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『この世界の片隅に』傘を一本持って来たかの意味はなに??

松本穂香・松坂桃李の新・日曜劇場『この世界の片隅に』傘を一本持って来たか?の会話にどんな意味があるの??

祖母:祝言を挙げたその晩、婿さんが傘を一本持って来たか、言うてじゃ、
すず:「傘?」
祖母:ほしたら、はい、新(にい)なのを一本持ってきました、言うんで
ほいで向こうが、差してもええかの言うたら、どうぞ、言う
ええか?
分かったか?
すず:「なんで?」
祖母:なんでもじゃ。

祖母のイト(宮本信子)の家にいる時に、すず(松本穂香)を嫁に貰いたいとの連絡が突然、入る。
それを受け、頭が追いついていないすずにイトはこの話を話して聞かせた。
きょとんだったすずだが、周作(松坂桃李)との初めての夜に、なんとか約束を守ることができた。
このやりとり、気になった方も多かったのではないでしょうか。
調べてみました!

これは原作の方にもしっかり出てきているシーンで、どうやら広島ではこういったやりとりが受け継がれていたそう。
結婚初夜を迎える二人に、直接的な言葉を言わせるということをせずに、同意を得る定型文のようなもののようです。
その時に初めて二人が顔を合わすような時代でもあったようなので、緊張しすぎたりせず、場や空気をほぐすような意味もあったのでしょうか。
しかし実際は周作は本当にその傘を使って外にある柿?を取ってきてくれましたね。
これは柿の木問答とも言われていて、柿の木を使ったやりとりもあるそうです。
「お前のとこ(故郷に)柿の木はあるかい?」
「あるよ。」
「よう実がなるか?」
「いっぱいなりよる。」
「わしが登ってちぎってもええか?」
「ええよ。」
ってな感じだそうです。
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自分としては勿論、この通りの意味もあるのでしょうけど、柿を取って来たのは優しさなのかなって思いました。
遠い場所にいきなり連れて来られて、こっちの都合で結婚することになって、身より一人いなくなった孤独と緊張の面持ちのすずを、少しでも気持ちを楽にしてやりたかった、周作の計らいかな、と。
これも含めて定型なのかな??
でもなんだかこういうやり取りは良いですねぇ。
これぞ日本の良さって気がします。
海外の習わしとか言い回しとか知らないですが、奥ゆかしさとか恥じらいとか、日本の良さ、言葉のよさって感じがしますね。
なにより周作が誠実そうな真面目そうなやつで良かった!
それにしてもこんなにも結婚が怖い時代があったのですね。
ほぼ幼児期の出来事、「人さらい」と変わらないじゃないですか!
親が赦してくれたって結婚するのは「自分」なのに!自分は相手を知らないし、する気もないのに!
こんな時代があったのですねぇ。
今でもあるところにはあるのでしょうけど。
ほとんど「運」じゃないですか。
しかも故郷を捨てて、何も分からないまま異国のような場所にやって来て、義姉に尾野真千子がいたら、間違いなく心折れるわ~(笑)