雑学

なぜ今のテレビのアスペクト比は16:9なの?

5年前にアナログ放送から地上デジタル放送に完全に切り替わりましたが、その際に多くの家庭が液晶テレビに買い替えたと思います。
地デジ対応テレビに替える前は「アナログで十分なのに、なんで余計な出費をさせるんだ!」なんて思っていましたが、デジタル放送の綺麗さと番組表の便利さに慣れてしまった今では、とてもアナログ放送には戻れなくなってしまいました。
また、地デジに変わり液晶テレビに買い替えた際にアスペクト比4:3から16:9に変わった家庭も多いのではないでしょうか。地デジに切り替わる前はアスペクト比が16:9のテレビといえばハイビジョンの良いテレビだけでしたので、「16:9のテレビなんてすごいなぁ」なんて思ったものです。
しかしながら、なぜ昔のテレビのアスペクト比は4:3で今のテレビのアスペクト比は16:9なのでしょうか。

昔のテレビが4:3の理由

機械的には本当は1:1がベストだった

今のテレビは多くが液晶テレビですが、昔はテレビといえばブラウン管でした。テレビ開発当時のブラウン管はレンズのような曲線を描く形でした。丸いほうが壊れにくく、作るのも簡単だったからです。このブラウン管に画像を表示するには、1:1の正方形の形がベストだったのです。

なんで4:3になったの?

テレビの先輩である映画界では、ビスタサイズ(1.66:1など)やシネマスコープサイズ(2.35:1)などの幅の広いスクリーンが使われていました。この映画をテレビで放映することを考えると、1:1では都合がよくありません。そこで、テレビの比率を4:3に決め、少しでも映画館に近づけるようにしました。

16:9になった理由

16:9ではなく5:3になっていた可能性も?

その後、高精細度テレビの開発にあたり、NHKの研究所が、70インチ以内のテレビでは5:3の比率が望ましいと国際無線通信諮問委員会に提案しました。

結局16:9に決めたのはアメリカでした。

しかし、アメリカから、ビスタサイズなど幅の広い映画を最大限表示するためには16:9のほうが望ましいという提案があり、最終的にこの16:9が世界標準に決まりました。

まとめ

アスペクト比が横に長くなっていったのは、映画という巨大産業があるからだったんですね。
そして、結局すべてを決めてしまうのは力のある国なんですね。