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『砂の塔~知りすぎた隣人』最終回ネタバレ&感想その1

『砂の塔』最終回 ネタバレ&感想 PART1!


いよいよやって来ました最終回です!!
それではお待ちかね、早速行ってみましょう!!

今回は今までの総まとめ的な回想。
幼児連続失踪事件

1件目被害者 山口光輝ちゃん(6)
2件目被害者 田代沙月ちゃん(3)
3件目被害者 木村健斗ちゃん(5)

5件目被害者 今井玲雄くん(小6)

荒又(光石研)「犯人の目的は母親を断罪すること」
津久井(上杉柊平)「一人目の母親の罪はネグレクト、二人目はギャンブル依存症、」
荒又「今回は不倫」
刑事課長「新たな被害者だ!小学6年生の男の子、名前は今井玲雄!」
玲雄くん直筆の『ハーメルンについて行きます。』のノート。
荒又「子どもの心を操るのが異様に上手い人物」
「音楽療法の関係者だ」
「山梨県朝霧村?」資料を読む津久井。「二人組?」
「ハーメルンの犯人は男女の共犯じゃないかと」
自分の部屋の花瓶を倒し、泣き叫ぶ弓子(松嶋菜々子)。
健一(田中直樹)「あの女は目的のためなら何でもやるぞ」
寛子(横山めぐみ)「警察ですか?息子がいないんです」
クリスマス仕様に飾られた自分の上で電話をしている寛子。
「迷子じゃありません!俊介がいないんです!」
屋上近くの階段にいる和樹(佐野勇斗)。聞こえてきた口笛に、気付く。
「あの歌…」
病院で会った女の子の歌う口笛と同じだった。その女の子は和樹に言った。
「ハーメルンの歌だよ」、と。
和樹は階段を降りながら犯人の顔を見る。亜紀(菅野美穂)に電話が入る。
「もしかしたら犯人見たかも」
「犯人?なんのこと?」、と電話の向こうの亜紀。
だから、ハーメルン…、そう言い掛けて和樹の電話は切られる。
後から衝撃を受けて階段で倒れた和樹は意識を失う。手のひらからどんぐりたちが転がり落ちる。
黒い車はボンネットを閉め、急スピードで走り出した。
和樹は口にガムテープを貼られ、手を後ろに縛られて暗い場所に倒れている様子。

電話をかけ続ける亜紀。しかし何度かけても留守電に切り替わるだけ。
「どうしたんだろう。和樹がハーメルン事件の犯人を見たかもしれないって」
「えっ?」驚く健一。
「変な音がして電話が切れてそれっきり、どうしよう…」
「弓子じゃないか」、と健一。
「きっとそうだ。あいつ、和樹を取り返せないと思って、強硬手段に」
そう言って、足早に玄関に向かう。
ドアホンのチャイムを急かすように連続で押しまくる。応答を待たずに、玄関のドアを引く健一。扉は開いていた。思わず亜紀と目を合わす。中に入っていく二人。
しかしそこはもぬけの殻で、しかもいろいろなものが割れ、壊れ、荒らされたような酷い有様だった。尋常ではない空気がうかがえる。
亜紀は弓子の部屋のその場所から弓子に電話を掛ける。
黒い車で移動していた弓子、車から降り立つと、呼び出されている携帯をそのまま気にせず消し、何事もなく歩き出した。弓子が歩き去った後、弓子の載っていた車のボンネットだけを映す意味ありげな演出(笑)。
「弓子のやつ、なに考えてんだよ」自分達の部屋に戻ってくる健一と亜紀。
「でも、弓子さんが犯人だって決まったわけじゃ…」
「あの部屋見ただろ、尋常じゃなかったぞ」、と健一。
「じゃあ和樹が見たハーメルン事件の犯人って言うのも、弓子さんだって言うの?」
「とにかく警察に行こう、和樹がトラブルに巻き込まれたことは確かだ」
思いつめたような二人のやり取りを、じいっと見ているそら(稲垣来泉)。
バタバタと準備を始める二人をよそに、そらはまた置きっぱなしのスマホを使ってどこだかへ電話をかけ始めた。
その電話を受け取ったのは生方(岩田剛典)だった。
「そらちゃん?どうしたの?」
生方は夜のスカイグランドタワーの前にいた。
そらとの電話をしていた生方はふとある人物の存在に気付く。その人物は黒いフードを目深にかぶり、マンションの玄関の外に黄色いカーネーションを添えようとしていた。その光景に驚く生方。
「そらちゃん、ごめん、あとでかけ直す」
電話を切り、その人物に向かって走り出す。それに気付いた黒フードの人物も走り出す。マンションの中に入っていく黒フード、追い掛けていく生方。廊下で掴み合い揉みあいになる。フードを取ろうと馬乗りになった生方に、その人物はナイフを振りかざす。左腕を切られる生方。痛みに耐え、すぐに立ち上がるが、その人物は生方の方に顔を向けた。「あんた…」
生方がそう呟くと、その人物はナイフを手にしたまま走り去った。

「犯人は男女の二人組」
どういう関係なんだ?、と車を運転している津久井。
後ろに乗っている荒又は音楽療法関係者のリストを見ている。
車は国道20号線を走り続ける。看板には甲府まで56Km、大月まで17Km、とある。

夜、マンションの玄関前に人だかりができている。
お出かけの帰りだか、莉乃(堀内敬子)たち親子とほかのママさんたちの集団が玄関前のその人だかりに気付く。そしてその中を見て、驚愕する。
「これ俊くんのじゃない?」
「キャーーーーーーーーー」
ちょうどその頃、警察へ行こうと玄関に出てきた亜紀、健一、そらの三人。
その悲鳴に人だかりへ進む。そこには俊介の洋服と水筒が道に置かれており、その上には黄色のカーネーションが添えられていた。そらと俊介が芝生で一緒に飛行機を飛ばして遊んだ時、あの時身に着けていた服と水筒だった。思いだして青ざめる亜紀。
ここでドラマタイトル。

慌ただしく行き交う警察署の面々。その部屋の奥で、寛子が一人の刑事に話を聞かれていた。
「早くあの子を探してください!」
涙ながらにそう叫ぶ寛子。
その瞬間、スマホにメールが届く。読んだ寛子の表情を見て、向かい合った刑事がどうかしましたか?と訊ねる。
「い、いえ…」
震えるような声で、目を合わせずに答える寛子。
刑事は何かを感じ取っていたが、それきり寛子は席を立って行ってしまった。

「じゃあ、お願いね」
警察署に着き、廊下の隅に立っている健一と亜紀。
亜紀は誰かとの電話を終え、健一の隣に来た。
「お義母さん?」
「そら、やっと寝たって」
その時、刑事の声。「お待たせしてすいません、バタバタしてまして」
健一と亜紀は揃って頭を下げる。
「え~、お宅の息子さん、高野和樹くんが犯人を見た、と」
「はい、電話が切れたのが昨日の6時35分ごろです」
「俊介くんがいなくなったすぐあとですよね。きっと犯人を見たのがバレて連れ去られたのでは…」
相槌も打つことなく、突然違う刑事に手を挙げる。
その違う刑事が何か資料を渡す。それを受け取り、読みながら対応する刑事。
「お宅の息子さん高野和樹くんは、一回補導されてますよね。ハーメルン事件の犯人という疑いで。犯人を見たって言いますけど、そもそもなにを根拠に犯人だと言ったんでしょうか」
「それは…」
「午後6時35分、すでに阿相寛子さんは息子さんを探してたくさんの人たちに聞き回ってたようです。それを見掛けた息子さんのイタズラってことは…」
「ちょっと待ってください、なんで和樹がそんな嘘をつかなきゃいけないんですか」
「荒又刑事と話させて貰えませんか?」、と健一が凄んで言う。
「あぁ、荒又主任なら出張中ですよ」

「5年前には完全に人がいなくなって、廃村になったみたいですけど」
古ぼけた廃屋に着き、車を降りる荒又と津久井。
「保護された4人目の被害者、前田千晶ちゃんの話によると、犯人はある口笛を吹いていた。その曲は認知症改善の音楽療法として作られ、わずか100人たらずの患者と関係者しか知らなかった。そしてその治療を受けた患者の一人が、宮瀬礼子(ミヤセレイコ)52歳。」、と荒又。
津久井も続ける。
「病院の記録によると、千晶ちゃんが発見された場所からわずか20Kmのここ、山梨県朝霧村に住所があると、」
「しかしもう、とっくに引っ越してんじゃねぇか?」
「そうですねぇ」
2人は廃屋の方へと入っていく。

生方はある病院にいた。上半身裸で、医師に腕の傷を見せていた。
「あぁ、こりゃあひどい、本当に応急処置だけでいいの?」、と医師。
「はい」、と生方。
「でもこれ、もっと大きい病院で診てもらった方が…」
「どれくれいかかりますか?」
そう質問する生方の体にはやけどのような傷跡が肩から背中にといくつかあった。話しながらその傷跡に気付く医師。
「あれ、これ、やけど?」
「すいません、急いでもらえますか」
苛立つように言う生方。
黄色いカーネーションを添えていた黒いフードの人物を思い出していた生方。強い視線でどこかを見詰めている。

「最上階のカフェバー、6時12分の映像です」
刑事たちが見ているのは、スカイグランドタワーのカフェバー。黒いフードの人物と俊介が手を繋ぎ、出て行く様子が映されている。
「残念ながら、エレベーター内のカメラ、および最上階付近カメラには鮮明な映像はありません」
壊されたエレベーター内の監視カメラの表示には、2016-12-04 18:07:17
「それと、地下駐車場のカメラに、6時39分に黒いセダンが出庫していくのが確認されました」
その駐車場カメラの画面表示は、2016-12-04 18:39:52
「これはマンション住民が所有する車両ではありませんでした、詳細は現在調査中です」
「黒いフードの男の聞き込み、それからこの黒いセダンの捜査、急げ!!」
勢い良く、たくさんの刑事たちが部屋から出てくる。
それを二階の廊下から見ながら、苛立ちが溢れる健一。
「和樹のことは完全に後回しじゃないか」
「だめだ、やっぱり繋がらない」、電話を切る亜紀。
「弓子、まだ出ないのか」
「うん」
≪私の方がずっと母親にふさわしいわ≫
亜紀は思い出していた。そう強い瞳でまっすぐに話す弓子の、あんなに荒れ果てた部屋の様子。
「パパ…」
亜紀は健一に歩みを寄せる。
「弓子さんのお店教えてくれない?私、弓子さん探してくる」

一方、弓子が映る。書類やペンが置かれたテーブルから立ち上がり、後は宜しくね、と告げる。
スーツを着て、傍に立っていた男性は分かりました、と答える。そして背を向け歩き出す弓子。お店を出て行った。駐車場に停めてある黒い車に乗り込む。
その次に、口をガムテープで覆われ、目を閉じている和樹が映る。ゆっくりと目を開ける和樹。
「ママならもうここには来ないよ」
亜紀に対応してくれたスーツの男性は何かの書類を見ながらそう言った。
驚く亜紀。
「突然店、手放すって言いだしてさ、荷物整理して今、ちょうど出たところだよ」
駐車場から弓子の乗った車が走り出す。
「これからうちの店員が車で送ってくんだ、羽田まで」
「羽田空港?」
険しい表情で呟く亜紀。
勢いよく走り出し、駐車場へ向かう。ちょうど走っていく車の中に弓子が座っているのを見つける亜紀。車の目の前に飛び出し、車を急停車させる。
弓子の席まで駆け寄る。下りてくる弓子。
「和樹を知りませんか?」
「なんなの?」
「昨日の夜、ハーメルン事件の犯人を見たって電話があってから連絡がつかないんです」
弓子の回答を待つ亜紀。しかし弓子は何も言わない。亜紀は黒い車のトランクに視線を移す。
「その中、何が入ってるんですか」
何も言わず、後ろのトランクを見る弓子。
亜紀は車の中に勝手に潜り込み、和樹の名前を呼ぶ。
「和樹?いるの?和樹!」
慌てる運転手が亜紀を掴む。
「いいわ、開けて」
弓子がそう言い、運転手が思わせぶりにトランクを開ける。

CM

思わせ振りに運転手がトランクを開けるが、そこは見事に空っぽ。亜紀を見る弓子。
亜紀は弓子に近付き、「すいませんでした」、と頭を下げる。
そしてすぐにどこかへ走り出していく。
再び車に乗ろうとする弓子だが、考え込むような表情。

一方、警察署にいる健一は行き交う刑事たちに軽くあしらわれていた。
「あの、うちの和樹の捜査は…」
「ちょっと待ってて貰えますか」
「黒いセダンの詳細が判明しました」
近くの刑事たちがざわざわと取り込んでいる後ろで健一が立ち尽くす。
「盗難車です。」
「Nシステムの履歴は?」
「成田空港を頻繁に往復してます」
「車両ナンバーは目黒330 大阪のお・827」
「湾岸エリア内の駐車場を一斉捜査!」
そのやり取りを聞いていた健一。表情を曇らせていく。一人で呟く。
「黒いセダン、成田空港…」
健一は思い出していた。阿相(津田寛治)に頼まれて手伝った副業。黒いセダンで少女を成田空港まで連れて行ったこと、黒い服の男性と少女は消えて行ったこと。大きく目を見開き、健一は警察署からどこかへ向かって走り出した。

一方、寛子(横山めぐみ)。慌てて家に戻ってくる。自分のスマホを手に取る。そこにはメールが。
『三千万早くしろ 警察に言ったら子供殺すぞ』
それを見てから、慌ててどこかへ電話を掛ける寛子。
「阿相です、支店長に繋いでもらえます?」
家の中でバタバタと動き回っている寛子。部屋の中にはクリスマスパーティーの準備だかでテーブルに並べられたカセットコンロやガスカセットボンベが映されている。
場面は一人で走っている健一。
≪俺らのタワーの隣に、もう一棟タワマンあんだろ、あそこに部屋持たせてんだ≫
健一は思い出していた。阿相に連れて行かれたお店で、彼女という若い女性を紹介され、その彼女に部屋を持たせていると。隣のタワーマンションに入ってくる健一。ポストの名前を確認している。
ない、ない、と呟いていると、目の前から若い女性が歩いてきた。その女性こそが阿相の彼女と紹介されたその子だった。
「部屋を開けてください」
突然そう言って健一は彼女に迫っていく。
「なによ、警察呼ぶわよ」
「警察呼ばれて困るのはそっちじゃないですか?」
阿相の彼女が自分の部屋に帰ってくる。ドアが開くと、「あ、お帰り~」、という阿相の声が。
阿相は慣れたようにキッチンで洗い物をしていた。申し訳なさそうな彼女の表情と、驚いている健一。焦ったような阿相に、健一は詰め寄っていく。
「やっぱり、ここにいたんですね」
「あぁ、健ちゃんも警察に呼ばれたんだっけ、悪かった…」
健一は阿相の胸倉を掴み、凄んで言う。
「そんなことはどうでもいいんだよ、成田を往復する黒いセダン、お前の車だろ」
なんなんだよ!、と阿相は健一を押し返す。
「お前が誘拐したのか?」
健一のその言葉に、目を逸らす阿相。その反応に健一は部屋の中を探索し始める。
「和樹、和樹!」
一番奥の部屋の扉を開けると、中にはアニメを見ながらお菓子を食べていた俊介の姿が。
「俊介くん?」
健一が名前を呼ぶと、全く怯えた様子もなく、素直に「うん」、と返事をした。

駐車場に来ていたたくさんの刑事たちが車を順番に見ている。
「目黒330 大阪お・827」
ある刑事がそう言って、みんなを集める。
「隣のタワーから立ち去った車両に間違いありません」
その車の前にたくさんの刑事たちが集まる。
「トランクを開けるんだ!」

場面は阿相と彼女の部屋のシーンに戻る。
部屋中を勝手に見ている健一を見ながら、立ち尽くしている阿相。
「息子をどこに隠した?車か?」
健一がそう阿相に近寄って行くと、阿相は勢いよく健一を押し返す。ソファーに倒れ込む健一。その隙に走って部屋から飛び出していく阿相。慌てて後を追う健一。
刑事たちは車のトランクを開ける。
そこには黒いアタッシュケースと黒いスーツのようなジャケットが置いてあるだけだった。
「この駐車スペースの契約者をすぐに調べるんだ」
そのトランクの中には履歴書のような顔写真付きの『派遣者名簿』なるものが何枚か置かれてあった。その書類の上にはナイフも。

マンションの前の芝生まで駆けて出てくる阿相。必死で追い掛ける健一。
「和樹はどこだ」
「知らねぇよ」
健一は阿相を掴み、芝生へ倒す。二人で芝生にもつれ込む。
「俺が連れ出したのは俊介だけだよ」
倒れ込んだ阿相がそう叫ぶ。大きなカバンを胸で抱えて玄関までの道を歩いていた寛子はその声に気付く。
「俊介くんだけ?」
倒れている阿相に、驚き立ち上がる健一。
「お前が誘拐犯なんじゃないのか?」
笑いながら立ち上がる阿相。背中に芝生の葉っぱをいっぱいくっつけて、振り返る。
「ハーメルンのフリしてたんだよ」
「なんのために?」
「金だよ、金!」
叫んで健一に詰め寄る阿相。
「寛子に金、持ってこさせるためだよ!」
その言葉に膝から崩れ落ちる寛子。
「つまり、自分で貯金に手を付けると足がつくから身代金目的で俊介くんを誘拐したってことか?」
その時の回想シーンが流れる。
黒いフードをかぶった阿相は車のトランクを閉め、俊介に行くよ、と声を掛ける。
≪は~い≫
「あぁ、そうだよ。俺が稼いだ金だ、俺が持ってって当然だろ。世の中はな、金持って高いとこ住んでるやつが一番偉いんだよ」
怒りに震える健一。阿相の胸倉を掴む。
「お前、どこまで腐ってんだよ」
そう言って思いっきり阿相の頬を殴る。大馬鹿野郎が!、と吐き捨てる健一。
阿相は芝生に倒れ込む。
「家族を巻き込んでいいはずないだろ!」
涙が止まらない寛子。
そこに刑事たちが駆けつける。
泣いている寛子の後ろからやって来たたくさんの刑事たちから怒号が飛ぶ。
「阿相がいたぞ!」
「動くな!」
「阿相武文だな?」
「立て!」
何人かの刑事に抱えられて、阿相は健一の隣を通り過ぎていく。

「便乗犯?」
山梨県廃屋付近を歩いている津久井と荒又。電話を切った荒又が話す。
「ああ、黒いフードの男は子供の父親だったらしい。人身売買容疑で追い詰められた末、ハーメルンの名を借り、逃走資金をせしめようって腹だったらしい」
「とんでもないやつっすね」、と津久井。
「これでまた事件は振り出しか」
歩いた二人のすぐ近くに、小さな子供用の靴やスコップが散らばっている。
廃屋の玄関の前に立つ二人。
「特に、ここもなにもなさそうですしね」、と周りを見渡している津久井。
玄関の引き戸を開けてみる。左側は開かなかったが、右側は開いてしまった。驚いて顔を見合わせる二人。中に入っていく。中を見て呟く荒又。
「これ、誰か住んでるぞ」
手袋をしながら中へ進んでいく2人。
部屋の中にはたくさんのビニール袋が。お菓子やレトルト食品が夥しいほどの数置かれている。
キッチンの近くにはたくさんの洗濯ものが山になっていた。そこには見覚えのある洋服が。手に取ってみる荒又。津久井の見た洋服には「きむらけんと」、と名前が書かれたいた。
「きらけんと、三人目の被害者だ」、小さく荒又に報告する津久井。
すると荒又が気付く。その洋服の腕の部分に、血の跡があり、洋服が破けていた。
「これ、血じゃねえか」
ふと顔を上げた荒又の目には台の上に置かれた黄色いカーネーションが映る。
荒又はその奥にある部屋に歩みを進める。かすかに光が差すその障子の扉を開ける。
その向こうにあった光景に驚き、目を見開く荒又と津久井。
その瞬間、外で車のエンジンを掛ける音が聞こえる。
急いで外へ出てくる荒又は走りながら電話を掛けている。白い車が草むらを走り去る。
「犯人を乗せたと思われる車、白のワゴン車、左サイドに傷!」、と電話口で叫ぶ。
車は山の中にすぐにその姿を消した。

CM
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亜紀の部屋が映る。リビングでどこにいるの、と呟く。
その様子を気にしている離れて座っている久美子(烏丸せつこ)。
「電話が切れる前に和樹が言ってたサプライズってなんだ?」
リビングに立っていた健一も呟く。
≪そらに頼まれてるサプライズ買ってすぐ帰るから≫
和樹は電話でそう言っていた。思いだしている亜紀。
「あの子、なにをするつもりだったんだろう」
すると久美子と遊んでいたそらが突然ソファーから顔を出して言う。
「そら、さぷらいす知ってるよ」
え?、と勢いよく振り返る亜紀。健一も詰め寄る。
「うん。でも、内緒の約束だったから」
そう言い淀むそらに迫る亜紀。今回だけ特別に教えてくれない?、と。
「うん…、てんとうむしだよ」、とそらが答える。
点灯式のこと?、と亜紀。
「お兄ちゃん、どこで点灯式やるんだ?」、と健一。
外へ出てくる健一と亜紀。たくさんの電飾が飾られ、大きなクリスマスツリーに見立てた手作りの装飾が風に揺れていた。大人の背よりも高い、その飾りつけを一人で和樹が用意していたのだった。
「屋上だったのか」、と健一。
屋上の塀の策にまでたくさんの飾りつけがぶら下がっている。
「和樹がこれを」
「あいつ、この前の点灯式、家族で見られなかったから、もう一回自分でやろうとしたんだな」
大きなツリーに見立てた電飾を見上げる亜紀。
「ひょっとして和樹は、今もこのタワーのどこかにいるんじゃないか」、と健一。
驚く亜紀。
「男一人、タワーから誰にも気づかれずに屋上から下まで連れて下りるのはリスクが高すぎる。和樹はどこかに閉じ込められているんじゃないか」
「どこかって、どこに?」、と慌てる亜紀。
「見えない死角なんていくらだってあるよ!こんなにデカいタワーなんだから」
「探さなきゃ!」
亜紀が言うと、うちで待っててくれ、という健一。俺は警察に行ってくる、と早々に走り出してしまった。一人、屋上に立ち尽くす亜紀。
「誰か!助けて!だれか助けて!」
一方、暗い場所で口にガムテープをされた和樹が懸命に叫んでいる。手を縛られた体を一生懸命に動かしている。何やら大きな筒の中に身体を入れられている。
「誰か助けてください!」
そこはたくさんのラックに、いろいろな段ボールなどが詰まれた倉庫のような場所だった。
寛子の部屋に変わる。ぼーっと座っている。俊介は隣でジュースを飲んでいる。
「俊ちゃん、ママね、やっと分かったの」
そう言って寛子は立ち上がり、部屋の真ん中に立っている大きなクリスマスツリーを見上げる。
先ほどの阿相の言葉を思い出していた。
「ママが欲しがってたものは、全部ニセモノだったって。バカだったわ」
そう言って、泣きながらクリスマスツリーを倒す寛子。倒れた場所がカセットコンロの上だった。
「行きましょう、二人で全部やり直すのよ!」
そう言って、俊介の手を取り、部屋を出て行く。クリスマスツリーが倒れてきた衝撃で、カセットコンロからガスが漏れだす。そして近くのツリーの飾りつけに引火する。やがてその小さな火はあっという間に大きくなっていく。
マンションの前にタクシーが停まる。そのタクシーから弓子が下りてくる。弓子は亜紀の切羽つまったような言葉を思い出していた。
≪ハーメルン事件の犯人を見たって電話があってから連絡がつかないんです≫
神妙な面持ちで玄関へ歩いていく弓子。そのとき、大きな爆発音がして、最上階から炎が上がった。驚愕する弓子。屋上にいた亜紀も大きな音に振り返る。その爆発音に場所ごと揺れる和樹。
急いでマンションの玄関に向かう弓子。
マンションの中では警報が鳴り響き、パニックに陥る住人達。スプリンクラーが作動し、廊下には水が撒かれる。押し合いへし合いで駆け下りていくたくさんの人たち。
外を歩くたくさんの人たちが炎の上がったタワーマンションを指さし、騒いでいる。外にいた生方(岩田剛典)はその騒がしい様子に気付き、橋の所からタワーマンションを見上げる。誰かと電話をしていた生方はそらちゃん、と呟き、走り出す。

『砂の塔~知りすぎた隣人』ネタバレ&感想その2につづく