監獄のお姫さま

『監獄のお姫さま』第4話・菅野美穂の思い出の遊園地はどこ!!?【ロケ地・ネタバレ】

『監獄のお姫さま』第4話で登場!財テク・勝田千夏(菅野美穂)の幼少期の思い出の場所・レジャーランドはここだった!!千夏の過去・生い立ちも判明!!劇中登場映画は「バック・トゥ・ザ・フューチャー」!!

 

『監獄のお姫さま』第4話すっごく良かったです!
特に財テクブスこと勝田千夏(菅野美穂)回、素晴らしかった。
千夏の背負っている苦悩が苦しいほどに伝わりました。
普段すっごくくだらねぇ~って感じなのに、急にぐっと心を掴まれるから、クドカンはやっぱりすごい!
普通に誰も突っ込まずに中身のない会話をして、雑なやり取りと時間を過ごして、からの、人には見せない、普段は奥にしまってある心の核心をついてくる、全ての些細な行動が振り切ったはずの過去を思い出させたりする。この緩急やられてしまいますね。苦しくて、泣ける回でしたよ。
そこでその勝田千夏回のネックになったのが、幼少の頃の家族の思い出の場所・遊園地でした。

埼玉県川越市にあります丸広百貨店わんぱくランド!!
番組最後の提供から探しました。
百貨店の屋上と言えば遊園地ですよね。今はもう数少ないのでしょうか。
過去のお話でしたからね。
でもここ、埼玉県川越市の丸広さんなら今も健在のようで嬉しいですよね。
百貨店と言えば屋上遊園地、これ常識でした!

財テクブス・勝田千夏(菅野美穂)の過去とは!!

勝田千夏の家はちょっとした群馬の会社を経営していた。
千夏は拘束されている板橋吾郎(伊勢谷友介)に話し始める。
使い捨てカイロとか使い捨てカメラを製造販売する小さくて地味な会社の、(私も江戸川しのぶのように)社長の娘だったの、と。
過去の回想で遊園地を楽しむ勝田家族が映る。
「羽振りの良い時もあって、クリスマスイヴに小さな遊園地をパパが貸し切りにしてくれたの。嬉しかった。」
父は欲をかいて事業を拡大しようとした。でも、時代を読む才能がなかったのね。バブルに乗り損ねた父は半年後に蒸発、自宅を担保に、億単位の借金を抱え、母は女手一つで私たちを育ててくれました。食事はもっぱらスーパーの試食コーナー。
「なんかスカッとジャパンみたいですね」、と同じく拘束されている長谷川(アニ)検事(塚本高史)。
「とにかく金!金、金がないと心も見た目も腐る一方!骨身にしみて学んだわ。高校生でクラスメイト相手に高利貸し始めて、二十歳で財テクタレントになった経緯は「勝田千夏のブスでも貯まった」に書いてある通り!」
ここで場面は変わり、6年前の監獄時代へと変わる。
第一土曜日は映画鑑賞の日で、みんなで『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を見ている。
面会だと馬場カヨ(小泉今日子)から声を掛けられる千夏。行ってみると、そこには父の姿が。

父と向かい合い、座った千夏は嫌そうに口を開く。
「いまさらなによ、こんなところまで追いかけて来て」
父は言う。
「父さん感謝してるよ、お前の会社の役員にして貰ったおかげで、月々給料までいただいて」
「挙句の果てに脱税で捕まって、刑務所なうだよ」、と千夏。
「すまん」
父は一人で話している。
「母さんと連絡は取り合ってるのか?」
「いくら貰ったの?雑誌記者に私のこと喋って。雑誌読めるんだよね刑務所の中でも。図書係だし。なんだっけ、自家用ジェット機とか?ホストクラブにウン千万とか、霊媒師とか?ハハハハハ、やめてよね、娘ネタにして小銭かせいで」
千夏の言葉に黙って煙草を取り出す父。ライターの火が付かない。
「それでも親?プライドないの?ここ禁煙!」
声を張り上げる千夏。
「…すまん」
「全額返しましたから借金。もう付きまとわないで」、と千夏。
「ダイエット食品の輸入とか買い付けとか始めたんだ」、と突然話し出す父。千夏は呆れるように息を吐く。打ち消すように頭を振っている。
「もういい。」
「サンプル送るからさ、お前のブログで紹介して…」
「もういいです!」
涙を溜めながらそう叫び、席を立ち上がる。

場面は変わり、食事を作っている作業中の千夏と馬場カヨ。
二人で話している途中に千夏は突然いう。
「もしタイムマシンがあったら、自分が生まれる前の時代に行きたいわ」
千夏は言う。
ここで面会の場面に引き戻され、父に振り返る千夏。
「そんで、お父さんとお母さんが絶対に出会わないように、先回りして邪魔してやるの。そしたら、私みたいなめんどくさい女、生まれてこないし、母さんも、…あんな死に方しなくて済んだと思うから…」

千夏は思い出していた。
目の前には今日の食事。「試食をお願いします!」
出されたメニューはナポリタン。千夏が検食を行う時間。
千夏は思い出していた。
昔、家族で行ったその遊園地の楽しかった思い出がよみがえる。嬉しかった事も、みんなの笑顔も、夜の景色も、その時食べたその味も。
美味しい!と言う自分を笑って撫でてくれた、父の手の感触も。
「よしよし、我が家のお姫さまはご機嫌だ、ハハハハ」
父は笑ってそう言った。
千夏は思い出していた。
あの時と同じ、ナポリタンを食べた千夏は「そうでもないか」、と呟く。
「出会えてよかったよね」
それを聞いた馬場カヨはさっき見た映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』の事を思い出し、みんなと話をしている。
涙を瞳に貯めた千夏は、一つ大きな伸びをして、また仕事に向かった。

いやぁ、良い回でした。
これまでの流れで『監獄のお姫さま』はヨーグルト姫(夏帆)のことなんだろうなって思っていましたけど、今回の千夏回で気付きました。
女性は誰でも「お姫さま」なんだよなぁって。だから『監獄のお姫さま』はそれぞれみんななのかなって。それぞれが主役なんだなって。
お父さんが「我が家のお姫さま」だって言ってくれることがどれだけ嬉しかったか、千夏はちゃんと覚えていて、また支えにしてきたのではないでしょうか。それだけは確かなことで、それまでなかった事にはできないって、愛されていた記憶を失ってしまいたくはない、と千夏は思ったのでしょうね。だからやっぱり父と母は「出会えてよかった」のかもしれない、と。少しだけだけど、そう思ったのでしょう。
苦しくて辛くて痛いけど、女はつくづく強いなって思えた回でした。

その後の姫とのシーンも良かったです。
姫がお腹の子を守るためにここ(刑務所)に来たと話すシーン。
大事な人に裏切られて利用されて、こんな(無罪なのに犯罪者)にさせられて、それでもまだピュアで、人を恨んだりねたんだり、ズルをしたりなんて微塵もせずに、犯罪者の仲間たちにまだ尚、嘘をついてごめんなさい、と頭を下げたり、感謝の気持ちを素直に伝える。ただ純粋にお腹の子を守りたい、と愛情いっぱいにあふれている姫を見て、千夏は言いました。
「あんたって、ホントにお姫さまだよね」
自分のねじ曲がっちゃった「我が家のお姫様」なんかとは質が違う、選ばれた姫。千夏との対比が切なくて、良かった。
クドカンすごいです!!次回も絶対見なきゃ!!