『CRISIS(クライシス)』第8話の疑問・そもそも林(眞島秀和)が神の光教団のスパイだとなんでバレた??
林がスパイになったのは田丸のせいだった!!
特捜班の上司である警視庁警備局長の鍛冶大輝(長塚京三)の特捜班愛はすごいですよね。
一人一人をよく見ているし、よく分かっている。みんなどこだかの前職でトラブルを起こし、鍛冶に拾われたのだというようなことを樫井(野間口徹)が匂わせていましたが、一人一人の背景を知ったうえで引っ張って来ているのでしょうかね。
よく見てる、よく分かってる、相当のやり手です。
これで実は「悪側」でしたとか聞きたくないなぁ。
田丸は女に甘い、鍛冶がそう話した今回の第8話は田丸(西島秀俊)回でした。
鍛冶は直属部下の、警視庁公安総務課長の青沼(飯田基祐)に、田丸の指示のもとにある林についての話をしました。
新興宗教団体・神の光教団にスパイに入っている公安の協力者・林智史(眞島秀和)が引き起こす今回の事件について。
「この世界で起こる事の大半は目に見えないものがきっかけで始まって、終わる。」
鍛冶は言いました。因果ってやつだ。人間の業と置き換えてもいいだろう、と。
神の光教団のスパイ、林の妻・林千種(石田ゆり子)と特捜班の田丸の仲にも感づいていて、その上で田丸のアキレス腱だ、と。
青沼も千種との件は気付いていたが、本人が関係ない、と言い切る以上、それ以上は尋ねたりしませんでした。
しかし鍛冶はもっと先を、奥を、見抜いていました。千種の思惑すらも。やり手ですよね。
そもそも公安でもない人間(林)がなんで潜入捜査に?って不思議に思いましたよね。
なんと公安の田丸に説得されて林はスパイになった、ということが判明しました。
林と落ち合った田丸。二人はあるお店のトイレで顔を前に向けたまま、目も合わせず会話をします。
毎日いろいろな人をだましていくうちに本当の自分の顔が分からなくなった、と林は田丸に言いました。
鏡を見ても他人の顔を見ているようなんだ、と。
のちの、田丸が稲見朗(小栗旬)に、林との事を話すシーンで詳細は明らかになります。田丸は話し出します。
「林は協力者に仕立てるには格好の男だった。父親の作った借金の保証人だったせいで首が回らなくなって、会社の金を使い込んでいた。それに、美しい妻とも不仲だった。獲得工作を始めた当初は在家の信者だったが、俺が言葉巧みに接近して信頼関係をつくったあと、弱みを利用して脅し、なだめ、安心させ、出家の信者として教団内部に潜り込ませた」
田丸は言います。
教団は国家にとっては脅威で、自分は正しい事をしてるつもりだった。だが実際はただ躍起になってただけで、国家のためと大義名分を背負って、弱い立場の人間を利用することになんの疑いも持たないよう、自分を騙してた。いや、そんなのは全て見栄えのいい言い訳で、本当は美しい妻に心を奪われたせいかもしれない。工作のためと体裁を整えれば罪悪感を感じずに彼女に会える、林がいなくなれば、いつか彼女の心が夫から離れ、俺に寄り添う時が来るはずだ、そう思って、林を闇の奥へと送り込んでしまったのかもしれない。
「俺の心が俺の信念を裏切ったんだ」
それを聞いた稲見は控えめに笑う。
「田丸さんが人間らしくてほっとしたから」
田丸は結んだ。
「林も俺も結局は組織の駒でしかない、利用価値のなくなった駒は捨てられる運命だ。ただ、駒にだって意地はある」
教団側はスパイだった林を拷問。そもそもなんで林がスパイだとバレたか!?
それは林の妻・千種が教団に林の事を密告したからだった。
なぜそんなことをしたのか、それは田丸への愛だ。自分(千種)の幸せのためだった。
それを鍛冶は見抜いていて、「因果だ」と言った。
もうスパイを辞めたいと田丸に話していた林。妻のもとに帰りたいと。教団から脱走します、私と妻を保護してください、と。
しかしその妻は、田丸を求めていた。
スパイなどと分かったら命すら危なくなる状況だと分かるはずなのに、千種はその場へと夫を差し出したのだった。
一連の流れはこう。
林は神の光教団の教祖の部屋を盗聴しており、普段から色々な情報を盗み聞いていた。
そしてある日、テロが予定されている事を知る。
それは「岡本文部科学大臣」を狙ったテロ。
身元は判明していないが、実行犯は一人、自爆テロをももくろんでいる可能性がある、とのこと。
テロ実行日、特捜班が文部科学大臣を見張っていると、怪しい男が大臣に近付いていく。
慌てて捕まえる田丸と稲見。しかしその男の手荷物の中には何も入ってはいなかった。
田丸はここで気付く。このテロ計画は罠だった、と。
この頃、神の光教団では林が、教団員たちに拷問を受けていた。
テロという嘘の情報を聞いて、見張りを増やし、文部科学大臣を助けに動いたのが警察の人間たちだったことから、神の光教団は内部に、警察と繋がっているスパイがいる事に気付く。というか、田丸の話では教団が公安の監視対象になっている事は教団側も知っているとの事で、すぐには大きな動きは見せないだろうとの事でしたが。
警察の目をわざと教団から外すために嘘のテロを実行した。
そして、スパイをあぶりだすための嘘のテロ情報をわざと林に聞かせていたのだった。
そしてなぜ林だと分かったのかというと、千種による密告だった。
千種はずっと田丸に言い寄っていた。「いつまでも私を守って」
上司の青沼はテロが嘘だったのなら、もうヘタに動く必要はない、という。
林を見殺しにする恐れがあると怒りを見せる田丸だったが、青沼の意向は変わらない。
その後、稲見に林との話を聞かせる。
そののち、千種に会いに行き、教団側に林の事を密告したことを問う田丸。千種は声を上げる。
「お金や国家のためだからとか言って、私を2年以上もほったらかしにして出て行った人と、どうしてまた一緒に暮らせると思う?私はあの牢獄のような家で、人質のように暮らさなければならなかったのよ」
田丸は私の責任だ、と目を合わさずに話す。
「人は他人に説得なんかされない、そのように見せかけて本当は、自分の進みたい道に進んでるだけよ、あの人は私と一緒に暮らしたくなかったのよ。あの人の事はもう放っておいて、自分の進んでいった道の先に今の結果があっただけなのよ。私が欲しくないの?」
激しく動揺する田丸。
「私と一緒に暮らしましょ」
頭を抱える田丸。「私の心があなたを惑わしてしまった、あなたを別の人間に変えてしまった」
「違う、他人にそんな力はないわ、私は最初からこんな人間だったのよ!」
その後、退職願を吉永班長(田中哲司)の席に出し、神の光教団に一人、林を奪い返しに向かう田丸。
夜になるのを待って、教団建物の前に立つ田丸。するとそこには特捜班の面々が。
私たち、チームでしょ?と大山玲(新木優子)。
稲見は田丸の隣に立って、言う。
「楽しい事はみんなで分かち合いましょうよ」
そして神の光教団150人と特捜班5人の壮絶バトルへ!!
という展開でした。
こうして無事、瀕死の林を助け出した特捜班の面々。
よくやった、これからも目に見えないものに目を配るんだぞ、と青沼にご機嫌に話す鍛冶。
教団の残党に狙われる可能性があるため、林と妻の千種は2年程度海外で生活させた後日本に戻す予定です、と青沼は話す。
しかし、鍛冶は日本には戻すな、と言う。
あの女は田丸にとってのアキレス腱だ、と。田丸の目のちらつく場所においてはろくなことにならない、と。
千種が日本を発つ日、千種の家の前に会いに来た田丸。
「すみませんでした」
あなたのそういうところをすきになったのよ、だから謝らないで。
千種は言った。「あなたと暮らしてみたかった」
千種の頬に包帯の血だらけの手で優しく触れる田丸。
涙をためた千種は言葉に出さずに「さよなら」。
こうして二人は永遠の別れに。
そして千種との思い出の教会に、一人座っている田丸の隣に、見知らぬ男が近づいてきて…8話《完》でした!!
凄い話でしたね。
でも毎回思いますが、良く作り込んであるなぁって思いますね!
一つ一つに奥までエピソードがあって、特捜班の一人一人掘り下げてもどこまでもドラマ作れるんじゃないかとすら思ってしまいますね。
でも、この世界観と別れるのは非常に寂しいものがありますね。もう終わりが近い、寂しい!!
原案・脚本の金城一紀さんもさることながら、金城さんの描く世界観をきちんとこのような形にできてるこのスタッフさん達もすごい!!って思います。もっともっと見ていたいなぁ!
今回のプロレスラーさん達とのバトル、もう絶望的でしたよね、体のつくりが違いすぎて。
あの長身の2人が子供のようでした。もう西島さん40代なんだよなって勝手にハラハラ心配してしまいました。
余計なお世話なのですが(笑)。
その後残りの教団員がぞろぞろ出て来た時の絶望感半端なかったですね。キャストさん達はハンパなくつらいでしょうけど、バトルアクション楽しすぎる!!もっといっぱい見たいぞ~!!