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『砂の塔~知りすぎた隣人』第7話ネタバレ&感想レポートその1

『砂の塔~知りすぎた隣人』第7話ネタバレ&感想レポートPART1!


さてドラマも後半戦です!
早速いってみましょう!!
第7話

さささーっと畳み掛けて前回のダイジェストが流れる。
亜紀、「盗聴してたんですか?」
弓子、「最初から友達のフリして近付いたの」
亜紀の渾身の平手打ち炸裂。
亜紀、「嬉しかったのに、私の事良いお母さんだって言ってくれて」
弓子、「あなたが良いお母さんな訳ないじゃん」
悪そうな仲間たちと歩いていく和樹。
和樹の事、ちゃんと二人で向き合おう、面談も行くよ、と健一。
安心して喜ぶ笑顔の亜紀。

「和樹が模試に来てない?」
ここからが今回からのお話。高校に来て、面談をしている亜紀(菅野美穂)。
亜紀一人、担任教師一人で、ある部屋に向かい合って座っている。
授業もさぼりがちで改善は全く見られない、と残念そうに話す担任。
この間の紅葉狩りを模試だ、と断られたことを思い出す。
ところで今日はご主人は?、と担任。
さきほど見かけた健一(田中直樹)と弓子(松嶋菜々子)を思い出す。
≪約束するよ、もう二人で会うことはない≫
弓子は健一の頬にキスをしていた。
顔をあげられず、急用でして、と亜紀は絞り出す。
「いま、和樹くんの事以上に急を要するすることってあるんですか?」
苦い顔を作りながら、亜紀は言う。
「私が一人で何とかします」
しかし、と言い掛ける担任教師の言葉を遮り、亜紀は強い口調で言う。
「あの子は必ず私が守ります」、と。

場面は変わり、先ほどのお店を出て外に立っている健一と弓子。
いいか、と健一は弓子に近付いて小さい声で言う。
何度も言うけど、あの事は絶対誰にも言うなよ、俺達の過去は全部、俺と君だけの秘密だ、と。
必死ね、と目も合わせずに弓子。
真剣な表情で返す健一。「当たり前だろ」

茶封筒を見詰めている生方(岩田剛典)。≪これ、夫婦の秘密。≫
弓子の言葉を思い出していた。
≪亜紀さんがこれを知ったら、あの夫婦は終わり。彼女もあなたのものになるかもね。≫
封筒をあけず、橋の所で立ち尽くしている生方。

その頃世間はハーメルン事件の続報で賑わっていた。
4人目の被害者とみられていた前田千晶ちゃんが無事発見された事で、報道関係者の取材は白熱していた。千晶ちゃんの眠っている病院前は連日、たくさんの報道陣でごった返している。
「昨夜8時頃、山梨県の山中で意識不明のところ、発見され、いまだ意識が…」
病院のロビーのテレビのチャンネルをコロコロと変えている刑事の荒又(光石研)。何かを探しているように。
「荒又さん」、と後輩刑事の津久井(上杉柊平)が駆けてくる。
「千晶ちゃんの体に数か所の傷やアザがあったみたいです」
そう話して診断書を見せる。

氏名 前田千晶
生年月日 平成25年6月12日
症状等
衰弱、低栄養による昏睡状態にあるが、全身状態は安定している。
点滴治療および全身管理を行い治療を進めていきます。

胸部、腹部、背中等に数カ所の殴打痕や裂傷痕が見られる。
ただ、それらの傷に関しては受傷後、時間が経過しているように思われる。

と、ある。
「ただ、それが犯人にやられたものじゃないみたいで」
驚く荒又。
「医者によると、もう治りかけの古い傷みたいで。親による虐待の可能性もあると…」
前田千晶ちゃんが眠るベットの横に座っていた両親が映る。父親が不意に立ち上がる。
「今度は虐待か…」、と荒又。

家に帰って来て椅子に座って何かを考えている亜紀。
面談用のよそ行きの服を着替えぬまま。
すると玄関の音がし、和樹(佐野勇斗)が返ってきた。
待ちなさい、と亜紀がリビングから出てくる。
絵本を読んでいたそら(稲垣来泉)はチラッと二人の方を見た。
和樹の部屋に入る亜紀。
「模試行ってなかったんだって?どうして嘘をついたの?」
何も答えない和樹。
「教えて、どうしたいの?お母さん、お兄ちゃんのためなら何だってするから。」
亜紀がそう言うと反応を見せた和樹。振り返って、じゃあ金、と。
なんでもしてくれんだろ、金、と亜紀に向かって手を差し出す。
和樹の方に歩み出て、「なにに使うの?」、と亜紀。
参考書、と和樹が答えると、亜紀は部屋を出て行く。自分の鞄から財布を取り出し、中身を確認する。しかし財布には2千円しか入っていなかった。部屋から出てきてそれを見ていた和樹。
明日降ろすから、いくら必要なの?と亜紀が真っ直ぐに質問すると、目を伏せたまま、ばっかじゃねぇの、と呟き、扉を閉めてしまった。

夜、帰ってきた健一が亜紀に言う。
そらはもう亜紀の隣でぐっすり眠っている。
今日は面談、間に合わなくてホントにごめん。とにかく和樹とは今度俺がゆっくり話す…、と健一が話していると、亜紀がその言葉を遮る。
「いいよ」
驚く健一に、亜紀は吐き捨てる。
パパは仕事で忙しいんでしょ、だからもういい、と。
そんな怒るなよ、どうしても外せない仕事で…と健一。
もう分かった、とぶっきらぼうに返す。健一を喋らせないような空気にする。そらに添い寝する亜紀。
「どうしたんだよ、なんか変だぞ。」
変なのはパパの方でしょ、と亜紀はそのまま寝室を出て行った。
呆然とする健一。
この時のそらちゃんの寝顔凄いんだけど。これ演技なの?寝たフリなの?マジ寝じゃない?
でもたまたまマジ寝しちゃってたらその間に演技しちゃおうってのは危険すぎるし、やっぱり演技??この寝顔自然すぎる!!すごい!この本当に寝てる顔分かるかな?すごいよ、この寝てる感じ。って、話脱線しまくりました。すいません、どうしてもこの驚きを伝えたくて(笑)。
話を戻します。
寝室から出て行くとき、紅葉狩りの時にそらが拾ってきて、顔を書いてくれた仲良し4人家族の笑っているドングリさん達が並んでいるのを見る亜紀。
リビングに戻って来てから、自分の鞄から何かの封筒を取り出す亜紀。取り出したものは『離婚届』だった。キッチンの近くの棚の一番上にしまう。それをいつものようにモニターで監視している弓子。弓子は、悩んでいるだろう亜紀の様子を微笑むように眺めている。

場面は変わり、お墓の前に来ている亜紀。
お父さん、私と健一さん、もうだめかも、とお墓に向かって力なく呟く亜紀。
すると亜紀の後ろに近付いてくる人物が映る。その人物は言う。
「浮気でもされたのかい?」
大きなお供えの花を抱えた亜紀の実母、久美子(烏丸せつこ)だった。
それに気付いた亜紀は、顔を思い切り歪めて、思わずそこから離れる。
「だからあたしは反対したんだよ、あんなバツイチ男と結婚するとロクな事にならないって。」
「その話はやめて」、と制する亜紀。
秘密なんてのはね、いつまでも隠し通せるものじゃないんだよ。ましてやあんな大嘘を、と久美子。
「やめてって言ってるでしょ」、と声を荒げる亜紀。
「健一さんの前の奥さんは亡くなったんだから。今の私たちにはもう何の関係もないの。」
じいっと亜紀を見る見ている母、久美子。
「子供たちの前で絶対に余計なこと言わないでよ」
去って行った亜紀を見詰めている。

弓子の部屋の外の廊下、生方が茶封筒を返却する。
「お返しします」
弱虫ね、と弓子。
「あなたの言う事なんて何も信用できないので」
去って行こうと歩き出す生方の背中に、弓子は声を掛ける。
亜紀さんに告白したら?彼女いま、弱ってるし、手に入れるなら今がチャンスじゃないかしら、と。
「俺は人の家庭を壊してまでどうこうしようなんて思いません」
偽善者、と楽しそうに笑っていう弓子。
「あなたより常識があるだけです」
君はただ臆病なだけ。下手したら子持ちの人妻の人生を背負うことになる、それが怖いんでしょう?これはここに捨てとくわ。弓子はそう言って、生方の足もとに茶封筒を落として、部屋に帰って行ってしまった。弓子を睨みつける生方。自分の足元には茶封筒。
マンションからの帰り道、生方は橋の近くの石段に腰かけ、茶封筒を見詰めている。
茶封筒を破こうとしたその瞬間、弓子の挑発的な言葉を思い出し、手を止める。
弱虫ね、の弓子の声が離れない。
意を決して立ち上がり、茶封筒を破り、勢いよく中身を取り出す生方。中には一枚の写真だった。
驚愕の表情で、なんだよ、これ、と声を漏らす。

場面は変わって警察署。荒又や津久井たちが話しているところに刑事課長が怒鳴り込んでくる。
「新たな被害者だ、しかも今回は幼児じゃない!小学6年生の男子、今井玲雄!」
住所を叫び、すぐに急行してくれ、の言葉に、その場は騒然となる。
顔をしかめる荒又。「また湾岸エリアか…」
スカイグランドタワーにじゃれ合いながら小学生の男の子たちが帰っていく。その後ろをゆっくり浮かない顔の亜紀が歩いてくる。その向かいから外出しようとする弓子が出てくる。互いに目が合う。しかし何も言わずに二人は通り過ぎる。
通り過ぎる瞬間、亜紀は健一の頬にキスする弓子を思い出していた。
暫く通り過ぎてから亜紀は後ろから声を張った。
「最低な人ですね」
立ち止まった弓子の後ろ姿に亜紀は続ける。
健一さんの事は好きにしてください。でも子供たちの事は、私が必ず守ります、と。
振り向いた弓子は、そう、ご立派ね、と返す。それを受けて亜紀は珍しく強気に弓子を睨みつけて、
「子供たちを守るためならなんだってします、私は母親ですから」、と。
きっとそうね、あなたがちゃんとした母親なら、と微笑み、弓子は歩いて行った。
それを見ている亜紀。ここでナレーション。
(女は時々、嘘をつく)
和樹の育児日記を開いている亜紀。表紙には『育児日記 和樹 11歳~12歳』
(真実にフタをして、誰の目も届かない場所に隠すために)
和樹の小さなときの写真が写っている日記を読んでいる。
(だけどそれはパンドラの箱)
川の近くで打ちひしがれている生方が映る。『育児日記 和樹 2歳~』を箱にしまう亜紀。
(いつの日か真実は解き放たれる。取り返しのつかない悲劇へと、姿を変えて)
顔を歪めて、一人で首を振る亜紀。
「これだけは言えない、絶対に…」
苦しい表情を見せる亜紀が砂のように崩れてここでドラマタイトル。

行方不明になった今井玲雄の家に向かった荒又と津久井。母親に話を聞く。
いなくなったのは一昨日の夕方でしたよね?、と津久井が聞くと母親(酒井美紀)は答える。
サッカーに行くって出て行ったんですけど、と。
そして本人のノートを開いて言う。
「後で気付いたんですけど、部屋にこれが…」
そのノートには本人の直筆だと思われる文字で『ハーメルンについて行きます。』、とあった。
玲雄くんが自らさわられた?、と驚く津久井。
まさか!それは絶対あり得ません!、と声を荒げる若い母親。
「なぜですか?」、と荒又。
うちは父親がいないのですが、玲雄は私の体の事を心配してくれたりお手伝いしてくれる優しい子なんです、と。
荒又は玲雄くんがサッカーをしている写真が壁に飾られているのを見る。
いつもニコニコして母親想いのいい子だって、皆さん言って下さいますから、と。
でもなんでそんな玲雄くんが、そんな書き置きを?、と荒又が言うと、母親は顔を歪めて首を横に振るだけだった。
荒又はそんな母親をじいっと見るのだった。
「不倫、ネグレクト、ギャンブル、虐待、これまでの事件は母親の何らかの落ち度を罰するためだったはずですよね?」、と家を後にし、津久井が言う。
「でも今回は黄色いカーネーションもないし、母親には何の落ち度もない」
それはどうかなぁ、荒又は見詰めている。玲雄の家の目の前に『資源・ごみの集積所』。そこの石塀に黒いスプレーで『死ね』と書かれているのを。
「母親に見えているのが、本当の息子とは限らない」

「区の写真コンクール?」
亜紀の家に橋口成美(川津明日香)が尋ねてくる。担任教師が和樹の写真を応募していて、それが入賞したという報せだった。
知らなかった、あの子そういうの全然言わないから。ありがとう、と笑顔の亜紀。
この前、うちのせいであんな騒ぎになっちゃったから、と成美。
「今度の日曜日、表彰式があって。入選した写真飾られるみたいですよ」
成美のその言葉に表情がパッと明るくなる亜紀。
どこかの外で一人座っている和樹(佐野勇斗)。携帯にメールが届く。開いてみると亜紀。

―コンクール入選おめでとう。
日曜の表彰式、お母さんも行っていい?

表情を少しも変えないまま、和樹はそれを削除。
立ち上がり歩き出そうとした瞬間、また携帯が鳴る。今度は友達からのLINE。
名前は和馬、『日曜、来るだろ?』
少し目を泳がせるが、『いく』と早々と送信。

一方、亜紀とそらは和樹のための表彰式用のスーツを見に行く。対応してくれた店員との会話。
お母様より背が大きいのですね、と言われ、もうとっくに抜かされてしまって、と笑って話す亜紀。
自分のお腹の中にいた子に背を抜かれるって、感慨深いですよね、と店員。
しかし笑っているも、何も言葉を返さない亜紀。少し戸惑うような表情さえ見せる。

マンションに帰って行こうとする健一の前に生方が現れる。
芝生ではたくさんの子供達が走り回り、賑わっている。健一は仕事の装いだけど帰って来るの早すぎない?まだ全然夕方って感じでもないんだけど。大丈夫か?もろもろ(笑)。
ベンチの前で生方は健一に迫る。
「これ、本当なんですか。」
弓子から受けた写真を健一の前に差し出す。驚愕する健一。
「これをどこで?」
「佐々木弓子に渡されたんです。」
「あいつ!」
その頃お店から帰宅してきた亜紀とそら(稲垣来泉)は、ベンチにいる健一と生方に気付く。
ベンチに腰掛けた生方は、これは亜紀さんには秘密なのか、と尋ねる。
当たり前じゃないか、夫婦だからって何もかも全部話すのがいいってもんでもないんだよ、と感情的になる健一。
「知らない方が幸せな事もあるんだ」
写真を見詰めている生方に健一は立ち上がり、迫って言う。
その写真は見なかったことにしてくれ、と。
「弓子には俺の方から口止めを…」、と健一が言いかけた瞬間、亜紀が入ってくる。
「弓子さんがどうしたの?」
二人が振り向くと、亜紀が驚いた顔で立ってこっちを見ている。反射的に写真を動かす生方。
「その写真なに?」
亜紀は不思議に思うも、何も言わない二人にしびれを切らし、その写真を奪い取る。
もっとしっかり握っとけや、生方!!(笑)
奪い取って意味ありげにCMへ(笑)。

CM開けて、亜紀、写真を見て驚愕の表情。
それは健一と弓子の結婚写真。新郎の健一は黒いタキシードを着て、新婦の弓子は純白のウエディングドレス。
若き日の二人はこちらを見て優しく微笑んでいる。
「なにこれ、パ、パパがこの人と夫婦だったってこと?」
激しく動揺する亜紀。
「え、だって、前の奥さんは亡くなった、って言ってたよね?嘘なの?」
健一に振り返って、嘘ついてたの?と健一を掴むように亜紀が強く迫ると、健一はその勢いでベンチに倒れ込んだ。
うな垂れて「すまん」、と絞り出す。力なく亜紀も健一の隣にしゃがみ込む。
そして少しの間を置き、亜紀は気付いて、口を開く。
「じゃあ、和樹の、母親って…」
それを聞いた生方は思わず声を漏らす。「……えっ?」
肩で荒い息をしている健一は何も言わない。
「和樹くんを産んだ母親って…」生方がそう言い掛けると、「ちょっと黙ってくれ」、と荒く言い退ける健一。
しかし生方は健一を見た後、芝生に落ちたままの結婚写真に目を落とし、呟いた。
「佐々木弓子…」、と。
悔しさでいっぱいの表情の亜紀。健一は恐る恐る口を開く。
「和樹が1歳になったころ、あいつは離婚したいと言い出して、和樹を捨てて出て行ったんだ」
「どうして?」、と亜紀。
「それは…」
健一はかなりの間を置き、何かを考えるようにしながらも、「分からない…」と続けた。
「理由も言わずに出て行ったってこと?あの子を置いて?」
あぁ、と俯く健一。
なんで今になって俺たちの前に出て来たのか、俺にも…、そこまで言い掛けて健一は言い淀む。
そして思いを巡らせてから、やがて亜紀は気付く。
「和樹を取り戻すためよ」
だからうちを壊そうとしてメチャメチャに…、と激しい怒りを燃やす亜紀。

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弓子は自分の部屋でクリスマスツリーの飾りつけをしていた。小さな子供用のクリスマス柄の靴下を見詰めている。その靴下をひっくり返すと、『KAZUKI』の刺繡。
そこへ来客を知らせるインターフォンが鳴る。弓子が扉を開けると、そこにはなにやら冊子をたくさん抱えた、顔をしかめている亜紀。リビングのテーブルにその冊子を置く亜紀。
「これ、和樹の育児日記です」、と亜紀がソファーに座って言う。
突然、なに?、と弓子。
私はまだあの子が2歳の頃からずっとあの子と一緒に過ごしてきたんです、と話し始める。
その育児日記を開いて弓子の前のテーブルに差し出す。
熱がある時は夜中に病院に駆け込んで、毎日毎日幼稚園のお弁当のおかずに悩んで。小学校に上がってからもお小遣いどうするか、塾をどうするか、スマホはいつ持たせるか。そうやって小さいけど大事な問題を一個ずつ解決して、あの子をここまで育てて来たんです。
そう言って亜紀は弓子の顔を見ると、弓子は強い目で真っ直ぐに亜紀を見ていた。その目に少したじろぐ亜紀だったが、気合を入れ直し、続ける。
今でも、あの子が初めて「お母さん」って言ってくれた日の事は忘れらせません、と。
弓子は亜紀から目を逸らす。
「あの子の母親は私です」、と亜紀は言う。私だけです、と。
弓子は険しい表情でゆっくりと口を開く。
母親って、苦労の数でなるものなの?算数みたいね、と。
「あなた、今の和樹を知ってる?本当の和樹をどれだけ知ろうとしてる?」
亜紀は眉間にシワを寄せる。
あなたは和樹の事が何も見えてない、と吐き捨てる弓子。
あなたは和樹の何を知ってるって言うの?と亜紀が言うが、弓子は目も合わせず、何も答えない。
亜紀は育児日記を整え、帰り支度を始める。「負けませんから」
「一度和樹を捨てたあなたには、絶対に負けませんから。」
亜紀のその言葉に睨み合う二人。

夜、和樹の部屋の扉をノックする亜紀。
お兄ちゃん、区のコンクール入賞したんだって?すごいねぇ、と扉に向かって話しかける。
日曜日の表彰式、絶対行くからね、行っていい?と一人で続けていると、突然部屋から大音量の音楽が流れ始め、亜紀の声はかき消されてしまった。和樹、と呟き、扉に力なく寄りかかる亜紀。

一方場面は変わり、生方はどこかの階段をのぼり、お店が並ぶ通りで清掃員をしている女性に声を掛ける。
「三田久美子さんですよね?」、と歩み寄る。
蒲田クリーニングの、覚えてませんか?隣の2階に住んでいた生方です、と。
床磨きをしていた女性を顔を上げる。
それは亜紀の実母、久美子だった。「航平くん?懐かしいねぇ」、と笑顔を見せる。
二人で場所を変えて、並んで座り、話をする。
「そう、亜紀がそんなことにねぇ」、と久美子。
あの子がね、子連れの男と結婚するって聞いて、私反対したんだよ。そんな苦労をわざわざ背負うことないだろって。和樹の母親になる事もひっくるめて健一さんと結婚したいんだって。最初は継母だってことを追い目に感じて力んでたんだろうね。やりすぎってくらいに完璧な母親になろうとしてた、と久美子は回想する。
家で和樹の表彰式用のワイシャツにアイロンをかけている亜紀が映る。
和樹の部屋のドアノブにハンガーで掛けて満足そうにスーツを眺めている。
「でもそらちゃんが生まれてからは肩の力が抜けて来たけどね」
本当にいいお母さんだと思います、と生方も言葉を添える。
でもね、心配な事もあったの、と久美子は振り返る。
「和樹が中学生になったときかな、私に相談に来たのよ、学校行きたくないって。」
学校で一人、窓から外を見ている、和樹が映る。その目は空虚で、どこかを悲しく見詰めているのだった。
「亜紀に話してみたんだけど、お兄ちゃんなんだから、男の子だからって、ちゃんと聞いてやらなかったみたいでさ。その頃からちょっとずつちょっとずつボタンを掛け違えて来ちゃったのかもね」
生方は和樹くんは知っているのか、と訊ねる。
本当のお母さんが別にいる事を、と。
首を振る久美子。それだけは絶対に言わないってさ。
「母親ってのは悲しいよね、子供の為につきたくもない嘘までつかなきゃいけないんだからさ」

その帰り、自転車を押して、歩く生方。
空には飛行機雲。すると後ろからため息が聞こえる。振り向いてみると亜紀だった。
亜紀もこちらに振り返っている生方に気付く。生方は頭を下げる。
「すいませんでした。俺が、あんな写真捨てればよかった」
逆に分かって良かった、と笑顔を作る亜紀。
何か俺にできる事があれば、と生方が言うと、「ありがとう」、と返す亜紀。
でももういいよ、家族の事は自分で何とかする。だれにも頼らずに一人で、と。
「大丈夫じゃないじゃん」、と苛立つように言う生方。
亜紀さんには笑っててほしいんだよ、俺もう子供じゃない。亜紀さんの事ちゃんと支えたいんだよ!
「困ってる亜紀さんを放っておけないよ」
その熱意溢れる生方の言葉に少し心が揺れるも、すぐにお姉さん的表情になり、笑顔を作る。
優しいなぁ、と笑う。
でもさ、そういう優しさは本当に大事な人に使った方が良いよ、と続ける。
「今までありがとう」、と去って行った亜紀の表情は悲しさや苦しさが滲んでいた。
いつまでたっても蚊帳の外な生方くんも切ないものがありますねぇ(笑)。

『砂の塔』ネタバレ&感想レポートその2につづく