『陸王』アリムラスポーツ店の有村が解説した走法の種類「ヒール走法」「ミッドフット走法」とは!!どう違う??
「こはぜ屋」と懇意にしてくれる若き銀行員・坂本(風間俊介)の紹介で出会ったアリムラスポーツ用品店の当主・有村融(光石研)。
そこで宮沢紘一(役所広司)は「走る」ということを知り、ランニング足袋シューズ作りの光を掴む。
今日のロケは「有村スポーツショップ」
そしてそこのオーナー有村役は光石研さんです❗
本日クランクインでした。#陸王 #役所広司 #光石研 pic.twitter.com/BmPmGRs8wf— TBS「陸王」第2話 明後日よる9時☀️ (@rikuou_tbs) 2017年9月20日
ここでの有村の言葉を完全再現してみたいと思います!
アトランティス社のR-Ⅱが一面に並ぶ店内で有村は語り始める。向かい合って座る宮沢、坂本。
「最近のランニングブームはご存知ですか?実はそれに伴って最近、足を怪我する人が増加しているんです。それは単に総数に比例したわけではなく、別の理由があると私は考えています。」
一つの靴を持ち出し、宮沢達に見せる。
「ソール、つまり靴底です。」
続いてテーブルの上のパソコンを開き始める。
「今、流行のシューズはかかとのソールがぶ厚くて必然的にかかとから着地をする「ヒール着地」という走法になります。」
パソコン画面にはヒール走法の映像が映し出される。
「しかし、これだとひざを痛めやすい。」
神妙に聞く宮沢。
「一方、足の中央付近で着地をする「ミッドフット着地」という走法は足への衝撃が吸収され、エネルギーのロスも減る。実はこれこそが人間本来の走り方なんです。」、と有村は言う。
「人間本来?」
有村は頷く。
「20万年前、我々の祖先であるホモ・サピエンスが誕生しました。近年の研究で分かった事なんですが時期を同じくして、ホモ・ネアンデルターレンシス、ホモ・フロレシエンシスという全く違う2種類のヒトも、この地球上に生存してたんです。ところがその2種類のヒトは滅び、この地球上に生き残ったのは我々の祖先であるホモ・サピエンスただ1種類のみです。なぜだと思います?」
頭をひねる宮沢、坂本
「それが走りと関係しているんですか?」、と坂本が訊ねる。
「その通りです。ただ走るだけだったら他の種類のヒトも出来たでしょう。しかし彼らはおそらく短距離しか走ることが出来なかったと考えられています。一方ホモ・サピエンスは長距離を走ることが出来た。それによって長い時間狩りを続け、獲物を追い詰めることが出来、生き残ったんです。そしてその走法こそが「ミッドフット着地」だと言われています。」
「その走法のおかげで今の我々が存在するということですか」
「ちょっと大げさかもしれませんが、走りの歴史は人類そのものの歴史なんです。そしてここからが大事なとこなんですが、」
ノートを取り始める宮沢紘一。
「その安全かつ効率的なミッドフット着地走法は、そこの薄い靴を履くことで習得できるんです。例えば足袋のような。」
反応する宮沢。
「今のところそこまで薄いソールのランニングシューズはありません。もしマラソン足袋が完成したら、人類本来の走りを可能にするもんなんです。」
「まいった…」
宮沢は呟く。
「走ることや、マラソンシューズがそこまで奥深いものとは…」
そして有村のすすめで宮沢は実際のマラソンを見に行くことになる。
雰囲気も分かるし、新製品のイメージも湧きやすいだろう、と有村は話す。
といった感じの説明でした。
セリフ全文での再現でした。
この後、国際マラソンの終盤、残り2km付近で期待の注目選手・茂木裕人(竹内涼真)は派手に大きく転倒してしまいます。
ソールの分厚い「R-Ⅱ」を履いていた茂木は顔を歪めながら足を引きずり、地面に這いつくばりながら、道を進もうとします。
係員に、仲間に取り押さえられてもなお、まだいける、とまだ走れる、と叫んでいます。
希望が崩れ落ちる瞬間を見た宮沢。有村の言葉を思い出していた。
「かかとの部分がぶ厚くて、これだとひざを痛めやすい。ミッドフット着地はそこの薄い靴を履くことで習得できる。例えば、足袋のような。」
そして宮沢は大地へ言います。
「父さん、ランニングシューズを作ってみようと思う。」
「はっ、何言ってんだよ、そんなこと簡単にできるわけないだろ」
「おお、分かってる。でも、やってみようと思う」
こうして「こはぜ屋」一世一代のランニングシューズ造りが始まるのだった。