コウノドリ

『コウノドリ2』シリーズ2・第1話の感想あらすじをまるっとおさらい!完全ネタバレ有り!!

志田未来がゲスト出演した『コウノドリ2(2017)』シーズン2・第1話を完全ネタバレでおさらい!!

#1.赤ちゃんは未来 生まれること、そして生きること

鴻鳥サクラ(綾野剛)の心:出産は奇跡だ。

海の向こうの、ある島でピアノを弾いているサクラ。
たくさんの子供達がその音色に聴き入っている。

一方、ペルソナ総合医療センターの、ある病室。
今まさにいきんでいる分娩中の妊婦。
ベテラン助産師の小松(吉田羊)と産科医・下屋加江(松岡茉優)があたっている。
「あ~、ちょっと赤ちゃん苦しそうだねぇ、下屋先生、鴻鳥先生呼んで!」
小松の言葉に返事をする下屋。
「はい!あ、…」
「…あ…」
「大丈夫です、私やれます!もう研修医じゃありませんから」
サクラの心:小さな命が生まれること。それは当たり前のことじゃない。

サクラのピアノに聴き入る子供達。
そんな子供たちを見守るはずの教員・久松ユリ(安藤輪子)が大きなお腹を抱えて苦しみだす。
慌てて立ちあがるサクラ。

海沿いの町を自転車で走り抜けていく男性医師。
背中の文字にはOKUNOSHIMA HOSPITAL。
町内のお年寄りなどに声を掛けられるも、道を急ぐ。
自転車が入って行ったのは隠久ノ島病院。
「荻島先生!」
玄関でサクラが待ち構えていると、自転車を降りた男性医師が息を切らして入って来る。
血圧は、と荻島が問う。
上が150、下が90です、とサクラ。
「前置胎盤の次は妊娠高血圧症か」
隠久ノ島病院院長・荻島勝秀(佐々木蔵之介)は言う。
様子を見るのか問うサクラに、うちにできる事には限りがある、と荻島は返す。
「この島で何かあったら、海を越えなきゃならないからな」
ここは四方を海で取り囲まれた小さな島だった。

「え?これからヘリで本土に搬送?」
学校で倒れた久松ユリは隠久ノ島病院のベッドの上にいた。
付き添いの夫・明人(毎熊克哉)が声を上げる。
「今がとても悪いというわけじゃない、でも念のために、早く本土に渡って分娩した方が安心だ」
荻島は言う。
「今回は島で赤ちゃん産めると思ったのにな」、と呟くユリ。
航太は俺と明人くんでしっかり見とくけん、心配するな、とユリの父が声を掛ける。
「お父ちゃん、ありがとう。」
30分くらいでヘリが来るから待っててな、と優しく声を掛ける荻島。
そこへ看護師の上村が慌てて駆け込んできた。
「先生!未受診の妊婦さんが受付に…」
顔を見合わせる荻島とサクラ。
痛みで悶える若い女性・ミズキ。
看護師の上村にしがみついている。
付き添いのミズキの祖母が心配そうに見ている。
荻島は腹部エコーを見ている。
「赤ちゃんができたら、きちんと健診受けんと赤ちゃんだけじゃない、あんたの命も危ないのよ」、と上村。
「ミズキ、なしてあんた隠しとったかね」
祖母の言葉にも、顔を伏せたままのミズキ。サクラが声を掛ける。
「誰にも言えなくて、苦しかったね。」
その言葉にミズキはサクラの方を見る。
「もう大丈夫だよ。」
その言葉にミズキは声を上げて号泣し始める。

「おそらく27週か…」
赤ちゃんの大きさを見ながら荻島は言う。
「子宮収縮は10分おきで出血もしています。抑制を開始しましたが分娩は避けられないと思います。」

搬送を変わって欲しいと頼みに久松家のベッドを訪れる荻島。
どういうことなのか、と声を荒げて不快感を示す夫・明人。
「27週の妊婦さんが来たんだ。出血していて、今日中に生まれる可能性が高い。けど、うちには早産で生まれた赤ちゃんに対応する設備がない。」
向かってくる明人をユリの父が制する。
「荻島先生がこっちの赤ん坊はどうでもいいなんて、思う訳ないだろう。」
「先生、その子を先に載せてあげて」、とユリも口を開く。
「大丈夫、私は今元気だし」
そう言って笑うと、安心したように荻島は未受診妊婦の手配をする。
ヘリが無事に飛び立ち、見送った荻島とサクラのもとにすぐに電話が。
久松ユリが子癇発作を起こしていた。
バイタルは?
「230の120です。」
「ルートもう1本取って採血して、ジアゼパム5ミリ!」、荻島が声を上げる。
「子宮左側に押しあげて!」、とサクラも処置に当たる。

一方、ペルソナ総合医療センター。救急からの電話を受けている看護師。
「緊急搬送、胎盤早期剥離の疑い、あ、今、先生が…」
その受話器を横から取り、産科医・四宮春樹(星野源)が答える。
「うちで受け入れます。すぐに搬送してください。」
四宮が看護師に声を掛ける。
「早剥は時間との勝負だ。」

隠久ノ島病院。落ち着いて眠っている久松ユリ。
看護師の上村がずっとユリの左腹を持ち上げている。
「HELLP症候群?なんですか、それ」、とユリの夫・明人。
荻島は答える。
「妊娠高血圧症候群の患者さんに多く発生する重い症状です。」
サクラも説明する。
「今後、母体の出血が止まりにくくなったり、胎盤早期剝離などを起こす可能性があります。」
「早くお産しないとユリちゃんも赤ちゃんも、危ない状態なんです」、と荻島。
しかしさっき出たばかりのヘリがここへ戻るのには一時間はかかってしまう。
「間に合わない、今すぐここでカイザーするべきです」、とサクラ。
「もしも今、早剥でも起これば赤ちゃんは助からないかもしれません。血小板もこれ以上下がれば、手術そのものが…」
「ここで手術は出来ない」
サクラの言葉を遮る荻島。
「血液製剤が足りない。充分な血液製剤なしに、大量出血の可能性のある百合ちゃんを手術するのは危険だ。」
その時、左腹を押さえている看護師・上村が声を張り上げる。
「赤ちゃんの心拍下がってます!60台から回復しません!」
サクラはゆっくりと荻島に言う。
「荻島先生、やりましょう。今、僕らができる最大限の事を考えませんか?」
サクラをじっと見つめる荻島。ユリと目を合わせる。
赤ちゃんの心拍の画面を見詰める。そして荻島はゆっくりと口を開く。
「AB型の職員に声を掛けよう」
ユリの父は、AB型じゃないんだ、だけん周りのみんなに声かけて来る!と大急ぎで部屋を出て行く。
「俺1人じゃ出来なかった。けど、お前がいる。ユリちゃんも、赤ちゃんも助けるぞ!」
「はい!」サクラは力強く返事を返す。

荻島とサクラによる緊急帝王切開が始まる。
「ユリさん、おなかの赤ちゃん頑張ってます。一緒に頑張りましょうね。」
戸惑うユリ。
微笑んで穏やかにそう声を掛けるサクラ。
頷く手術台の上のユリ。
同時にペルソナ総合医療センターでも胎盤早期剥離による緊急帝王切開術に四宮と下屋が取り組んでいた。
迅速に赤ちゃんは生まれ、小さな産声が響き渡る。
安堵する新生児科医たち。
一方、隠久ノ島病院の別の部屋では血液を分けてくれるために集まった島民たちで溢れている。
「子宮が異常収縮してるな」、と荻島。
「大丈夫です、ニトロ1筒IV」、とサクラ。
赤ちゃん出るよ!そう叫ぶサクラに続いておめでとうの言葉が飛ぶ手術室。
顔をほころばせるユリ。
しかしサクラは小さく呟いた。
「泣かない…」
赤ちゃんの治療に当たるサクラ。
「頑張れ、頑張れ、」
そしてとうとう赤ちゃんの小さな産声が誕生する。
「泣いたぁ…」
サクラの心:出産は奇跡だ。命が命を紡ぎ、育んでいくこと。その温かさが僕たちの未来をつくっていく。
生まれた赤ちゃんがユリの隣にやって来る。嬉しそうな笑顔で赤ちゃんを見ている。
「ユリちゃん、おめでとう」
荻島が声を掛ける。
ようこそ、この世界に。生まれてきて、おめでとう。

金曜ドラマコウノドリ タイトル
#1.赤ちゃんは未来 生まれること、そして生きること

小児科の診察室。
2歳を迎えたという森口夫妻(奥貫薫・戸田昌宏)がなおとを連れてやってきていた。
聴診器でなおとの胸の音を確認し、笑顔を見せる小児科医で周産期医療センター長の今橋(大森南朋)。
助産師の小松は妊婦さんのためのヨガで指導をしている。
ナースステーションに戻って来る下屋。
ドクターたちの勤務表に鴻鳥の名前が外れているのを見ている。

一方、荻島の隣で、島での巡回診察をしているサクラ。
たくさんの老人たちが健診を受けに来ている。
「離島で医者が必要とされる一番の理由は、死亡診断書を書くことだ。」
海を眺められる場所へ出る荻島とサクラ。
「でも俺はそのためにここで医者をやってるわけじゃない。いやぁ、本当にお前が来てくれて助かったよ」
荻島は続ける。
「頼んだ手術だけじゃなくて緊急のカイザーまで。悪かったな。」
サクラの顔をじっと見る荻島は口を開く。
「俺が来る前、この島は子供が産めない島って呼ばれてたんだよ。島に1軒あった産科が閉めちまってな、どんどん子供の数が減ってった。俺がやらなきゃ誰がやる!な~んて事は思ってないんだよなぁ~」
「え~?」、と笑うサクラ。
「俺は単純に、この島とこの島の人たちが好きなんだよ。だからこの島で生まれる赤ちゃんから、この島でなくなる老人をみとるまで関わって行きたいと思ってる。そんな欲張りな医者がいてもいいだろう」
笑う2人。
「それにな、鴻鳥。子どもが産めるってことは…」
「未来のある場所だから!」
サクラは答える。
「人のセリフを取るんじゃないよ!」
じゃれ合う2人。「帰るのやめるか?」
「え?」

ペルソナ総合医療センターへ、手荷物片手に出勤してくるサクラ。
事務所にいた四宮が話し出す。
「相変わらず夢みたいなこと言ってるんだな、荻島先生は。設備の整わない人員不足の病院でリスクを抱えてお産をすることが未来をつくるとは思わない。まぁ、少しは気分が変わったか?」
「え?」
「産科医1人にできる事なんて限られてる。背負い過ぎるな、サクラ。」
「………」

ペルソナ産婦人科の待合室。座って足の上に置いた鞄の上にパソコンを出し、打ち込んでいる一人の妊婦・佐野彩加(高橋メアリージュン)。
「早見さん、早見マナさ~ん」
看護師の言葉に気付き、妊婦が現れない事に佐野は気付く。
すると横に並んで座っている夫婦が目に留まる。
持っている母子手帳には「早見マナ」。
「早見さん?あの~、呼ばれてますよ」
と声を掛ける佐野。気付いた早見マナは佐野の方を向いてきょとんとしている。
そこへメディカルソーシャルワーカーの向井(江口のりこ)がマナの肩を叩き、手話をする。
「早見さん、順番きました、行きましょう。」
立ちあがったマナは佐野に手話でお礼を伝え、部屋に入って行った。
「早見マナさん、妊娠34週。」
名前を読み上げる担当医・サクラ。
隣で向井が手話で伝えている。
夫・健治(泉澤祐希)の転勤に伴い、ペルソナに通うことに。
手話で挨拶をする健治。挨拶を返すサクラや小松。
「マナさんも健治さんも、音は全く聞き取ることが出来ません。唇は読めますが医療用語までは難しいかと、私も手話は簡単なものしか出来ないので、通訳が必要な時は役所に手配するか…」
その手話を見ていたマナは手招きでサクラを呼び、書いて用意してあった自分のノートを見せる。
【大切なことなので、出来る限り自分で先生とお話したいです。】
サクラもそれを受け、近くの紙に書き始める。
【筆談で話しましょう】
笑顔になるマナ。
パソコンの画面に向き直り、じゃあエコー見ましょうか、と言うサクラ。
それを見ていたマナはサクラを手招きで呼ぶ。
〈こっちを見てください〉
手話で伝える。
「あっ!あっ、ごめんなさいっ」
慌ててサクラは身振り手振りで伝える。
微笑んでいる早見夫妻。
大きくゆっくり口を動かし、エコーで赤ちゃんの目や口の位置を教えるサクラや小松。
夫の健治も頷いて聞いている。

産科医の四宮の担当患者・佐野彩加。エコーを見ている。
四宮の表情が曇る。佐野は自分の仕事のことばかりを話している。
「エコーで診た結果、佐野さんの赤ちゃんは心室中隔欠損の可能性があります。」
エコーの写真を見せて説明をする。
「心臓の右心室と左心室の間にある壁に通常にはない穴が開いている病気です。」
「心臓に穴!?」
「見たところ3~4ミリ程度の小さなものです。心室中隔欠損は最も多い生まれつきの心臓病です。赤ちゃんの100人に1人くらいの割合で発生するよくある疾患です。そのまま自然と穴が塞がることもありますし、塞がらなくても手術で治せますから。」
呆然としている佐野。
暗くなってから佐野の夫がペルソナに駆け込んでくる。
2人で四宮から改めて「心室中隔欠損」についての話を聞く。
今橋も同席し、4人でテーブルを囲む。
「この心臓の心室のしきりに隙間が空いている疾患です。佐野さんの赤ちゃんの心臓の穴の大きさはとても小さいです。妊娠中、もしくは出産後に自然閉鎖する可能性もあり、」
四宮の話を遮ってネットで調べた症状などをまくしたてる彩加。
「佐野さん、赤ちゃんは一人一人違いますからね。お二人の赤ちゃんの情報はネットの中にはありません。」と今橋は答える。
「大丈夫だよ、彩加。俺も手伝うから」、と声を掛ける夫。
浮かない表情の彩加。それをじっと見ている四宮。

夜、事務所の机に向かっているサクラ。
一枚の手紙を取り出す。


―――鴻鳥先生へ

この度は本当にありがとうございました。
私は喘息だったので妊娠中は毎日不安でした。
でも先生や助産師さんに話を聞いてもらい、だいぶ不安もなくなりました。
鴻鳥先生には迷惑ばかりかけたけどこの子を絶対幸せにします。
そうしたら、チャラかなって思ってます。
私は今、最高に幸せです♡
鴻鳥先生、本当にありがとうございました!
三浦芽美―――

 

手紙を読みながら、この女性が出産したときのことを思い出している。
嬉しそうに幸せそうに、愛おしそうに赤ちゃんを見ていたその女性の表情を。

一方、早見マナの家。
スマホでネット検索をしているマナ。キッチンには夫の健治。
「胎教の新定番!BABYって何者?」というページに入り、演奏の映像をスタートさせるマナ。
ある一人の男性がピアノを弾いている映像だった。
その時、マナのお腹で赤ちゃんが元気に動く。
胎動を感じたマナは笑顔になる。
マナはサクラの診察に一人で来ている。
持参したホワイトボードに言葉をかく。
【先生、BABYっていうピアニスト ですか?】
咳き込むサクラ。
気付いたマナが書き直す。
【先生、BABYっていうピアニストご存知ですか?】
顔を見合わせるサクラと小松。
【BABYのピアノを聴くとお腹の赤ちゃんがすごく動いてくれて嬉しいんです。】
聴こえないため、興味がなかったという音楽を赤ちゃんが私に教えてくれたのだ、とマナは伝える。

カンファレンス。
下屋が言う。
「音楽を聴いて赤ちゃんが動いたってことは赤ちゃんには音が聞こえてるってことですよね?」
「その判断は聴覚スクリーニング検査まで待ちましょう」、と今橋。
マナ自身が検査を受けておらず、聴覚障害の発見が遅れたのだと向井は説明する。
「早期に発見ができれば、早くから言葉の勉強ができるし、コミュニケーションの力も上がりますよね」、と新生児科医の白川(坂口健太郎)。
その後、議題は佐野彩加へ。
淡々と説明し、早々に報告を終える四宮をじっと見ているサクラ。
サクラの目線の先に気付く今橋。

家で1人「心室中隔欠損」について調べている彩加。
カンファレンスが終わり、散っていくドクターたち。
向井に声を掛ける今橋。お産の後もしっかり様子を見ててほしいという。
「佐野さん、仕事復帰の事で悩まれているんでしたっけ」
「大きなプロジェクトの責任者だったらしい」
一緒にいた下屋が口を挟む。
「でも今は、仕事のことよりももう少し赤ちゃんの事優先して考えてあげればいいのに」
「下屋先生」、と今橋は顔を向ける。
「今まで一生懸命頑張ってきた彼女に、それを言うのは酷じゃないかな」
「すみません」
「病気の重さと患者さんが抱える心の重さは必ずしも一致しないからね」

 

BABYのライブが行われるライブバーにやってくる早見夫妻。
演奏が始まる。BABYを見詰めているマナと健治。
その時、佐野彩加の分娩が始まっていた。夫が手を握っている。
元気な産声が響き渡る。
サクラの心:赤ちゃんが生まれるのは奇跡だ。命を懸けて新しい命が生まれること、それはとても幸せな奇跡だと思う。だけど、その後には現実が続いていく。
BABYのピアノを聴いていたマナのおなかの赤ちゃんが反応して動く。
それを笑顔で健治に伝える。健治はマナのお腹に手を置く。
BABYは弾きながら早見夫妻に気付く。そして優しく微笑む。マナも笑顔になる。

 

出産を終え、新生児科で佐野彩加の赤ちゃんに心臓エコーをする白川と今橋。
映像を見て顔を見合わせる。
「やはり、エコーの結果、5ミリ弱の欠損が見られます。ですが、それ以外は本当に元気です。」
表情が変わる彩加。手術は赤ちゃんの成長を待ってから、と四宮が伝える。
「心臓に穴が開いてるのに連れて帰るんですか?2人でいる自信ない…」、と彩加が言うと夫が声を掛ける。
「大丈夫だよ、彩加。俺も手伝うから」、と。
呆然とする彩加。四宮が口を開く。
「何言ってるんだ」
「え?」
「手伝う、じゃないだろ。あんたの子供だよ。」

 

ある日、買物中だった早見マナ。お腹が痛み出し、しゃがみ込む。
そして破水。
家にはマナに電話をかけている夫の健治が。
家のテーブルの上で震えているマナのスマホに気付く。
自分の鞄を漁るマナ。スマホが見付けられない。
そこへ通り掛かったある一人の男性・赤西(宮沢氷魚)。
大丈夫ですか、と声を掛ける。しかし相手の女性は手を動かしてはいるが声を出さない。
戸惑っている男性にマナは自分の母子手帳を見せた。
救急車が到着。不安そうな表情のマナが運ばれてきた。
一生懸命に話しかける小松の口を、マナは痛みに耐えながらも懸命に読み取ろうとしている。
「バイタルは安定しています、陣痛は不規則です。」
行きましょう、とサクラ。
大丈夫ですよ、ご主人も来てください、と看護師に言われる通りがかりの赤西。
両手にマナの荷物を抱えて戸惑っている。

ベッドに寝かされるマナ。
「赤ちゃんもまだ下がってないし、張りも不規則ですが、早めに入院しましょう」
サクラは口を大きく動かし、マナに伝える。
不安そうにしているマナに、変顔をして笑わせ、「大丈夫、赤ちゃん元気ですよ」とサクラは微笑みを見せる。
しかしマナは浮かない表情。
ホワイトボードに書きだす。
【怖い】、と。
僕たちがついてますから、とサクラが言うも、首を振るマナ。
【産んだ後、怖い】
マナは続ける。
【母は反対 育てられるの? 2人とも聞こえない】

産後の彩加のむくみを診に来ている下屋。
不安に押しつぶされ泣き出す彩加。
妊娠が分かったときはすごく嬉しかったのに。
背中をさすってやる下屋。
仕事も皆に迷惑かけちゃうし、わがままだって。でも、どうしても…、彩加は涙をこぼしながら言う。
【どうしても、赤ちゃん欲しかった】
微笑んで頷くサクラ。
【出来る 頑張る 大丈夫 迷惑かけたくない けど 】
続きが書けないマナ。サクラはもう一つのホワイトボードを取り、書き始める。
【迷惑かけてもいいじゃない!】、と。
マナの頬に涙が流れ落ちる。
「分かるよ、不安だよね。でも一人じゃないから。僕たちはいつでもここにいるから。だから、一緒に頑張りましょ」
頷くマナ。
そこへ夫の健治が駆けつける。

看護師がナースステーションで、マナ用に言葉を描いたボードを作って整理している。
出産の際の指示や説明などをひと目で分かるように。
そんなナースステーションの小松の後ろに男が立っている。
マナの付き添いで一緒に救急車に乗っていた赤西だった。
「てか、あんた誰!?」
小松が訊くと、「あ、僕、ペルソナの研修医です。来週からここでお世話になります」、と赤西は答える。
その時、マナの病室からナースコールが。
「早見さんだ!研修医くん手伝って!」小松はそう言って颯爽と病室へ向かう。
混乱しながらも連れて行かれる赤西。
とうとう早見マナの分娩が始まる。
声で伝えられないため、イマイチ陣痛のタイミングが分からないままいきんでいるマナ。
赤ちゃんの心拍の戻りが悪く、苦しそうだという小松。
次のいきみのタイミングで吸引分娩をすると口元で伝えるサクラだが、マナにはよく分からない様子。
現場に手伝いに来ていた赤西が近くにあったホワイトボードに赤ちゃんが苦しそうなため吸引する、と急いでなぐり書き。
伝わったマナは大きく頷く。
「吸引のタイミングどうするんですか。合わせられませんよね?」
「うちらが一つになれば大丈夫、頑張るよ!」、と小松。
みんなが口々に出す言葉に合わせ、指示ボードを変えていく赤西。
産科医メンバー、メディカルソーシャルワーカー向井も手伝い、夫もみんなで行動で指示を示す。
周りの行動を見ながらマナも合わせていく。

 

佐野彩加の部屋を訪れる四宮。
夫は仕事へ行ってしまった、と彩加は言う。
椅子に座る四宮。
「四宮先生、私やっぱり怖いです。明日からこの子と二人きりでやって行けるのか」
なにかあったらいつでもいらして下さい、と四宮。

からだ全体での指導を受けながらいきみ続けるマナ。
思わず痛みで声が漏れるマナ。
「あーーーー」
その時赤ちゃんがようやく顔を出した。
抱きかかえられ、赤ちゃんは新生児科の医師たちの治療を受ける。
そして笑顔の看護師に抱えられ、マナのもとにやって来る。
しっかりと抱き締めるマナ。
「早見さん、赤ちゃんの産声、分かりますか?」
サクラが手話で伝える。
「おめでとうございまーーーーーーーーす!」
医師、看護師たち全員で、祝福の手話を全身で表現する。
「すごい…」と呟く汗びっしょりな赤西。
「うん、どのお母さんもみんなすごいよ」、と下屋。
その後、聴覚スクリーニング検査を受けるマナの赤ちゃん。
結果を伝える白川。
「新生児聴覚検査の結果からは、現時点ではお子さんの聴こえに問題はありません。」
白川たちに頭を下げ、顔を見合わす早見夫妻。
笑顔をこぼしている。
サクラの心:出産という奇跡の後には、現実が続いていく。赤ちゃんと一緒に現実を生きるのは、僕たちではない。家族だ。

 

佐野家の部屋。ベビーベッドで泣き続けている赤ちゃん。
振りかえりもせず、どこか遠くを見詰めている彩加。
赤ちゃんは泣き続けている。

 

テラスにいる下屋とサクラ。
「私、少し不安になりました。私もいつか赤ちゃんを産みたいと思うかもしれない。その時、私医師を続けられるのかなって。赤ちゃんを増やそうってみんな言ってるのに、どうしてこんなにお母さんが生きづらくなっていくのかなって。」
「みんな事情がある。赤ちゃんのいる人もいない人も、何かしらの不自由さを抱えてる。」

「僕たちが出来る事には限界がある。その時その時、お母さんに寄り添うことしか出来ないのかもしれない、だけど、それでも目を逸らしちゃいけない。みんなで乗り越えなきゃいけない事だと僕は思うんだ。赤ちゃんは未来だからね。」
「はい。」
その頃、病院の中にいた恵美が四宮に声を掛ける。
「お久し振りです。」
驚いたような表情をする四宮。

 

研修医としてお世話になるとみんなの前で挨拶をする赤西吾郎。
下屋が研修医出身で一番近い先輩だからね、と紹介される。
大澤医院長(浅野和之)が赤西産婦人科の跡取り息子だと話す。
それを聞いていた四宮が後ろからやって来て口を挟む。
「なんだ、ジュニアか」
慌てて四宮を注意する大澤。
「大丈夫です、僕産科医になるつもりはありませんから」
俯いている下屋。首を傾げる小松。
赤西に近寄り、名札を持ち上げて四宮が言う。
「まぁ、使えないのは分かってるけど、邪魔はするなよ、ジュニアくん。」
ピリピリムードな空気が漂う。
「はい!気にしない気にしない!産科医はいつも笑顔で、はい、スマーイル!」
小松が悪い空気を打ち消すように、赤西に近付き、ほっぺをつまむ。
「スマーイル、キープ!」
取り敢えず笑ってみる赤西。

 

三浦芽美からの手紙を取り出すサクラ。
芽美と最後に別れた場面を思い出している。
サクラの心:今の僕が、精一杯できることを。

 

健診に来ている妊婦の久保佐和子(土村芳)。
赤ちゃんは元気だが、子宮頸がんの細胞が出ている、と話すサクラ。
「え?…ガン?」
「はい。」
サクラはその女性を真っ直ぐ見詰めている。

第1話・終