テレビ

『砂の塔~知りすぎた隣人』第8話ネタバレ&感想その1

第8話『砂の塔~知りすぎた隣人』ネタバレ&感想 PART1!


第8話
前回のダイジェストがバババッと流れる。
健一(田中直樹)と弓子(松嶋菜々子)の若い頃の結婚写真。
暴行少年たちに凄んでいく弓子。
私はあなたとは違う、和樹のためなら地獄にだって落ちる覚悟はある、と亜紀に言い放つ弓子。
救急車に、和樹の母だと名乗り、弓子がついて行ってしまう。
雨の中、道でバッタリ生方(岩田剛典)と会い、俺が奪ってやりたかった、と抱き締められる亜紀(菅野美穂)。
色々な回想シーンが巡り、現在のシーンが始まる。
抱き締められた亜紀だったが、すぐに体を生方から離して和樹が救急車で運ばれたの、行かなくちゃいけない、でもどこの病院に運ばれたのか分からなくて、と疲弊しながら言う。それを受けて、生方は携帯で近場の病院に片っ端から電話を掛けまくる。同じように亜紀も懸命に電話を掛ける。
そんな二人の様子を物陰から見ている人物がいた。
その人物は、二人のそんな光景を写真に何度も収めていた。

一方、どこかの病院の場面。医師と、和樹(佐野勇斗)、そしてそばで立っている弓子。
骨は折れていないし、検査結果も心配ない、と話す医師。ベッドから起き上がる和樹。
歩いていく医師や看護師に、保護者のように頭を下げる弓子。
そして良かった、入院じゃなくて、と後ろから声を掛ける。
少しだけ弓子の方を見て、目を逸らし、声も出さず、小さくうなずくだけの和樹。
可哀想に、痛かったね、と優しい声で、和樹の腕の包帯に触れようとする弓子。しかし直前で思いとどまり、手を止める。
喉、渇いたでしょ、水持ってくるね、と言い、弓子は診察室から出て行こうとする。
そんな弓子の後ろ姿に、あの…、と和樹は声を投げかける。
「何でここまでしてくれるんですか?あなたは、…誰なんですか?」、と。
すると少し歩み寄って言う弓子。
「あなたの本当のお母さんのこと、」
そう言い掛けた瞬間、和樹の表情が変わった。
顔中ガーゼや絆創膏だらけの顔は、少しだけ目を見開き、反応した。
「知りたくない?」

病院が分かり、ソファーで眠っていたそら(稲垣来泉)を無理やり起こし、亜紀が外へ出て行こうとした時、玄関を開けた目の前に和樹が立っていた。驚いた亜紀が声を出す。「お兄ちゃん!」
目も合わせず、何も言わず、亜紀を避けて家の中に入っていく和樹。
和樹の部屋の中で話をする二人。和樹はまた何もしゃべらない子に戻ってしまっていた。
「前の学校の子達?警察に行こう」、と隣に座って言う亜紀。
いい、と目も合わせない和樹。
「どうして?だってまたやられるかもしれないよ、学校と警察に相談して…」、亜紀の話は遮られる。
「いいって!」
そう強めに言って、亜紀の買ってくれた表彰式用のスーツを脱ぎ始める。
「あの人が色々、証拠とか押さえてくれたから」
「あの人って?佐々木弓子さん?」、と亜紀。
反応を見せるも、何も答えない和樹。亜紀は立ち上がり、和樹の体を掴んで訴える。
「弓子さんとはもう付き合わないで」
「どうして?」
「どうしても!」
すると和樹は言う。
「あの人が、知られちゃまずい事知ってるからだろ?」
動きが止まる亜紀。
腕を引っ張られて部屋の外へ出される亜紀。何言ってるの、と慌てて言うも、疲れた、と目も合わせようとしない和樹に扉を閉められてしまう。いつまでも扉の前から動けない亜紀。
「和樹がいじめられてた?」
帰って来た健一(田中直樹)が驚いて言う。「そんな素振り、全然…」とソファに座り、考えている様子の健一。
パパ、あのこと、和樹に言った?、と小声で問う亜紀。
「私が本当の母親じゃないって」
「えっ?」
あの子、なんだか知ってる気がして、と亜紀は俯く。思わず健一は和樹の部屋の方を見る。
「いや、それはないよ、考え過ぎだって」
「弓子さんが言ったんじゃないかな、自分が本当の母親だって」
「あいつが?」表情を歪ませている健一。考え込む亜紀。

弓子の家の玄関が開く。目の前には亜紀。
「これ、立て替えていただいたうちの子の治療費です」
亜紀はそう言って茶封筒を弓子へ差し出す。
「色々とうちの子がお世話になりました」
弓子が受け取ると、それじゃあ、と頭を下げ、早々に去っていく亜紀。弓子は静かに口を開く。
「他に私に聞きたい事があるんじゃない?」
足を止め、振り返る亜紀。「なんのこと?」
「例えば、私が本当の母親だと、名乗ったかどうか、とか」
睨みつけるようにじっと見ている亜紀。
「私からは名乗ってない。でもそもそも和樹は、あなたが本当の母親じゃない事を前から知ってた」、と弓子は言った。
え?
「気付かなかった?」
前から?
「そう。ずっと前から。」
そう言って弓子は部屋の中に入って行った。

場所は変わって、体操教室。ジャージ姿の生方(岩田剛典)の腕を掴んで、寛子(横山めぐみ)が話し掛ける。
「ねぇ、生方くん。六本木でクリスマスイルミネーションが始まるんだけど、授業のあと空いてない?」
すいません、別のスクールの仕事があって、と生方。
「じゃあ明日は?」
「明日もです」
ちょうどその後ろを橋口梨乃(堀内敬子)が子供の手を引き、通りかかる。
俺、今、仕事に燃えてるんで、と去って行ってしまう。
膨れた表情で寛子が振り返ると梨乃と目が合う。梨乃は露骨に慌てて動揺していた。
「あら、莉乃さん」、と寛子もばつが悪そうに笑顔を作る。「いつからいたの?」
「あ、あ、あの、だ、だ、大丈夫です、私は何も聞いてないので」、と動揺しながら梨乃が言う。
ちょっと、大丈夫ってなに?私、あんな子のことなんて、なーんとも思ってないわよ?ちょっとかわいい子犬をからかってただけ、と寛子が近寄ってくる。
「ですよねぇ?」
梨乃がそういうと、ふいに面白くなさそうな表情になる寛子。
そうだ、すごいニュースがあるんですよ、そう言って梨乃は自分のスマホをカバンから取り出す。
それを見て顔を歪める寛子。

「なんですか?大事な話って。」
仕事に燃えてるなんて嘘、と寛子。
お店の席に並んで座る生方と寛子。
テーブルの上に寛子がスマホを置き、生方に見せる。覗いてみるとそこにはある写真が。
あの雨の日、和樹の救急車を追ってボロボロになっていた亜紀を抱きしめた日、あの日の二人がスマホの写真に収められていた。
「よりによって生徒の母親となんて、職場に知られたらクビになるわよね。亜紀さんもこれは言い訳できないでしょ」
寛子の顔を見る生方。
取引しましょうよ、と寛子は言う。
「大人同士の取引、大人の男と女として。私は黙っててあげる」寛子は生方の顔を見詰めている。
「その代わり、あなたは、私になにをしてくれるのかしら?」
生方はようやく口を開く。
誤解です、と。
「亜紀さんは何も関係ないんです。この写真のときも一方的に俺がストーカーみたいに付け回して、無理矢理抱き締めたんです。」
驚く寛子。「あの人に本気でホレてるの?」
何も答えない生方に寛子は言う。
「ばかじゃないの?クビになるのよ?バカにも程があるわ。」
自分でもそう思います、と一人で微笑む生方。
何も言えなくなってしまった寛子。

マンションのロビーにクリスマスツリーが飾られている。
そらと亜紀は近付いて見上げる。
今年もクリスマスツリーの点灯式みんなで見に行こうね、と亜紀が言う。
てんとうむし?、とそら。
「点灯式!クリスマスの光がパッーってつくの。去年の覚えてない?」
亜紀の言葉に首をかしげているそら。
「お兄ちゃんもちっちゃい頃から大好きで」、と亜紀は言いかけ、ふと弓子の言葉を思い出す。
≪そもそも和樹はあなたが本当の母親じゃないことは前から知ってた≫
その言葉を思い出し、引きつったような表情でもう一度クリスマスツリーを見上げる亜紀。
それから歩き出したそらと亜紀のもとに、突然寛子が現れる。
強く腕を掴まれ、顔を向けると怒りの表情で睨みつけてくる寛子。
「どんな手を使ったの?お金で釣ったの?それとも変な薬とか?」
なんのこと?
とぼけるんじゃないわよ!、その声を荒げる寛子の声に、ロビーの周りにいた家族連れが反応する。
「生方コーチをたぶらかしたくせに!」
呆気に取られている亜紀。すると寛子は大きい声で周囲に呼びかけるように声を上げる。
「皆さん、この人!お子さんの体操教室のコーチと不倫してるんですよ」
そんなことはしてません、と慌てて大きな声で否定する亜紀。ちょうどその場に居合わせた弓子(松嶋菜々子)。
「この方とコーチの不適切な関係は、私が節度ある母親の一人として職場に報告させてもらいました!」
興奮が止まらない寛子に、ここは人目があるので、と梨乃が仲裁に入る。
うるさいわね、学歴詐称女!、と寛子。息が止まるようなショックを受ける梨乃。
「あなたのせいで彼は職ナシ、クビよ!」
「クビ…?」
そう言って帰って行こうとする寛子。それを慌てて引き留める亜紀。
待ってください、クビって?どういうことですか?と寛子の腕を掴む。
離しなさいよ!と腕を振り払おうとする寛子。止めに入る梨乃や他のママさん達。
誤解なんです、となおも食い下がる亜紀。するとみんなから引き剥がされた勢いで、近くにあったロビーのソファーの角に亜紀は頭を打ち付けてしまう。場は騒然となる。

(女は時々、嘘をつく)
体操教室でメールを打っている生方。
『和樹くん、どうですか?』
そう打ってからすぐに消してしまう。
(時には、誰のためでもなく、自らを偽るために)
亜紀が倒れた衝撃でロビーのクリスマスツリーが揺れ、飾りつけが一つ落ちる。
警備員が駆け付け、ママさん達が集まる。
(その偽りを、まかやしのイルミネーションで覆い隠して)
その小さな白い飾りつけは倒れた亜紀の顔の上に転がり落ちる。
ここでドラマタイトル。

場面は変わり、警察署。
ホワイトボードには幼児連続失踪事件の概要が書かれている。
見つかっておらず、と書かれた上部には
1件目被害者 山口光輝ちゃん(6)
2件目被害者 田代沙月ちゃん(3)
3件目被害者 木村健斗ちゃん(5)
5件目被害者 今井玲雄くん(小6)平成16年6月12日生まれ

下には『ハーメルンの笛吹き』の絵本のカバーがマグネットで貼られている。
「今井玲雄くん、玲雄くんは知り合いの中学生から激しいいじめを受けていた事が分かっています」
部屋では一連の事件の報告が飛び交う。
やっぱりわかんないなぁ、とこぼす若手刑事の津久井(上杉柊平)。
「なにが」、とその言葉に反応する荒又(光石研)。
「犯人の動機ですよ。虐待や不倫をした親を断罪をしたいという動機は、まぁ、分からなくもないです。でも子供のいじめに気付かなかった母親って、そう責められものですかね?」
目を泳がせるような表情の荒又。

「亜紀が怪我?」
健一(田中直樹)が電話を受けている。電話の相手は弓子。
念のため入院ですって。豊洲中央病院。そらちゃんは和樹くんが見てるわよ。
こないだは和樹が世話になったみたいで、と健一。
「いいえ、当たり前のことをしたまでよ」
「狙いは何だ」
狙いなんてないわよ、亜紀さんが入院してる間困ったことがあったらなんでも言って、手伝うから。
いつものように高野家をモニターで監視している弓子。今日は亜紀のいない和樹とそらだけの家。
モニター越しに和樹に触れようとしている弓子。
場面は変わって、病院のベッドに寝ている亜紀が映る。頭には厚く包帯が巻かれている。
布団の横にはそらの絵。クリスマスツリーの絵。
ふと母親の久美子(烏丸せつこ)が入ってくる。
「情けないねぇ、いい歳して取っ組み合いのケンカだなんて」
久美子に気付く亜紀。目を伏せる。
「健一さんさっきまでいたんだけどね、大勢でいるのもあれだからってそらちゃん連れて帰ったよ」
和樹は?
誘ったんだけど来なかった、和樹となんかあったの?あれだけ仲良かったのにさぁ、と久美子。
亜紀は思い出していた。和樹のやり取りを。弓子さんとは付き合わないで、と言った時に言った和樹の言葉を。
≪どうして?あの人が知られちゃまずいことを知ってるからだろ≫
「和樹の産みの母親が、うちの真上に住んでるの」
「え?」
「生きてたのよ、健一さんが死んでた事にして隠してたの。完璧な人で、私よりもずっと母親らしくて、」
「その人に取られてしまうそいで怖いって?結婚するとき、和樹の本当のお母さんになるんだって息巻いてたのあんたでしょうが!」
起き上がる亜紀。支えようとする久美子。
どいて!
ちょっと、どうしたのよ?
帰るのよ!
「医者の話だと、1日まで入院だってよ、今年の点灯式は無理だねぇ、家族で行きたい気持ちは分かるけど、医者の言う事聞いてしばらくここでゆっくりしてな」、とそらの絵を見て言う久美子。
「あなたみたいに暇じゃないのよ」、と当たる亜紀。目が合う二人。
「あ、そう。暇で悪かったね!せいぜい一人で辛気臭く悩んでればいいだろ」
そう言って病室を後にする久美子。久美子が出て行ってから顔を歪める亜紀。
病室を出てから、心配そうに亜紀の部屋を振り返る久美子。
スポンサーリンク

一方、亜紀のいない高野家。
おままごとで遊んでいるそらの後ろで、健一が一人でキッチンに立っている。
ハンバーグを焼いている様子。
お腹すいたぁぁー!とそら。
今できるからな、と健一が言うと、ふいに来客のチャイムが鳴る。手が離せない健一はそらに出てくれ、とお願いする。それ幼稚園児に頼む??怖い人だったらどうするんだろう(笑)??
そのハンバーグを返そうとした途端、フライパンから外に飛び出てしまう。しかも焦げ焦げ。
「最悪!」
玄関を開けると弓子だった。
ぐでたまの乗ったハンバーグがテーブルに並べられている。
そらの大好きなやつだぁー、と喜びの声を上げるそら。
夕ご飯まだでしょ?困ってるんじゃないかと思って、とテーブルにセットしていく弓子。
困っているような表情の健一。
「弓…、さ、さ、佐々木さん、あ、あの、気持ちは、有難いんだけど…」
弓子は和樹の部屋の外から、夕飯食べよう、と声を掛けている。
すんなり和樹の部屋行ってるけど、知ってるのおかしいでしょ!!(笑)
「ありがたいけど、大丈夫だから」、と健一が言う。
和樹が部屋から出てきて言う。
「佐々木さんがダメな理由でもあるの」、と。
いや、そういうわけじゃ…、と健一。
「じゃあいいんじゃない?」
和樹のその言葉に嬉しそうに微笑み、温かいうちに食べましょう、と言う弓子。
みんなで向かい合い、テーブルの席に座る。いつもの亜紀の席には弓子が座っている。
ぐでたま寝てる!可愛い!、とハンバーグを見て嬉しそうなそら。
すごいな、そら、と優しく声を掛ける和樹。
食べている和樹の姿を嬉しそうに見詰める弓子。下を向いたまま気まずそうに食べている健一。またそれを見詰める弓子。
夕食が終わり、キッチンで後片付けをする弓子。
「もういいよ、洗い物ぐらい俺も出来るから」
「ダメよ、あなたがやると必ず洗い残しがあるんだから」
洗剤はどこかな、とキッチンの収納の開きを開けている弓子。あまりいじらない方が、と制す健一。
もしかして奥さんに遠慮してるの?、と弓子。
亜紀さんの怪我したトラブルの原因は、亜紀さんの不倫よ、と。「まさか、」驚く健一。
「相手は生方航平くん」
そんなの噂だろ?、と健一。
「どうかしら」
弓子はそう言って、少し前に、亜紀が持っていたものを思い出す。キッチンの近くの棚へ歩み寄り、引き出しからそれを取り出す。「あら?」、と気付いたふりをしながら。
それは緑色の離婚届。
「これでも噂って言える?」
驚く健一。和樹はそのやり取りを自分の部屋から聞いていた。扉が閉まり、それを理解する弓子。

病室にそらが来ている。もみじ狩りの時のどんぐりを手に持っている。何もしゃべらないそら。
亜紀は、ベッドに横になったままそらの髪を撫でている。なんとなくそらの様子を見て、亜紀は不思議に思い、声を掛ける。
「どうした?幼稚園でなにかあった?」
「ママ、ふりんってなあに?」
驚く亜紀。
「幼稚園でからかわれた?」
「友達にママがふりん、って笑われたみたいでさ」
そらは廊下に行き、病室には健一が来る。
「そんな、」
「子供まで巻き込むなよ」
「えっ?」
「不倫の相手はやっぱりあの生方なのか?」
「なに言ってんのよ、パパまで本気にしないでよ」
「じゃあこれはなんなんだよ、どういうつもりだ?」
離婚届を見せる健一。亜紀の部分の記入はすでにされている。
「これは航平くんとは全然関係ない、っていうか、パパのせいでしょ」
亜紀のその言葉に怒りを見せる健一。
「私見たのよ、和樹の面談の日。もう弓子さんとは二人で会わないって言ってたのに、ああやっていつもこそこそ二人で会ってるの?」
あの時だけだよ、焦りながら健一が反論する。
「あの時はあいつに脅されて…」
そんなの!、と声を荒げると痛む頭を押さえて、亜紀が続ける。「そんなの通用すると思う?」
「お前はどうなんだよ、あんな噂立てられて、子供傷つけて、それでも母親か!母親だったら隙を作るなよ、24時間母親でいろよ!」健一は苛立ち、立ち上がって亜紀を責め立てる。
悔し涙が溢れる亜紀。
とにかくこれ、お前がそうしたいなら、こっちも考えるから、と健一は言い残して部屋を出て行く。
病院の廊下の窓辺にどんぐりを並べていたそらは無理矢理健一に手を引かれ、どんぐりを置いてきてしまう。
「あ~、でもこれ、ママに~」

弓子の家へ一人で来た和樹。
「いらっしゃい、待ってたわ。」
リビングのソファーに座る和樹。
「あの話、本当なんですか」俯き、和樹が口を開く。
「僕の本当の母親を知ってるって。」
「あなたはどこまで知ってるの?」
「最初に気付いたのは、中一のときでした。」、和樹は重い口を開く。
「親が結婚指輪を外したのを偶然見たんです。内側に結婚式の日付が刻まれていて、俺が生まれた日より2年も後だったからおかしいなって。それで戸籍とかいろいろ調べたら、なんだこれって。」
和樹は続ける。
「いつか言ってくれると思ってました。でもいつまで経っても言ってくんないから、あぁ、この人たち俺を信用してないんだなぁって」
涙が声に滲む。
「やっぱしょせん他人なんだなぁって」
「話してくれてありがとう。」
涙を隠すため、手で顔を覆う和樹。有難うの言葉に頷く。
隣に座る弓子。
本当のお母さんのこと、話してあげてもいいわ、と弓子。ふいに顔をあげる和樹。
「でもその代わり、今のお母さんを捨てる覚悟はある?」

警察署の場面に代わる。
この子が親を捨てたのかもしれんなぁ、と荒又(光石研)。
「いじめに気付いてくれない母親に絶望して、逃げ出したのかもしれん。」
どういうことですか?、と津久井(上杉柊平)。
「玲雄くんをいじめていた中学生を突き止めて話を聞いた。そしたら」、と荒又は話しながら、スマホを津久井に見せる。受け取ったスマホを見た津久井はうわっ、と声を漏らし顔を歪める。
するとふいに携帯電話が鳴る。
「刑事さん、助けてください!」
相手は今井玲雄の母親(酒井美紀)だった。
「離婚した夫が乗り込んできたんです。追い返してください!」
荒又と津久井が今井玲雄の家に駆け付けると、スーツ姿の男性と母親が言い合いをしている。
「お前がだらしないから、こんなことに!」
「あなただってあの子に会ってたでしょ!」
「一緒に住んでたお前が気付けないでどうすんだよ!」
「あたしにばっかりなすりつけないでよ!」
「お前のせいで玲雄は誘拐されたんだ!」
そのやり取りを見ていた荒又は声を張り上げる。
「あんたらそれでも親か!」
うごき、両親の言い合いがピタッと止まる。
「お二人とも、これを見てもそんなことが言えますか!?」
荒又はスマホを今井玲雄の両親に向ける。裸に下着一枚だけの姿になった玲雄がそこには映し出されている。その体には痛々しいほどのたくさんのアザ。涙を腕で隠している。それを見た二人は言葉を失う。母親は手を口に当てる。
「このアザを見てもまだ、気付かなかった他人を攻めたいですか」
荒又はゆっくり話し出す。母親は涙があふれ、手を震わせている。
私ね、息子を亡くしてるんですよ、と荒又。
いじめを苦にした自殺で、私も気付かなった大人の一人です。
驚くも、真剣に話に聞き入る津久井。
「そのことで、私も妻も嫌って言うほど、お互いを責めました。父が悪い、母が悪い、学校が悪い、社会が悪い。そうやって大人たちが責任を押し付け合ってる間に、また一人、別の子供が犠牲になってるんです。こんな可哀想な子ども、もう二度と見たくないんですよ」
そう言った荒又は怒りに手を震わせていた。

『砂の塔~知りすぎた隣人』第8話ネタバレ&感想その2につづく