細管という管に細胞の死骸がつまり、腎機能の低下がおきます。腎臓の機能が低下すると、血液中のAIMが尿細管に集まり細胞の死骸を除去してつまりを解消します、いうなれば、AIMは腎臓の掃除屋と言えますね。この働きにより腎機能が改善するということです。

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秋の味覚サンマを食べるとAIMが増える!?

AIMの生産はマクロファージが行いますが、AIMの生産量は皆さんが食べているもので変わってきます。
AIMの生産量を増やすことが期待されているのは「脂肪酸」を多く含む食品です。
脂肪酸を含む食品は色々とありますが、この季節に脂肪酸を多く含む商品といえば、やっぱり、「サンマ」でしょうか。
サンマは油分が多い魚ですが、サンマの油は普段不足しがちな体に良い脂肪酸がたっぷりです。

しかし、動脈硬化や糖尿病の原因にも?

先ほど、「AIM」はアポトーシスを予防して細胞を長生きさせると言いましたが、細胞を長生きさせるのは良いことばかりではありません。「AIM」は自身を生産するマクロファージのアポトーシスを抑制しますが、過剰にアポトーシスが蓄積してしまうと動脈硬化の原因になってしまいます。
また、インスリン作用の障害を引き起こし、糖尿病の原因になることも
しかし、宮崎教授によると、動脈硬化を促進するほどのAIMの上昇は動物実験など特別な状況では起こり得るが、通常人間ではまずありえない、とのことです。
何事も「過ぎたるは及ばざるがごとし」ではありますが、「多い方がいいけど摂りすぎはダメ」と言われても困りますよね?ではどうしたらよいのでしょうか?

AIMのバランスを整えるには納豆が一役買います!

先ほど言いました通り、「AIM」は生産されすぎも体に不調をきたす原因になってしまいます。
そこで、AIMのバランスを整えることが期待されている食品が納豆です。
AIM発見者の宮崎教授がインタビューの中で「納豆が血中AIM値を適正に保つのによさそうだ」と語っています。

まとめ

「AIM」は肥満抑制・脂肪肝予防・肝臓がん治療・急性腎不全の治療にと、これらの活躍が非常に期待されている物質です。しかしながら、あまり過剰にAIM濃度が高くなると動脈硬化や糖尿病のリスクも高くなると言われています。
適切なバランスになるよう、秋はサンマと納豆でAIM活動を始めてみてはいかがでしょうか?

※こちらに実際の『たけしの家庭の医学』の番組の中でやった実験や結果などを載せています。良かったら併せてこちらもどうぞ!

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