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『砂の塔~知りすぎた隣人』最終回ネタバレ&感想その2

『砂の塔』最終回 ネタバレ&感想PART2!


『砂の塔~知りすぎた隣人』ネタバレ&感想その1はこちら

マンションの警備員が住人たちを誘導する。
なにがなんだかわからない様子の寛子(横山めぐみ)と俊介も、誘導に従い、下へと降りていく。
そら(稲垣来泉)を抱えて階段を下りる久美子(烏丸せつこ)。
「ママとパパは?」
「きっと先に避難してるよ」
「まもなくエレベーターは使えなくなります。上へはいけません!」
警備員の声と同時に佐々木弓子(松嶋菜々子)はエレベーターに乗り込む。
屋上から降りていく亜紀(菅野美穂)。煙が酷く、咳込みながら階段を下りていく。
タワーマンションに向かって走り続ける生方(岩田剛典)。
また爆発音がし、その衝撃に揺れる和樹(佐野勇斗)。助けて、と声にならない声を上げる。

一方、ハーメルンの白いワゴン車に追いついた刑事の荒又(光石研)。
「ハーメルン犯の車に間違いないな」
左側の傷を確認して言う。
「はい、後部座席に人影を確認しました」、と後輩刑事の津久井(上杉柊平)。
2人は遠くから停まっている白のワゴン車を物陰から見ている。
≪ホシは女≫
≪内緒のお友達とボール≫
≪子供じみてると思わんか≫
2人は静かにその車に近寄っていく。
≪犯人が口笛を吹いていたの?≫
ワゴン車の後ろに揺れる人影が映る。
≪うん、時々≫
子どもたちのものにいつも添えられている黄色いカーネーション。
≪共犯者がいれば話は別だ≫
今までのハーメルン事件の回想が流れた後に、車の前に集まる刑事たち。
「こじあけろ!」
荒又の声に車のドアに手を掛ける津久井。
「犯人確保!」
そう叫んで勢いよく津久井が車のドアを開ける。

CM

勢いよく開けた車の中には、黄色い毛布をぎゅっと握って驚いた顔をしているお年寄りの女性だった。
「宮瀬礼子さんですよね?」
荒又は穏やかに声を掛ける。
宮瀬礼子と思われるその女性は何も答えず、独り言を話し出す。
「こんやも、寒くなりそうねぇ。寒いなぁ」
その様子に荒又の顔を見る津久井。
「もう一人、運転してたのは誰だ?」
後部座席に座っている女性を見た後、からっぽの運転席を見やる荒又と津久井。

49Fに降りていく階段を進む亜紀。そこでそらの作った仲良し家族のどんぐりを見つける。
札幌に向かう日、タクシーの前で自分が和樹に渡したものだった。
「和樹?」
「誰か助けて!」
そう叫んで暴れる和樹の足が近くに置いてあった脚立を倒し、大きな音が鳴る。その音に気付いた亜紀が階段を戻っていく。
火に包まれている廊下をゆっくり歩いている人物が映る。手にはカッターナイフ。
一方、弓子は自分の家に戻ってくる。モニタリングしているいつもの部屋。テレビ画面の電源を入れ、監視モニターの映像の中に和樹の姿をくまなく探す。
場面は切り替わって、警察の取り調べ室。荒又と宮瀬礼子が向かい合って座っている。
「宮瀬さん、あなたは車に乗せられて、どこに行こうとしたんですか?どうして山梨から東京まで来たんですか?」
何も答えない宮瀬礼子。荒又は大きな声で次の質問をする。
「運転していたのは誰ですか?」
黄色い毛布をぎゅっと握って、表情のない顔つきで、彼女は答える。
「うちの子、ホントに悪い子なの」
「誘拐した子供のことですか?」
その瞬間、部屋をノックする音が聞こえて振り返ると、津久井が入って来ていた。
「荒又警部、ちょっと」
手には資料を持っている。
「どんなに言っても、何回言っても、すぐ毛布はいじゃうのよ」
宮瀬礼子の方に振り返る荒又と津久井。
「ホントに手がかかってしょうがない子なの」
「宮瀬礼子の身辺調査の結果が出ました。ここ、家族の名前見てください」
廊下に出てきて話している荒又と津久井。
その資料に書かれた名前を見て、驚愕の表情を浮かべる荒又。
そこへ健一が駆け込んでくる。廊下に出ていた荒又に気づき、駆け寄る。
「荒又さん!息子がハーメルンの犯人を見たと言ったまま、連絡が途切れたんです!多分今のスカイグランドタワーのどこかに閉じ込められてるんです」
和樹に向けられたカッターナイフの刃は、和樹をくるんでいた物を切り裂いていく。驚く和樹。
亜紀は音の聞こえた方の扉を開ける。炎に包まれて視界が悪い。
パソコン画面で監視モニターを見ていた弓子は驚きの表情を見せ、慌てて部屋を出て行く。
エレベーターに乗り込むが、どれも作動しない。弓子は亜紀に電話を掛ける。
「ゆみこさん?」電話を取る亜紀。
「和樹はそこの奥の部屋にいる」
「どうして、あなたにそんなことが?」
「見てたからよ、そこの天井の防犯カメラで」
亜紀は部屋の天井についていた監視カメラを見上げる。
「急いで行って!もう上りのエレベーターは動かない!」
弓子の言う、その奥の部屋とはもう火の海だ。
「消防隊の到着を待ってたら間に合わない!」
「和樹が奥に?」
「お願いだから、和樹を助けて!」
叫ぶ弓子。
「和樹…」
≪あの子達の幸せを絶対守ってあげようね≫
この部屋に初めて来た時の想いや、今までの和樹とのやり取りが回想される。
亜紀は思い出していた。守りたい、和樹のあの笑顔を。
「弓子さん、大丈夫です。今度は私が和樹を助けますから、必ず助けます」
聞いている弓子の目からは涙が落ちる。
「私、母親ですから!」
そう言って、電話を切った亜紀は火の海の中、奥の部屋へ向かっていく。
切られた電話を胸の前で握り、目を閉じて祈る弓子。進んでいく亜紀。
「辞めろ」
口をガムテープでふさがれた和樹はそう叫びながら、誰かに引きずられていく。
亜紀が倒れている和樹を発見する。
「和樹!!」
口をガムテープで縛られた和樹は亜紀の方を見ている。近付こうとすると、その奥に何やら揺れる人影が。
「朝霧村の家は、礼子の死んだ元夫の自宅」
パトカーがサイレンのうならせ、どこかへと向かって走っている。そのパトカー中には荒又と津久井。荒又が続ける。「離婚した元夫との間に息子が一人いて、その息子には玲子の希望で、あえて父親の名字を名乗らせている」
荒又は宮瀬礼子の身辺調査結果報告書を読んでいる。
亜紀の目の前に、一人の人物が物陰から出てくる。
「その息子が犯人…」、と津久井が言う。
炎の煙の中から生方航平が浮かび上がる。
「航平くん?」
眉にシワを寄せる亜紀。
「なんでここにいるの?」
生方はなぜかうっすらと微笑んでいる。
「もしかして、犯人なの?」
亜紀のその問いかけに嬉しそうに白い歯をこぼす生方。
「そうだよ」
途中から顔つきが豹変する。
「俺が、ハーメルン事件の犯人」
動揺している亜紀。
「山口光輝、田代沙月、木村健斗、前田千晶、今井玲雄、全員俺がさらった」
冷たい表情をして生方は話す。
「なんで? なんでそんなことしたの?」
声を震わす亜紀。
「愚かな母親を罰するため。亜紀さんもよく分かってんだろ、世の中クズな母親ばっか。」
和樹を見ながら続ける。
「子どものため、みたいな顔して。裏側は見栄だのくだらないプライドだの、自分のことしか考えてない。俺の母親もそうだった。」
その言葉に反応する亜紀。なにかを思いだすように表情を歪め、頭を振る。
「信じられない?これが証拠」
そう言って、生方は洋服をめくり、火傷だらけのお腹を亜紀に見せる。驚く亜紀。
「お、お母さんに?」
「世の中、子供の命なんかなんとも思ってねぇ毒親がゴロゴロいる。そういう母親には罰を与えないと」、そう話しながら、微笑んでいる。
「嘘でしょ、だって…航平くん、毎日大変な思いをしてるお母さんを支えたいって言ってたよね?」
「支える価値もない母親はたくさんいる。亜紀さん大丈夫?そんな甘いこと言ってるから佐々木弓子に家族をめちゃくちゃにされるんだよ」
笑っている生方。
「嘘だよ、信じない」、と亜紀。
顔つきが変わり、笑みが止まる生方。
「本当はなんで誘拐なんかしたの?無理矢理誰かに手伝わされたんじゃないの?」
亜紀は生方に詰め寄り、身体を揺さぶる。
「なにか弱みを握られたとか!」
「違う!全部俺、一人でやった。誰にも手伝わされてなんかない」
生方の顔をじっと見つめている亜紀。ゆっくりと口を開く。
「誰かを、かばってるの?」
少し目の奥のなにかが揺れたように見えた生方。
その時、後ろから声が聞こえた。
「消防です!誰かいますか?」
ハッとして振り返る二人。「ここにいます!」、と叫ぶ亜紀。
その隙に生方は開いている別の扉からいつの間にか姿を消していた。亜紀が慌てて和樹を起こす。なんかこれ遅くない?(笑)一番にしてあげてよ、って思った視聴者は多かったはず!!
一方、一人、階段を下りていく生方。誰かに電話をしている。階段を下りながらで息切れしながら懸命に話しかけている。
「分かる?俺だ!今すぐ逃げて!どこでもいいから!とにかく逃げて!」
階段を下りていた生方は階段の下から上がってくる足音に気づき、来た道を戻り始める。
「全部バレたんだ!捕まっても全部俺が勝手にやったって言うんだよ。いいね?母さん!」
そう言って、階段の脇にあった生方は扉をあけて走り出す。その姿を捕らえた刑事たちがみんなで生方を追いかける。廊下のところで、違う扉から出て来た津久井やほかの刑事たちに板挟みにされる生方。必死に抵抗し、何人かの刑事たちを振り払い、前に進もうとするが、とうとう倒されてしまう。倒れ込んだ時に生方の手からスマホが転がり落ちる。届かない生方は大勢に押さえ付けられながらも遠くもスマホに逃げて、と叫ぶ。
「携帯を押さえろ」、と叫ぶ津久井。
その時、前からやってきた荒又が生方のスマホを拾い上げる。
「母さん逃げて!」
「残念だが、きみのお母さんはもうとっくに捕まってる」
息の荒い生方。荒又が続ける。
「お母さん自供したよ、一人目の誘拐は自分がやったって」
「違う!あの人は認知症で、なにも分からないで言ってるんだ」
生方が感情的に叫ぶたびに、何人かの刑事たちが体を抑え込む。
「そうかもしれない。だが、医者の小峰先生も、宮瀬礼子は子供と遊ぶのがなによりも好きだった、と。たとえ、見知らぬ子供でも」
「そんなの嘘だ!俺が全部やったんだ!悪い母親罰するために、俺1人で!」
興奮して暴れる生方を荒又が制す。
「生方航平!」
荒又は近づき、しゃがみ込んで穏やかに生方へ言う。
「もう全部終わったんだよ」
放心状態で、生方の荒い息遣いだけが響く。
「もう、本当の自分に戻っていいんだよ」
うな垂れ、唇を震わす生方。

スカイグランドタワーの周りにはすごい数の人だかりと、報道陣。
「阿相寛子が息子を探してほしいと君を呼んだのは、昨日の夕方だね?」
両脇を津久井と荒又に支えられ、パトカーに向かい歩かされている生方。荒又は続ける。
「きみは寛子に呼ばれ、最上階にある彼女の自宅へ駆けつけようとした」
回想シーンが始まる。50F/49Fの階段で電話を掛けながら口笛を吹いている生方。
「だが、その直前、お母さんから電話があり、例の口笛を聞かせてほしいとせがまれた。人目を避けて、非常階段で電話越しに聞かせてやっているところを和樹くんに聞かれた」
その姿を目撃し、驚く和樹。
「はい、病院で教わった曲を聴かせると落ち着くので」、と答える生方。
救急車の近くで怪我の処置を受けている亜紀。生方たちが歩いていく様子を見ている。亜紀に気付いた生方も足を止める。亜紀の方を向き、口を開く。
「和樹くんには申し訳ないことをしました」
じっと見ている亜紀。
「母さえどこかに逃がしたら、すぐにでも解放して自首するつもりでした。」
「いや、でも、分からない。きみは母親に虐待されていたんだろ?」、と津久井。
その言葉に睨むような眼を向ける生方。
「そんな母親をなんでそこまでして守ろうと?」
しかしすぐに視線を下に落として、小さく答える。
「母は、母で大変だったんです」、と。
その言葉に反応する亜紀。
「母は父のことを本当に愛していたのに、ごみみたいに捨てられて、可哀想な人なんです。母が認知症を発症したのは1年前です。1人目の光輝くんをさらってきたのは病院の帰りでした」
山梨のあの廃屋のような家で、礼子と光輝が座っている。どろだらけでぼろぼろの服のまま、部屋の隅に座っている。病院の帰りに買ったと思われるコンビニの袋からパンを出す礼子。
それを食べ始める光輝。
「大変なことをしてしまったと思いました。でも、光輝くんは母親にネグレクトされているみたいで、もうおうちには帰りたくない、と。」
礼子は黄色い毛布を食べている光輝の足元に差し出している。
「うちの母も、子供がいると不思議と元気になってくれて、」
「それで山梨の家で、お母さんに子供たちの面倒を見させていた」、と荒又。
山梨の家に荒又と津久井がやってきて、光の差し込む障子の扉を開けた時の続きが回想として流れる。障子の扉を開けた向こうには、前田千晶ちゃん以外の、誘拐された子供たち全員が集まってその部屋に座っていた。荒又と津久井という見慣れない大人を見た6年生の今井玲雄は、小さい子たちを守るように、手を広げ庇うようにしながら来るな!と叫んだ。
「はい。2人目以降は全員、俺が誘拐しました」
「どうして、黄色いカーネーションを置いたんだ?」、と荒又。
「やはりダメな母親たちを断罪するためか?」
「断罪なんて偉そうな理由じゃないんです」
「じゃあなんで?なんで次々と子供たちを誘拐なんかしたの?」
亜紀が立ち上がり、生方へ質問を投げかける。
「あの子たちが、昔の俺に見えたから」
遠いどこかを見るように生方が答える。
「愛してほしいのに、愛してもらえない、逃げたいのに逃げ出せない、」
ある夏の日、車の中に置き去りにされていた田代沙月ちゃん。ギャンブル依存症の母親のパチンコが終わるまで、車の中で待っていた様子、なかでは汗びっしょりで意識はすでに朦朧としているような状態だった。沙月ちゃんを車の外から見ていた生方に、中から手を伸ばしてくる沙月ちゃん。
「あの頃の俺と、同じに見えたから」
沙月ちゃんの伸ばしてくる手に、車の窓ガラス越しに手を合わせる生方。
「助けてやりたかった。それと、母親たちに気付いてほしかった。子供が目の前からいなくなったら、どんな思いをするか」
そこまで言うと、荒又たちに車の中に促される。一人、パトカーに座る生方。
「ちなみに、きみのお母さんな、捕まってからず~っと同じ話ばかりするんで、困ってるんだ。」
顔を上げる生方。
「うちの子は寝相が悪くて、すぐに毛布を剝いでしまう。だからかけ直してあげなきゃいけないから大変なんだって。ボロボロの子供用の毛布を絶対手離そうとしない。あれ、きみの子供の時のものだろ?」
生方の頬から涙が流れ落ちる。
「歪んでいても、矛盾していても、それも愛だったんだなぁ」
パトカーから出てきて、立ち上がり、荒又に向かい合う生方。
「あの人も寒がりなんで、よろしくお願いします」
たくさんの涙にぬれた顔で生方は、荒又に頭を下げる。それを黙って聞いている亜紀。
もう一度大きな声で、よろしくお願いします、と繰り返した。
人だかりの向こうからそら(稲垣来泉)を抱っこした健一(田中直樹)が大きな声を出す。
「和樹!」
目の前にはこちらに歩いてくる和樹と亜紀。健一に気づいた和樹は走り出す。
亜紀が先ほどの言葉を思い出している。
≪歪んでいても、矛盾していても、それも愛だったんだなぁ≫
亜紀は人ごみの中に弓子の姿を見つける。弓子(松嶋菜々子)も亜紀に気付く。
「怪我はないか?」
「うん、ただいま」
そう言いながら、抱き合う健一と和樹。その光景を弓子は見ている。亜紀が弓子に駆け寄る。
「さっきはありがとうございました」
「これ、返すわ」
空港で和樹が置き忘れていったカメラの入ったバッグだった。頭を下げて受け取る亜紀。
何も言わずに、翻し歩きだす弓子。
「どこに行くんですか?」
弓子は足を止める。
「安心して、もう二度と現れないから」
振り返り、弓子はそう言った。
「あの子の、和樹のことを、」
言い淀む弓子に、頷く亜紀。目に一杯涙をためて、弓子に歩み寄る。
「はい、幸せにします、必ず」
それを聞いた弓子は、何も言わず、また歩き出していった。
行ってしまう弓子を見て、亜紀は思わず、和樹の名前を呼ぶ。気付いた和樹。
「佐々木さん!」
人込みから和樹と亜紀が出てきて、弓子の背中に声を掛ける。足を止める弓子。
ゆっくりと振り返る。
「あの、僕の母のこと、」
言葉が出てこない和樹に、弓子が話しかける。
「雪が降ってたそうよ」
「え?」
「あなたのお母さんが、あなたを産んだ日、病院の窓から立派な1本の木が見えたんですって」
懐かしむような瞳で、遠くを見ながら話す弓子。
「大きな枝で、伸び伸びして逞しくて、寒さで震えている人たちを温かく和ませてくれるような。それできみの名前を、和樹にしたんだって」
涙をこらえる声で、笑顔を見せる弓子。聞いていた和樹の目には涙があふれている。
弓子はそうとだけ言うと、また歩き出してしまった。
和樹は懸命に声を出す。
「母に伝えてくれませんか?」
振り返ることなく、足だけを止めた弓子。
「僕は今、すごく幸せだから、だから、僕を産んでくれてありがとうございましたって」
涙はいっぱいだが、笑顔もいっぱいの和樹。
隣りで微笑む亜紀。
背を向けた弓子の瞳にも涙が流れていた。しかしそれを見せることなく、分かった、伝えるわ、と残し、去っていってしまった。弓子のその後ろ姿をいつまでも見つめる亜紀。
その後、そらとも合流し、涙いっぱいに抱き締めあう4人。

一年後。高野家はいつも通りの日常に追われていた。
そらは赤いランドセルをしょって通学の支度をしている。
和樹は一人、朝ご飯を食べている。
(弓子さん、今どこにいますか?どんな景色を見ていますか?)
和樹、と亜紀に名前を呼ばれた和樹は慌てて上着を着て、通学の準備をする。バタバタとみんなが出ていく。
(あれから1年も経つのに、今でも航平くんが犯した罪のことが頭から離れません)
山梨の家にそれぞれの親たちが駆けつけるシーンが映る。みんな泣き笑いで再会し、抱き合う。子どもたちがみんながずっと願っていた、ただ「愛される」という喜びを感じられた瞬間かもしれない。
(彼が犯した罪は決して許されるものではありません。)
ふと見かけたお花屋さんで黄色いカーネーションを見つける亜紀。
(たくさんの親や子供を傷つけました。一生を賭けて償うべき、重い罪なのだと思います)
(それでもそうせざるを得なかった彼の優しさや、あの笑顔の裏に隠されていた苦しみを思うとき、私は心から彼を責めることができないのです)
(いつか、彼は私に言いました)
≪ここじゃない、別の世界に行けそうな気がしない?≫
(「ここではない別の世界に行かないか」、と。あれはおそらく彼の本心だったのだと今は思います。だけど、だけど結局、彼はどこにも行かずに母親と生きる道を選んだ)
学校の友達と笑いながら帰ってくる和樹。その笑顔に見入る亜紀。和樹に走り寄っていくそら。
(彼を苦しめ、彼の人生を支配し、今は彼の名前さえ忘れてしまった母親と)
芝生を子供と楽しそうに走り回っている梨乃(堀内敬子)たち。いつものママさん達も。
(おそらく子供はどんな母親でも、愛してしまうように出来ているのです)
そらと走る亜紀。それを写真に収めている和樹。その隣には笑顔の橋口成美(川津明日香)。
(母親、その責任の重さを思うと、時々、足がすくんでしまいそうになる自分がいます)
(だけど、弓子さん、そんなとき、私はいつもあなたのことを思い出すのです)
(14年前のクリスマス、我が子を守るために逃げずに立ち向かったあなた、毎日その手で抱きしめていた赤ちゃんを苦渋の決断で手離すと決めたあなた)
(そして最後まで母親だと名乗らずに身を引いたあなた)
どこかでフラワー教室をしている弓子。たくさんの生徒に指導している場面が映る。その表情には笑顔もみられる。
(そんなあなたの強さが、今の私を励まし、後押ししてくれるのです)
楽しそうにはしゃぐ和樹とそら。それを涙目で優しく微笑みながら見つめる亜紀。
(我が子への愛が、母を強くする、と信じることができるのです)
(覚えていますか?)
(私は以前、あなたに正しい母親が分からない、と言いました。)
夕焼けを見詰める弓子の後ろ姿。ゆっくりと歩き出した弓子は微笑みながら前を見詰めている。
(でも今は、少しだけ分かる気がします)
(正しい母親、それは逃げない母親です)
亜紀とそら、和樹が3人で並んで歩いていると、前から健一が帰ってくる。健一はそらを抱き上げる。おかえり、と声を掛ける和樹。そして3人で亜紀に振り返る。
(どんなに苦しい状況でも、子供の視線から逃げずに、向き合っていこうとする母親です)
亜紀は歩き出す。

夜、暗い道の中、目隠しをした健一を誘導する和樹。「まだまだ、まだだよ」
そらが目隠しした亜紀を引っ張って歩く。
「いいよ!」和樹がそう言うと、そらも続けていいよ!と叫ぶ。
目隠しをとる二人。
「せ~の!」そう言って、和樹が電気のスイッチを入れる。周り一斉に電気がついて、クリスマスツリーのような電飾が暗闇に立ち上がる。マンションの屋上の一つの柱に電飾や装飾を巻き付けて、クリスマスツリーの様に見立てて作られていた。
「うわぁぁぁ」、と笑顔いっぱいの亜紀。
「すごいなぁ」、と健一も声を上げる。
(私は逃げずに守っていきます。あなたが全てを投げうって守った命を)
(暖かい家族を、いとしい我が子を、胸いっぱいの愛をこめて)
綺麗な電飾を見ながら笑っている4人。

砂の塔≪完結≫
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感想

もうなんというか泣きました。泣きつくすほど、泣きました。
でもね、涙って枯れないんですね、観るたびに毎回ちゃんと泣いちゃう!(笑)
いやぁ、圧巻の弓子さんですよね。でも弓子をここまで恐ろしく妖艶に、美しく引き立たせたのは菅野美穂さんかな、とも思えますけどね。むしろそこも含め圧巻と言わざるを得ませんがね。逆に(笑)
何なら普通の平凡な主婦すぎて菅野美穂さんてこういう人なのかな?って自然に思えちゃいますよね。でもテレビで見る菅野美穂さんてがガハガハと豪快に笑う人で、もっと大胆な人だと思うからやっぱり演技だったんだなってハッとしたり。なかなか皆さんの演技にやられましたね。
和樹役の佐野勇人くんにもやられました!
綺麗な涙を流すお方で、見惚れてしまいましたね。
でも、最後は弓子のこと、気付いてましたよね。
きっともっと早くから気付いていた気がしますね。札幌の回とかから、あの最後に話し掛ける時とかは言葉に詰まってましたから、もう分ってて、言葉をどう選ぼうか、みたいな間だったのかな、と。
弓子さんの人生がただ、ただ切ない。
別に悪いところないのに、ちょっと不運が重なっただけで、こんな人生になってしまうものかと。
ただ、ただ、切ない。
生方のした事は犯罪です。でも、子供たちの母親も犯罪まがいなことがほとんどです。ネグレクト、ましてや車に放置は立派な殺人です。
沙月ちゃんや光輝くんの声にならない叫びの代わりに、生方が行動を起こしたんですね。
今回のとこで、涙で再会を果たした親たちは改心するものなのだろうか?
虐待のようなあざややけどを子供の体に残し、それでも愛していたなんて、どうやって子供は消化すればいいのだろう?大人になった生方でさえ、その呪縛から逃れられないのに。
幼い子供たちはそんな親とどんな支えを心に生きて行けばいいのだろう。
今日でも、子供の命を奪ってしまう親のニュースは途絶える事がありません。
その向こうにどんな環境ややむを得ない状況があるのかは分かりません。でも、本当に、こういうドラマは私たちに考える、子供と向き合う、大切なきっかけを与えてくれます。
本当に意義のあるドラマでした。
毎回、子供、愛、いじめ、などなど色々な事について考えさせられました。
もっともっと多くの人に見て貰いたかったな、と思いました。

金曜日の夜に、ママ友ドロドロドラマ?って敬遠しちゃった人も多かったんじゃないかな?って。
すごく残念な気がして、ママ友とかいじめドロドロとかじゃなくてただ純粋な親子愛とか、人の成長の物語とか、そういう感じで謳ってくれればもっと違ったんじゃないかと。
確かに前半戦はママ友ドロドロで間違いないけど(笑)。
でも見て良かった、これからの自分の人生観になにかしらの影響を与えたんじゃないかなって思いました、自分の中で(笑)。
でも知りすぎた隣人、ってのは結局弓子のことで良かったのかな?
生方ってことはない?よね?
でもね、なんか、あの若手刑事の津久井くんが悪くなくて良かったってホッとしました。
なんかあの津久井くんがもし悪い人だったら人間不信になるなぁ~って思ってたので、それは良かった!!
前田千晶ちゃんを扱ってる感じとかで、これで子供さらってたらもう誰も信じられない!ってなるよね(笑)

なんにしても松嶋菜々子さん魅了されました!!
GTOの冬月先生は遠い昔ですねぇ。