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『逃げ恥』第8話・完全ネタバレ感想レポート!!セリフあり!その2

『逃げるは恥だが役に立つ』第8話 ネタバレという名のセリフあり感想ありの完全レポート PART2!


『逃げるは恥だが役に立つ』第8話ネタバレ&感想レポートその1はこちら

その頃、館山の森山家の前に、『八百安』のトラックが。
やっさん(真野恵里菜)が大量の野菜を桜(富田靖子)たちのお家の中に運ぶ。
ひらりちゃんは、と桜が聞くとばあちゃんが見ててくれてる、とやっさん。
運ばれてきたたくさんお野菜を見て、筑前煮が食べたーい、と桜。
ちょうどその頃、帰ってきたみくり(新垣結衣)。本当に来るとは、とやっさんに声を掛ける。
「来たら野菜ジャム教えるって言った~」、とやっさん。
みくりは思い出したように、やっさんを端に呼び寄せ、契約結婚のことは内緒で、と伝える。
頷くやっさん。いつの間に、話してたんだ!?(笑)
「ひと多くない?」
すると後ろからスーツ姿のちがや(細田善彦)が入ってくる。
「なんでみくりがいるんだよ~」
「いいじゃん」
どうも、と軽めに頭を下げるやっさん。
あ~、なんだっけ、あ、ヤンキーのやっさん!と指を指すちがや。
安恵だからやっさん!と正すみくり。
別に似たようなもんじゃん、とちがやは何食わぬ顔。
兄貴、全然変わんないね、とやっさん。
壁ドンしてもいいよ、とみくりが言うと、葵が反応。「壁ドン?」
ときめかない方ね、とみくりが笑う。
「こういうね、ドーン!ってやつ」、と胸倉を掴んで見せるやっさん。横で真似している葵。
突然、「津崎くん呼ぼう」、と栃男(宇梶剛士)。
慌てて否定するみくり。ふとちがやが言う。「旦那と喧嘩してんの?」
動揺するみくり。
「それで家出?そういうことかぁ、そっかそっか!どうせまた小生意気なこと言ったんだろ~?」
小さくなるみくり。
「もっと優しくさ、疲れた旦那を立てないと」、と悪びれずにそう言って、みくりの肩を叩く。
みくり…、とやっさんが声を掛ける。みくりはやっさんにお願い、と弱弱しくいう。
それを受けてやっさんはちがやの方へ一歩進もうとすると、葵が先に立ち上がり、ちがやの胸倉を掴み、壁にドーン!っと押し付ける。
これぞ壁ドン!そしていつもは出したことのないような野太い声を出してちがやに言い放った。「いい加減に、しなさ~~~~い!!」
驚いたちがやが細い声を漏らす。「えぇぇぇぇぇ~~~!?」

館山の森山家のキッチン。
手書きの筑前煮の作り方がメモしてある紙を読みながら、ちがやと栃男が並んでエプロン姿。
慣れない手つきでごぼうを切り始める栃男。
ちがや「なんで俺がこんなことを…」
栃男「どうしてお前はこう育っちゃったんだろうねぇ」
ちがや「え?俺、幸せだよ?」
栃男「周りの人も幸せにできたら良いねぇ」
ちがや「自分が幸せじゃないと、人を幸せに出来ないよ」
栃男「お前、良い事いうねぇ」
ちがや「父さんの息子ですから」
栃男「だからか?」
『ふはははははは!!』
キッチンで声を揃えて大笑いしている二人。手を握り合っている。無言で覗いているみくり。
一方女子組は居間で野菜ジャム作り。
「向こうは男同士褒め合ってて気持ち悪かった」、と戻ってくるみくり。
「うちはお父さんもお兄ちゃんも、自己肯定感が強いよね」、と切り出す。
みくりも子供の頃はそうだったじゃない?と桜。
私は学校や社会で折られまくったもん、と返す。すると葵。
普通そうじゃない?ちがやさんが奇跡的に折られないまま来ちゃっただけで。
「それ、幸せと言えば、幸せだよね」、とみくり。
私は蝶に大怪我はさせたくないけど、擦り傷くらいはさせたいかな、とやっさん。
経験値としてはあった方が良いかもね、と桜。
(擦り傷程度の浅い傷、だとしても何度も何度も傷を受ければ、深刻なダメージになる)
野菜を黙って切り続けるみくり。
(くたびれてしまった)
≪僕には関係ありません≫吐き捨てるように言う津崎を思い出す。
(自尊感情の低いあの人を好きで居続ける事に)
(拒絶されても平気なフリで、笑い続ける事に)
「だからね、市議会議員に立候補するっていう手もあるかな、と思って」
みくりが突然突拍子もない事を言ってみせる。
「へぇ、いいじゃない」、と普通に受け入れる桜。
「今の、だからね、はどこから続いてたの?」、と冷静な葵のツッコミ。
さっき市議会議員の野口まゆさんと話をした、とみんなに話すみくり。
選挙演説も妄想でならしたことあるし、と。
イメトレはバッチリね、と桜が合の手を入れる。
「世のため人のためになりながらお給料がもらえるって素晴らしいと思わない?」
はい!、と葵が挙手。
議員候補のみくりさんに質問です、働く女性の育児についてどうお考えでしょう?、と。
「生討論しちゃう?」、と目を輝かせるみくり。
「はあ?」眉間にシワを寄せ、いかつい顔を見せるやっさん。
「わたし、田原さんやる!」、と前髪を横に流す桜。

ここでパロディきたーーーー!!真っ暗な画面に『あくまで生テレビ!』の文字。
『激論! 働く女性の育児問題』
「えー、こんばんわ、」中央に桜が座り、司会を始める。
森山葵 共働き主婦代表:「今の世間の要求は無謀ですよ。働けよ、産めよ、育てよ、女として美しくあれって、身体がいくつあっても足りません!」
森山みくり 市議会議員候補:「いっそのことみんな高校生のうちに出産したらどうでしょう」
田中安恵 シングルマザー代表 元専業主婦代表:「はあ!?」
働きながら育てるより、学生時代の方が育てやすいと思うんですよ。高校の空き教室に託児所を作って授業中は預けておく、休み時間に授乳しに行く、とみくり。
みんなの真ん中で大きなあくびをしている梢ちゃん。
「出産で休学しても、夏休みに補習を受ければ授業に追いつけます」
「家庭科の授業でベビー服や離乳食の作ったりしてねぇ」、と桜も参戦。
「そうやって学校全体で子育てをして行けば…」
そこを葵が入る。みくりちゃん、発想としては面白いけど、高校生育児制度を掲げて立候補しても、まず当選できないと思う!、と冷静な指摘。
「高校くらい青春したいなぁ~」、とやっさん。すると今度はやっさんが突拍子もない事を。
「男もさ、子供産めるようになれば良いんだよ」、と。しかしこれが意外にも好評。
「夫と妻で交代に産んだりして!」、と乗っかる桜。
「選ぶ余地があれば、お互いに気を遣えそう」、と葵も。
「しまった、科学者の道に進むべきだった」、と悔しそうなみくり。
「気色悪い事言ってんなぁ」、と、栃男と並んで盗み聞きしていたちがやがポツリ。しかし栃男。
「俺も産みたい!」
ちがや顔を崩しまくりで、「えぇぇぇぇぇ~!?」

「乾杯~!」
とある居酒屋。ビールジョッキを合わせ合う三人。日野(藤井隆)、風見(大谷亮平)、沼田(古田新太)。
嬉しそうにビール最高!と叫ぶ日野。
それから黙りこくっている沼田に、お口オープン!と促す。
「開いても何もしゃべらないからな」
「喋りたい事でもあるんですか」、と顔を覗き込む風見。
素早く反応する沼田。その様子をじっと見ている風見。風見もなかなか鋭い!
何を頼むかで盛り上がっている日野を制する沼田。日野くん落ち着こう、たかが居酒屋だ、と。
「メッチャ楽しい!俺の中で超アミューズメント!」そう言って電話をかけ始める。
留守電に切り替わり、がっかりするも、メッセージをハイテンションで吹き込む日野。
津崎さん!仕事切り上げて、早くこっちに来てー!日野という超レアキャラと飲めるチャンスめったにないからね!この留守電聞いたら速攻で来て!!、と。
それをオフィスでリアルタイムに聞いていたまだ会社の津崎(星野源)。
(今、お酒を飲んだら言わなくていい事まで言ってしまいそうだ)
(しかし日野さんにはお世話になっている)
津崎、デスクの席から立ち上がる。
(しかし体調もよろしくない)
津崎、やっぱり椅子に座る。
そしてしばし考える。(しかし日野さん…)
津崎、デスクの席から立ち上がる。
(しかし、この淀んだ気分では…)
津崎、やっぱり椅子に座る。
(レアキャラ…)
津崎、デスクの席から立ち上がる。
(…………)
津崎、やっぱり椅子に座る。
ため息を落とす。
(こんなにハッキリしない男は、みくりさんに愛想をつかされて当然だ)
居酒屋、日野は津崎に気付く。やっと来た!と手を振る。頭を下げる津崎。
沼田の隣、風見の前に座る。みんなでグラスを合わせ、乾杯をする。小さく頭を下げる津崎。
百合ちゃん(石田ゆり子)も呼んだんだけどね、と沼田。
「百合ちゃん?」
「あ、俺たち、百合ちゃん沼ちゃんの仲だから」、と沼田。いつの間に、と津崎。
「俺も会いたーい!百合ちゃんとみくりちゃんにぃ!」、と悶えて言う日野。
少し笑う津崎。「百合さんは分かりませんが、みくりさんには会えませんよ、きっと」
「会わせろよぉ~」
津崎をじいっと見ている沼田と風見。
館山では家族と友達に囲まれて楽しそうに笑っているみくり。
居酒屋で浮かない顔で、お酒を飲む津崎。お酒を無理矢理流し込んでいるように見える。
風見さんちの家事代行の人どうなったの?、と日野が突然、口を開く。
言ってたじゃん、狙ってるって。
それが今週、急にお休みで、と風見は答える。
気軽に休まれてもねぇ、と笑う沼田。風見は答える。
「気軽じゃないと思います。彼女は自分の言動に責任を持つタイプだし」
顔色が曇っていく津崎。
「よほどいたたまれない事があったんじゃないですか」
そう言って俯いている津崎を見やる風見。
「どんな?」、と日野。
「そこまでは知りませんけど」
そんなやり取りに津崎が口を開く。
「知らないなら、なにも言わないでください」、と。
その言葉に、津崎を見る沼田、日野。そして風見。
「事情は知りませんが、津崎さんより僕の方が彼女のことを知ってるかもしれない。見えている、というべきか」、と挑発してくるような風見の言葉。
何が見えているか知りませんが、違うものが見えていて当然じゃないでしょうか、と津崎は静かに言う。
「僕とあなたはあまりにも違う」、と。風見を見もせずに俯いたまま。
「違う?」
「僕はこんな場所でひとに皮肉を吹っ掛けるような自信に満ち溢れた人間じゃないし。生き方も見た目も、なにもかも違う、根本的に違うんです」。
そんな空気に沼田と日野が助け舟。
「みんな違ってみんな良い!」
「いいよねぇ!飲んじゃおう飲んじゃおう!ね?いっちゃおういっちゃおう!!」
なんかさぁ、ここの人たちみんな良いヤツ過ぎない?特に日野!
なおも津崎をじっと見ている風見。顔を歪めながら苦しそうにお酒を飲み続ける津崎。

飲み潰れた津崎を百合ちゃんが車で迎えに来る。後部座席に倒れ込んだ津崎は、すっかりまどろみ目を閉じている。
そんな様子を見て呆れたようにため息をつく百合ちゃん。
「まったく!いい歳してなにやってんの」
さーせんす!、とご機嫌な沼田。
しくよろしゃしゃ~す!、とろれつが回らない感じで頭を下げる日野。
「多少、責任を感じるので、付き合います」
風見はそう言って、早々と助手席に乗り込む。
もう1軒行っちゃおう、と盛り上がる沼田と日野。反省していないハイテンションな二人。

お父さんに厳しすぎない?、とみくり。桜の分の布団を敷いてやっている。
定年退職したんだから少しは家事手伝ってよ、って気持ちは分かるけど、と。
先月ね、定期健診受けたの、と桜は椅子に座って話し出す。
お父さんには言ってないけど、再検査の項目があって、精密検査してきたんだ、と。
「それで?」
たっぷり間を取る桜。ドキドキのみくり。
「なんともなかった」
「なーんだ!」安心の表情を見せるみくり。
「結果が出るまで不安でね、あれこれ考えちゃって。もしあたしが先に死んだら父さんどうなるんだろうって。だからいい機会だと思って」
「なら、そう言えばいいのに」
「もし先に死んだら…なんて言ったら、お父さん心配するでしょ。本当に死ぬんじゃないかって」
笑顔でみくり。「いいね、愛されてて」
愛してるわよ、お互いに努力して、と桜は言う。
「努力なの?」
「無償の愛なんて注げないわよ、他人なんだし」
言うねぇ、と笑うみくり。
「運命の相手ってよく言うけど、わたしそんなのないと思うのよ」、と桜は続ける。
「夢がないなぁ」
「運命の相手にするの」
母の言葉に思わず手を止めるみくり。
「意思がなきゃ続かないのは仕事も家庭も同じじゃないかなぁ。」

百合ちゃんの車内。風見の声。
「津崎さんの御蔭で昔のことを思い出しました」
後部座席で横たわったまま目を開ける津崎。
「その話おもしろい?」
「ちっとも」
「じゃあ話さないで」
百合ちゃんの返事を受けてから、風見は話し始める。
「中学の頃、僕はモテたんです」
話すんだ、と少し笑う百合ちゃん。
「初めてできた彼女は、どちらかというと地味な女の子でした」
ここから風見の回想が始まる。
図書室で本を手に取る少女、ゆかり(奥田こころ)。
図書室のテーブル席からその少女を見詰める風見少年(青木綾平)。
「僕はとても彼女が好きだった」、と振り返る風見。
ところがある日、少女は言う。風見に背を向けて。
≪風見くんといるのがつらいの≫
≪風見くんは格好良くてスポーツも出来て、女子に人気で、私は地味で可愛くないし、なんであの2人がって、みんなに言われて≫
≪そんなこと、気にしなきゃいいだろ≫
≪風見くんには分かんないよ!私と風見くんは全然違うんだもん≫
打ちひしがれる風見少年。
「そんなこと、僕にはどうしようもない。彼女が自信を持てないことは彼女の問題なのに」
車の中に風見の声が響く。目を開けて聞いている津崎。百合ちゃんも黙って聞いている。
風見は続ける。
あなたにどれだけ拒絶されても大好きだよって言ってあげれば良かったんでしょうか。向こうは僕の気持なんか考えちゃいないのに。自分ばかり見ている彼女に、なにを言えば良かったんでしょう?、と。ただ静かに聞いている津崎。

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家に帰って来て、キッチンで水を飲み干す津崎。
冷蔵庫を開け、並んでいるタッパーの一つを手に取ってみる。
みくりのメモ書きが付いている事に気付く津崎。直筆で、津崎へのメッセージも入っていた。
『朝食① ごはん 出汁巻き さば塩焼き きんぴらごぼう レンジで温めて食べてくださいね。今日も一日頑張りましょう。』

驚いて、もう一つも手に取ってみる。
『朝食② ごはん ねぎ入り卵焼き 根菜煮 にんじんしりしり 今日のにんじんは甘くて絶品です』

『夕食① 炊き込みご飯 なすのはさみ揚げ かぼちゃの煮物 出汁をしっかりとった炊き込みご飯はおかずともよく合います。』

持ちきれなくなったタッパーをキッチンに置き、次から次へと手に取る津崎。
『夕食② オムハヤシ ブロッコリー 根菜ガーリックソテー おつかれ様です。38℃のお風呂に浸かるとリラックスできますよ!』

『夕食③ さんまのかば焼き きんぴらつくね 根菜黒酢炒め 今日は秋の根菜たっぷりです。レンコンも入ってます。』

『夕食④ チャーハン 野菜あん チンゲンサイしゅうまい にんじんしりしり おつかれ様です。今日は中華です。栄養もたっぷりです!』

電子レンジで温め、テーブルにすべて並べて、一つずつ食べ始める津崎。
(どんな思いで作ったんだろう)
(どんな思いでここを出て行ったんだろう)
(あのとき、みくりさんは)
あの時の夜を思い出す津崎。みくりに思いを馳せる。
(どんな思いで)
(自分の気持ちでいっぱいで)
(僕はみくりさんが残していってくれた料理を手に取る事もしなかった)
暗い、一人の部屋で、もくもくと食べ続ける津崎。

館山の家で、夜、みくりは家の外に出て、外を見上げる。
(誰かを誠実に愛し続けることは、ものすごく大変なことなのかもしれない)
(ひとの気持ちは変えられないけれど、人生のハンドルを握るのは自分自身)
夜の道を走り続ける百合ちゃん。もしかして遠回りしてくれてます?と助手席の風見。
黄昏たいかなぁ、と思って、と百合ちゃん。
「今の若い子って車持たないわよね」
無くても困りません、と風見。
「出た!」、と百合ちゃん。確かにどこかできいたセリフ!(笑)
電車やバスで大概の所は行けます、と風見が夜道を見ながら話す。
「そうね、でもね、あなたが思ってるよりずっと遠くまで行けるのよ」
風見はそんな百合ちゃんを見て、優しい表情で微笑んでいた。

翌日、館山の家で、布団のシーツを干している栃男とみくり。
「みんな一気に帰っちゃって寂しいなぁ」、と栃男を眺めながらこぼす桜。
来るなって言ってたくせにぃ、とみくり。
「みくり、ずっと居ても良いのよ」、と微笑む桜。
ありがと、と、しかし表情は硬めなみくり。

場面は変わって、外を歩いていたみくり。ふと携帯に着信が入る。表示は『平匡さん』。
電話を取ると、「平匡です」、と、平匡の聞きな慣れたあの声。
「はい」
「ごめんなさい」電話口から聞こえてくる。
「あの、もう、謝られるのはお腹いっぱいで」、とみくり。
「すいません、あ、いや、ごめんなさい…。あ!いや、…」
しばらくの間を置き、みくりは訊ねる。何の用ですか、と。
「み、みくりさんに言いたいことがあって」
…僕は、そう津崎が言うと、みくりが慌てて声を張る。「待ってください」
先に私が話します、と。
「平匡さんの結論がどうであれ、私の気持ちは固まったんで」
そう言って一呼吸置き、みくりは話し始める。
「私、自分の気持ちを因数分解してみたんです。余計なことを取っ払って、最後に何が残るか」
「素因数分解ですね」、と津崎の冷静なツッコミが入る。
「はい。仕事とか収入とか、自分のやりたい事とか、なりたい自分とか。色々考えて、それで…」
「ちょっと待ってください」、と止める津崎。
「やっぱり僕に先に話をさせてください」
「私の気持ちはもう固まって…」、とみくりは言うが、
「電話を掛けたのは僕です、僕が先に話す権利があるはずです」、と津崎。
「確かに」、としぶしぶ受け入れるみくり。
「僕は、…女性経験がありません」
そう話す津崎は外にいる。
みくりは黙って聞いている。
「それでも良いと思って、生きてきました。だけどあの夜、真っ先に思ったことは」
津崎は続ける。
「失敗したらどうなるんだろうって。10歳も年下の女性にリードされているという情けなさもあったと思います」
津崎はゆっくりと懸命に言葉を選んで話していく。
「拒絶されたみくりさんがどう思うかということは、まったく頭にありませんでした」
静かに聞いているみくり。
「ごめんなさい」
津崎は謝罪の言葉をまた繰り返す。
「未経験だと知られることが怖くもありました」
「知ってました」
ようやく口を開いたみくり。
「え?」
「知ってました、とっくに」
津崎は顔を歪め、目を伏せる。
「平匡さんのお母さんから聞いた話とか、色々総合してそうかなぁって」
言葉を出せない津崎。
「私にとっては大したことじゃありませんでした」
みくりはゆっくり話し出す。
「でも、拒絶されたのは、すごく、…すごく、ショックでした」、と。
その言葉を静かに受け止める津崎。
このままで館山で市議会議員になろうかと、とみくり。
「し、し、市議会議員?」と繰り返す津崎。
「同い年の議員の女性に会って、そういう人生もアリかなぁって。そう考えたら気が楽になりました」
隣の掲示板に貼ってある選挙のポスターに気付く津崎。みくりが見付けたのと同じ『野口まゆ講演会』のポスターだ。
「他の道もあるんだから、今の道で失敗してもいいやって」
険しい顔で聞いている津崎。
「これから303号室に帰ろうと思います」、と言うみくり。
顔をあげる津崎。
「全部取っ払った答えがそれです、平匡さんは迷惑かもしれないけど、このまま終わりなんて、中途半端だし。もう一度会って、ちゃんと話を…」
「会えます!」声を張って言う津崎の言葉。
「えっ?」
「今、います!すぐ近くに」
驚いているみくり。会って、と津崎は続ける。
「火曜日分の、ハグを!」
みくりの顔に笑顔が蘇る。
「はい!」
その声に、津崎は勢いよく走り出す。笑顔のみくりも歩き出す。
館山の森山家に辿り着く津崎。まだ洗濯物を干していた栃男(笑)。「津崎くん!」
「みくりさんは?」、と息を切らして津崎。
ちょっと待って!、と歩いていたみくりは足を止める。電話はまだ繋がっていたようで、平匡は慌てて携帯を耳に当てる。「えっ?」
「平匡さん、今どこにいます?」
「どこって、館山の…」
「私、今、マンションの前です」、とみくり。
両手を広げて津崎を迎え入れる栃男。よく来てくれたぁー!、と走って来て津崎を抱きしめる。
「平匡さん!ハグは?」、と電話口でみくり。
「いま、されてます。お父さんに」、と小さくなって電話で答える津崎。
「えぇぇぇぇぇ~!!」、と顔を歪めるみくり。

いつもの部屋に一人、帰ってきた。荷物を置いてふとキッチンを見ると、作り置きしておいた食事の入ったタッパーがすべて空になって、綺麗に水切りラックに並べられている。
それを見て、笑顔をこぼすみくり。
一方、館山で、栃男にお酒を注がれる津崎。謙遜しつつも今日中には帰りたい、と控えめに伝える津崎だが。
桜「いいじゃない!」
栃男「明日休みだろ?」
お布団はいっぱいあるから、とまったく聞き入れてくれない二人。
「あ、みくりのアルバム見る?」、と栃男。
「見たいですけども…」、とそこは正直な津崎。
あ!ビデオもある!、と声を張り上げる桜。「運動会!」
すると栃男が5時間にまとめたやつね、と。
「まとめて5時間!?」
ツッコまずにはいられない津崎。
マンションで津崎の帰りを待っていたみくり。リビングで津崎からのメールを開く。

2016/10/29 19:25
すいません。 今日は帰れそうにありません

運動会のビデオを見ている三人。津崎の携帯がメール受信を報せる。

2016/10/29 19:29
すいません。 うちの両親強引で。

盛り上がる両親を適当にあしらいながら津崎はみくりへ返信を打つ。

2016/10/29 19:32
明日には帰ります。

それを受け取ると、自然に笑顔がこぼれているみくり。
(明日のご飯は何にしようか)
(どんな話をしようか)

2016/10/29 19:35
待ってます。

館山の家で、同じく、携帯を見ながらひとり、笑顔があふれる津崎。
(子供みたいにワクワクしながら)

2016/10/29 19:38
待っていてください。

(明日が来るのを待ちわびていた)
一人、微笑むみくり。

第8話≪完≫

感想

いやぁぁぁ、良かった!
とにかく良かった離れている時間も大事だよね。お互い再確認というかね、自分と向き合うというかね。
お互い離れていても、相手で頭がいっぱいって感じで良かった。
あと、桜の話も良かった。運命の人ってのは、自分で努力してそうしていくものだ、っていう。
でもそうだよね、人は成長しあって、良い関係を築いていくんだもん。
出会った頃のまま成長が無くて、お互い立ち止まったままで、理想の関係は作れないよね。それじゃあやっぱり生活は続かない。
お互い違う環境や価値観で生きてきて、一緒になって行くんだもん、「察して」は無理です。
ちゃんと気持ちを伝えあったり、話し合ったりして、お互いを思いやって一緒に成長していくんだよなぁって。
これは夫婦に限らず、友人関係でも職場でも、人間関係全般に言える事ですよね。
だから運命の人を探したり、待つんじゃない。
自分も努力すればいいんだ。相手に求めるだけじゃなく、自分も。
そして自分の選んだ相手とひとつひとつゆっくりと二人で乗り越えて行くんだ。勉強になるなぁ!!
でも今回は二人のラブラブな絡みが少なかったから、次回はたくさん見たいなぁ!(笑)
もうすぐ終わってしまうのが寂しいなぁ!

源さん、体調崩しているみたいで心配ですね。多忙を極めてますもんね。
今回は特に、みくりに会えてないから(?)元気も活気も湧き出てこないって感じで(笑)、お体も辛そうに見えました。
苦しそうにお酒を煽る姿にこっちまではぁはぁ、しちゃいそうでした(笑)。
お大事にしてほしいですね!!